オープン戦とはいえ、9連敗は気がかりだ。岡田監督はここからチームをどう組み立てていくのか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 3月10日オープン戦でまだ白星のない阪神甲子園で巨人と対戦した。先発マウンドにはプロ3年目の岡留英貴が上るなど、この日はシーズンでリリーフ起用が予想される投手7人がマウンドに登り、「ブルペンデー」を展開。しかし、中盤、終盤で巨人打線に得点を許し、4-5で敗れている。これで今季のオープン戦9連敗となった。

【動画】「中継ぎの役割」2024年3月10日【 阪神 vs 巨人 】 佐藤義則の眼

 岡留の後を受けたのは、岩崎優、石井大智、浜地真澄など昨年の優勝メンバーの他、石黒佑弥、津田淳哉といった1軍定着を目指す若手も登板、さらにオリックスから加入の漆原大晟もマウンドに登っている。

 4万人超えの観衆となった甲子園での巨人戦、敗れたとはいえ、2回を無失点に抑えた岡留、1イニングを打者3人で終えたルーキーの石黒と、シーズンへ期待を抱かせるパフォーマンスもみられた。しかし、その一方で、3番手の石井が2失点、さらに8回を任された浜地も四球絡みで得点を許すなど、実績のある投手のピッチングが不安を残すことに。

 今季、救援の役割を担うであろう7人のピッチャーが起用され敗れることとなった、この日の巨人戦。9連敗という不本意な結果もさることながら、マウンドに登った投手の内容について、球界OBからさまざまな評価が送られている。

 阪急やオリックスで現役時代を過ごし、指導者として球界屈指の投手コーチとして知られる、佐藤義則氏がYoutubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』の中で、リリーフ投手の役割についてコメントしている。

 佐藤氏は2回を1安打無失点に抑えた岡留に対しては「ボールも強いし、ベース上、ゾーンの中で勝負が出来ていた」と称え、4番手として登板した石黒にも「アウトローへのコントロールも良かった。ストライクゾーンに投げ切れていた」として、両者のピッチングには賛辞を並べた。

 だが、8回に2失点を喫した浜地の投球には、先頭打者への四球という内容に苦言を呈している。佐藤氏は「ノーアウトでランナーを出しちゃうと、攻撃側は貰ったチャンスなんで、バントやエンドランなど何でもできる」と指摘。

 さらに「トップバッターに対してもっと大事に攻めないといけない。中継ぎであれば特に、先頭の打者をしっかりアウトにすることが大事」と説明。その上で、リリーフの結果により「その後の投手交代にも影響する」と論じながら、「1イニングなら、1イニング。1人(の打者)なら1人。出ていくピッチャーもしっかり自分の仕事をできるように。これが中継ぎにとっては大事なので、この試合で投げたピッチャーは頭に入れて欲しい」と述べている。

 昨年の躍進を支えたリリーフ陣は、2024シーズンもチームの生命線であることは間違いない。その中で、試合後半のマウンドを託す投手のクオリティをより高めていく必要があると、この日のゲームで課題として浮き彫りになったのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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