第96回アカデミー賞授賞式を控えていたタイミングということもあり、観客の映画愛の高まりが反映されたのか、3月第2週の北米映画市場の興行収入は、2週連続で2024年最高の数字を記録。新作5本が、週末3日間の興行収入ランキングのトップ10にランクインしました。

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首位は、コメディアニメシリーズの第4作「Kung Fu Panda 4(原題)」(ユニバーサル)。ジャック・ブラックが、変幻自在の魔術師カメレオン(声:ビオラ・デイビス)から平和の谷を守るジャイアントパンダ、ポーのボイスキャストとして続投しています。レッサーパンダの師匠シーフー(声:ダスティン・ホフマン)から「龍の戦士」の称号を授けられたポーは、泥棒ギツネのゼン(声:オークワフィナ)を連れ、ハン(声:キー・ホイ・クァン)という名のセンザンコウが率いるグループの助けを借りることに。マイク・ミッチェル(「レゴ(R) ムービー2」)が監督、ハンス・ジマー(「グラディエーター」)が音楽を担当。週末3日間で興収5800万ドルをあげ、シリーズのなかでは、第1作「カンフーパンダ」(2008/6000万ドル)に次ぎ2番目に良いオープニング成績となりました。

2位は、先週首位だった「デューン 砂の惑星 PART2」(ワーナー)。上映館を拡大し、北米最大の規模で上映されています。週末3日間で興収4600万ドルを記録。累計興収は1億5700万ドルで、24年公開作品のなかで1位となっています。

3位には、イマジナリーフレンドをテーマにしたホラー「Imaginary(原題)」(ライオンズゲート)が初登場。ディワンダ・ワイズ(「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」)演じる主人公ジェシカ(ワイズ)が幼い頃に育った家に家族と移り住んだところ、末娘アリス(パイパー・ブラウン)が地下室で見つけたテディベアに異常な執着を抱き、やがて恐ろしい事態が巻き起こるさまを描きます。ジェフ・ワドロウ(「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」)が監督を務め、ジェイソン・ブラム(「ゲット・アウト」)が製作に名を連ねています。週末3日間で興収1000万ドルをあげました。

「Sound of Freedom(原題)」をヒットに導いたエンジェル・スタジオによる伝記ドラマ「Cabrini(原題)」は、4位デビュー。アメリカに移住したイタリア修道女フランチェスカ・カブリーニ(クリスティアーナ・デランナ)が、反イタリア的なニューヨーク市長グールド(ジョン・リスゴー)に抵抗し、小児病院を建設する姿を描きます。ジャンカルロジャンニーニ(「007 カジノ・ロワイヤル」)が、ローマ法王役で共演。アレハンドロ・モンテベルデ監督(「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」)がメガホンをとり、週末3日間で興収750万ドルを記録しました。

9位は、安藤サクラが主演した日本映画「百円の恋」の中国リメイク版「Yolo(英題)」(ソニー)。中国を代表するコメディエンヌであるジア・リンが主演・監督を務めました。週末3日間で、興収84万ドルを記録しています。10位は、ニューヨークメトロポリタン歌劇場(MET)の最新オペラ公演の映像を、映画館で上映するシリーズの新作「METライブビューイング2023-24 ヴェルディ《運命の力》」(ファゾム・イベント)。ジュゼッペ・ベルディが手がけ、1862年にロシアで初演されたオペラを、鬼才マリウシュ・トレリンスキのスリリングな演出で描きました。週末3日間で、興収76万ドルをあげています。

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