エミー賞に輝くヒットメーカーのディック・ウルフ氏が手掛ける、“シカゴシリーズ”の第3弾「シカゴ・メッド」(Huluにてシーズン1~8まで配信中)。シカゴ医療センターの救急部門を舞台に、医師や看護師、スタッフたちが緊迫した現場で奮闘する姿を描いたメディカル・ヒューマンドラマだ。本記事では、「シカゴ・メッド」のあらすじや見どころを紹介していく。

【写真】ワイルドな見た目がカッコいい…感染症の専門医イーサン・チョイ役を演じるブライアン・ティー

■「シカゴファイア」のスピンオフ作品となる「シカゴ・メッド」

本作は、2012年にアメリカで放送開始され大ヒットを記録した「シカゴファイア」の2番目となるスピンオフ作品として、2015年に放送を開始。シカゴの街で最も新しい医療センターの救急外来を舞台に、物語が展開していく。「シカゴファイア」や「シカゴ P.D.」とのクロスオーバーエピソードでは、人気キャラクターたちが交錯するなど、シリーズとしての見どころも満載だ。

また、キャストにも魅力的なメンバーが揃っている。心臓外科の権威であるダウニー医師(グレッグヘンリー)に腕を見込まれている外科医のフェロー(専門研修医)、コナーローズ医師を演じるのは「ARROW/アロー」に出演するコリン・ドネル。

そしてコナーとしばしば対立する内科医のシニア・レジデント(後期研修医)、ウィル・ハルステッド医師を演じるのは「シェイムレス 俺たちに恥はない」や「ロイヤル・ペインズ~救命医ハンク~」に出演のニック・ゲルファス。救急外来で研修中の小児科医ナタリー・マニングを、「アーミー・ワイフ」や「Major Crimes ~重大犯罪課」に出演のトーレイ・デビートが演じる。

さらに、ナタリーのバースパートナーでもある主任看護師マギー・ロックウッドを「アメリカン・クライム」のマーリーンバレットが、感染症の専門医でチーフレジデントイーサン・チョイを「ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT」や「ジュラシック・ワールド」「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」に出演するブライアン・ティーが演じている。

そのほか、シカゴ消防局のケリー・セブライドと友人の看護師エイプリル・セクストンをヤヤ・ダコスタが、医学部の4年生サラ・リースレイチェル・ディピッロが、管理部長のシャロン・グッドウィンをS・エパサ・マーカーソンがそれぞれ務める。

■私生活での複雑な思いを抱えながら命の現場で奮闘するメンバーたち

シーズン1では、シカゴ医療センター“シカゴ・メッド”の救急外来がリニューアルされ、式典が行われている最中に電車の脱線事故が発生。多数の負傷者が運び込まれてくる。乗り合わせていた新任の外科医コナーは、自ら負傷しながらも重態の乗客に付き添い救急車シカゴ・メッドに到着。医師やスタッフ総出で一人でも多くの命を救うため治療に当たっていく。その後、臨月で夫を戦争で亡くしたナタリーや、そんな彼女に思いを寄せるウィルなども登場。それぞれの私生活での複雑な思いも描かれる――。

シーズン2では、救急外来(ED)に、交通事故で怪我を負った妊婦シェリルドクターヘリで搬送される。シェリルに大動脈瘤の出血が見つかるが、コナーと胎児への影響を心配するナタリーの間で治療方法の意見がわかれてしまう。命の現場に身を置きつつ、それぞれがキャリアや人生で新たな局面を迎えていく。コナーは、腕は良いが変わり者の指導医レイサムに戸惑い、チーフレジデントに昇格したイーサンは独自のシステムで人事シフトと病室を管理しようと張り切っていた。サラは病理の道に進もうと考えていたが、精神科部長のチャールズから精神科のレジデントに誘われるのだった――。

シーズン3では、チャールズが病院の外で待ち伏せしていた患者のジャック・ケロッグに拳銃で撃たれるも一命をとりとめ、早々に現場復帰する。一方、ナタリーが長期休暇から戻り久々にウィルと再会したところへ交通事故に遭った夫婦が担ぎこまれてくる。チャールズの娘・ロビンは脳の腫瘍摘出手術を受け退院。再びコナーとの生活に戻るが、不安定な関係が続く――。

