バレンシアに所属するDFクリスティアン・モスケラに対する、スペインサッカー界の動きに注目が集まっているようだ。12日、スペインメディア『Relevo』が報じている。

 ついに、MFブラヒム・ディアスモロッコ代表入りを決断した。モロッコ人の父親とスペイン人の母親の間に生まれたレアル・マドリードの選手は、双方の代表を選択できる権利を有しており、当初は世代別代表として選出されてきたスペインでのプレーを望んでいたものの、フル代表では公式戦出場の機会を得られないままだった。そして今月に入り、かねてより誘いを受けていたモロッコ代表に鞍替えする意志を固めたのだ。

 スペイン代表としては有望株を逃してしまったわけだが、この“ブラヒム事件”に端を発す形で、とある選手に対するスペインサッカー界の動きに注目が集まっているとのこと。それこそが、今シーズンにセンターバックとしてブレイクしたバレンシアに所属するクリスティアン・モスケラだ。先日にクラブとの契約を2026年夏まで延長した19歳もまた、スペイン代表以外でプレーする可能性を残している。

 スペイン東南部・アリカンテ生まれのモスケラの両親はコロンビア人で、同選手はスペインコロンビアの二重国籍者である。これまではスペインの世代別代表としてプレーしてきたが、1年前にはU-20コロンビア代表に近づいたのも事実。さらに『Relevo』は、コロンビア代表の関係者が『メスタージャ(バレンシアの本拠地)』に何度も足を運んでいる他、直接的な接触もあったことを指摘している。

 モスケラ本人の夢は、スペインの世代別代表を経て、フル代表に到達することだ。15日に発表を控えるフル代表には少し遠いが、サンティ・デニア監督が率いるU-21スペイン代表に招集される可能性はあるだろう。前回までは、招集外だっただけに、同じく15日に判明するU-21スペイン代表に注目が集まっている。果たして、“ブラヒム事件”はスペインサッカー界に警鐘を鳴らしたのか。

スペインとコロンビアの二重国籍者のCBモスケラ [写真]=Getty Images