乳製品を取って強い体をつくろう——。子どものころからの食育の大切さを学ぼうというイベントが、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の元キャプテンの宮間あやさんと約80人の親子が参加して、3月10日横浜市の「こどもの国」で行われた。サッカーで体を動かしおなかをすかした後には、粉チーズをかけて食べる豚汁がふるまわれた。乳製品をとり入れた和食メニューを味わった宮間さんは「いつもと違う料理になっていて、おいしかった」。参加したお母さんからは「レシピが増えて、うれしい」という声が上がった。

 イベント前半のサッカー体験では、宮間さんが手本を見せて親子でドリブルやシュートの練習。最後には、子どもチームの試合に加え、親チーム同士の対戦が行われた。お母さんチームに加わった宮間さんが、ドリブルですいすいとお父さんたちの間を抜けシュートを決める場面も。宮間さんは「お父さん、お母さんの本気を見ることは、子どもたちにとってとてもいい刺激。そのきっかけを、と思って」と笑顔で話した。その後の管理栄養士とのトークショーコーナーで、宮間さんは「(スナック菓子などの)ジャンクフードを食べたくなったら『その一口で、最後の一歩が出なくなる』と思って我慢した」といった現役選手時代の食生活を紹介。「食べものが体をつくるということを忘れずに、いいものをたくさん食べて」と語りかけた。



 おなかがすいたところで食体験。イベントを主催した雪印メグミルクのグループ会社が運営している「こどもの国牧場」の牛からとれた生乳で作った「サングリーン」と、粉チーズをかけて食べる豚汁などが出された。管理栄養士の説明で、牛乳にはカルシウムがたっぷりと含まれていることを聞いていた子どもたち、久しぶりに体を動かしたという様子のお父さん、お母さんたちが、濃厚な牛乳でのどを潤し、具だくさんな豚汁をほおばった。



 雪印メグミルクは、創業間もない昭和初期に「バターのしおり」をつくり、栄養価は高いが当時はまだ珍しい食品だったバターの食べ方を紹介するなど、乳製品の活用と食育の啓発活動に力を入れてきた歴史がある。畑本常務執行役員は「例えばチーズをメインにしなくても、普段の食事にちょっと加えるだけで栄養バランスが改善したり、塩分を減らしてもうまみが感じられたりする。Jミルクの提唱する『乳和食』も推進したい」と説明した。7歳と5歳の子どもと参加した横浜市の浅井千晴さんは「こういう組み合わせがあるんだと驚いた。おいしいし、栄養的にもいいので家でも絶対つくる。子どもたちの背も伸ばしたいから」と話した。


イベントを終え記念撮影する宮間あやさん(最前列中央)と参加者