シーズン4では、サラの父親ロバートが殺人犯だと判明する。サラはそのことを確信しながら黙っていたチャールズへの不信感を拭いきれない様子。コナーは、結合双生児の分離手術に成功したことで他の病院から引き抜きのオファーを受け、シカゴ医療センターから去ることを決意する。しかし、それまでの間に担当した交通事故の急患がオペ室への移動中に死亡してしまい、ハイブリッド手術室の必要性を感じる。ナタリーとウィルが担当した人工内耳を付けた聴覚障がい者ピーターは頭痛を訴えていたが、人工内耳に懐疑的な婚約者と口論になる。

パンデミックによりメッドの全スタッフが厳しい現実と直面することに…

シーズン5では、ウィルとナタリーが車の衝突事故に遭い、ナタリーが意識不明となる。やがて目が覚めると、ナタリーには事故前後の記憶がなくなっていた…。その後、悪天候続きのシカゴでは電が発生。そのうえ、メッドの非常用発電機は排水管の漏れで水浸しになり、作動が止まってしまう。そんな中、近くで救急車乗用車の衝突事故が発生し、搬送途中だった心疾患の患者と負傷した救命士が運び込まれる。非常事態なうえ人手が足りない状態でハイブリッド手術を行うこととなり――。

シーズン6では、パンデミックによりシカゴ・メッドの全スタッフが対応に追われることとなる。厳しい現実に直面しながらも最前線で対応する医師たち。クロケット医師は、昔の知人が運び込まれ自分の過去と向き合うことに。イーサンはストレスと体調不良に悩まされながらも仕事をこなそうとしていた――。

シーズン7で、ウィルはグッドウィンの極秘調査を手伝うことに。医師たちは全てをお揃いにしたいとダダをこねる双子や、抑圧されたトラウマを抱えたユニセフ職員、症状が寛解しているにも関わらず嘘をついている患者など、さまざまな患者に対応していた。そんな中、ディランと家族ぐるみで付き合いのあるベテラン刑事のおかしな行動に、ディランはメッドと警察への忠誠心を試されることとなる――。

シーズン8では、ウィルのアパートで火事が起き、イーサンとアーチャーは生存者を救うために奮闘する。チャールズはネリーとともに被害妄想のある患者を担当するが、治療について意見が合わず衝突してしまう。さらに、物資の供給プロセスが混乱をきたし、メッドも大きな影響を受ける。ありあわせのもので治療に当たらなければならなくなったメッドへ、ヴァネッサの知人だという売人が現れ――。

■登場人物の生き方に共感できる「シカゴ・メッド」

コナーを演じるコリン・ドネルは、以前雑誌のインタビューで「病院に関わる看護師から管理者、精神科医、外科医、小児科医までいろんな職種や、病院に関わる様々な人たちが出てくる」「忙しい病院の絶えることのない目まぐるしい活気と共に、登場人物のプライベートな生活の奥深くまで描いている」と、本作の魅力について語っていた。

また、自身の役どころに関しては「外傷外科医で、シカゴの医療チームに新しく入ったメンバー。初めのころはどこか謎がある雰囲気を見せるのだけれど、話が進んでいくと、いろいろなことが明らかになっていく」とコメント。優秀だが、どこか謎めいた雰囲気を漂わせるコナーがどのような秘密を抱えているのかも、本作の注目ポイントだ。

そしてナタリーを演じるトーレイ・デビートは、同じく雑誌のインタビューで、「世界中で起こっていることがこのドラマで扱われている」と語っている。彼女は、ナタリーの経験する多くのことが自分のことのように感じられる点がとても気に入っているそうで、「多くの女性が彼女に共感できると思う」と、本作が人気を得ている理由について考えを述べていた。

スタッフに新型コロナウイルス感染者が出るなどのトラブルを乗り越えながら、撮影された本作。医療ドラマにふさわしい緊迫感や臨場感はもちろん、各キャラクターにフォーカスした人間ドラマの感動も味わえる。

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