デカい銃をぶっ放し、並みいる敵を次々倒す。伝説のラン&ガン系アクションゲーム「魂斗羅」が、装いも新たに帰ってきた。それが2024年3月12日発売の「魂斗羅(こんとら) オペレーション ガルガ」だ。

【大きな画像をもっと見る】


魂斗羅」は1987年アーケードゲームとして登場。その後、ファミコンゲームボーイスーパーファミコンメガドライブPlayStation 2といった、多彩な機種で展開し続けている人気シリーズである。横移動とジャンプでコースを突破しつつ、無数の敵を銃で撃ちまくるラン&ガンスタイルの名作として、今もコアなファンに愛されている。

タイトルになっている魂斗羅とは、「熱い斗魂とゲリラ戦術の素質を先天的に併せ持つ最強の闘士の呼称」のこと。魂斗羅たちが敵と戦う、アクション映画のクライマックスのようなシーンが続くゲームなのだ。

  

そんな「魂斗羅」シリーズの最新作が「魂斗羅 オペレーション ガルガ」。公式サイトには“初代「魂斗羅」を完全リメイク”とあるが、初代作の舞台設定を使い「魂斗羅」をリブートした作品というほうが実態に即していると感じられる。つまり、基本ルールや操作感は「魂斗羅」のものを受け継ぎつつ、歴代作のエッセンスも取り入れた新作というわけだ。

そういうわけなので、これまでのシリーズのプレイ経験やストーリーの理解は問われない。入門用にもピッタリだ。制作は海外デベロッパーのWayForward。同社が手がけたニンテンドーDS用ソフト「魂斗羅デュアルスピリッツ」(2008年)は初期シリーズへの愛情に満ちた作品だが、そうした方向性は本作でも受け継がれている。

 

百戦錬磨の魂斗羅であるビルとランスは、武装テロ組織レッドファルコンに侵攻されたガルガ諸島へ潜入。島を守る部族の生き残りであるアリアナ、魂斗羅をサポートする海兵隊の副司令官ルシア、軍用アンドロイドのプロボテクターといった仲間たちとともに、レッドファルコンとの戦いに挑む。

 

  

シリーズ伝統であるラン&ガンスタイルは本作でもそのまま。突っ走りながら敵どもをバリバリと撃ちまくっていくのは爽快だ。各ステージには連射性にすぐれたマシンガン、広範囲に弾が広がるスプレッドガン、火炎を放射するファイヤーガン、敵を自動追尾するホーミングミサイル、貫通する光線を放つレーザービーム、爆発を起こすクラッシュガンといった武器アイテムが出現。状況に合わせて使いこなすのがクリアへの近道となる。

同じ武器を2つ取るとランクアップしてさらに強化されるが、ダメージを食らうと初期状態に戻ってしまう。いかにダメージを受けずに武器強化状態を維持するかが重要で、そのためにはステージ構成を覚える必要がある。このあたりは懐かしの2Dアクションゲームのノリと言えるだろう。

基本的に「魂斗羅」シリーズは、トライアンドエラーを繰り返し覚える歯ごたえのあるアクションゲームだが、本作では難度調整ができるうえ、伝統の“攻撃を食らったら一発死に”と耐久力のある“HPゲージ”制を選ぶことが可能なので、腕前に合わせて楽しむことができる。HPゲージ自体を大々的にフィーチャーした「魂斗羅 ザ・ハードコア」では、発売当時「ライフ制であることで『魂斗羅』らしさがスポイルされていないか」という議論もあったが、こうしたセンシティブな問題についてもしっかり目配せされているというわけだ。

  

 

伝統を受け継いでいるだけではなく、「オーバーロード」やキャラクターごとの個性、「ボーナスショップ」といったさまざまな新要素も登場している。

オーバーロード」は武器を暴走させて特殊な効果を引き出すというもの。マシンガンであれば一定時間無敵化するバリアを張り、スプレッドガンは画面内を弾が跳ね回り、レーザービームは時間の流れが遅くなる……と効果は多種多様。ボス戦マシンガンを「オーバーロード」させたバリアで突っ込んで短期決戦を狙ったり、トゲのついたトラップが激しく上下しているところでレーザービームの「オーバーロード」で時間の流れを遅くしたりと、特定状況下で特に有効なものもあり、いかに使いこなすかがゲームクリアを左右する。

しかし、「オーバーロード」すると武器は消滅し、強化版の武器もレベルダウンする。乱発するのではなく、ここぞという時に使うのが効果的だ。ステージ構成を覚えて上達する「魂斗羅」の遊びを強化してくれる新システムといえる。

 

また、これまでのシリーズにおいて、慣れないうちはスプレッドガンをはじめとする汎用性の高い武器を持ったら、ずっと同じ武器を使っておっかなびっくり進むプレイになりがちだった。こうした状況に変化を与えるための「オーバーロード」ともいえ、シリーズへの理解が深いことがうかがえる。

 

そのほか、今回は敵を倒して蓄積されていくゲージを消費して、武器アイテムを呼び出すことも可能だ。これらのシステムを把握すれば、計画的に「オーバーロード」を使っていくパターン構築も夢ではないはずで、やり込みがいがある。

 

キャラクターごとの個性も見逃せないポイント。ゲーム開始時、ストーリーモードではビルとランスしか使えないが、ステージを進めるとアリアナやルシアといった新たな仲間が加入。彼女たちは2段ジャンプやスライディングといったアビリティを持ち、プレイの幅が広がっていく。

ビルとランスは高いHPと2段ジャンプを持つ。ほかのキャラクターで行き詰まった難関でも、彼らを投入したことで、ボロボロになりながらも突破できたなんてことも少なくない。魂斗羅がいかに強い戦士であるかがシステム的にも表現されているわけだ。

アリアナはHPこそ低いものの、高速で滑り込むスライディングを使用可能。スライディングには攻撃判定もあるため、トラップの突破はもちろんのこと、弱い敵を処理してどんどん進んでいける。

ルシアは2段ジャンプはできないが、ワイヤーを撃ち出して天井へ高速移動できるのに加え、汎用性の高いスプレッドガンがタメ撃ちになるため、ほかのキャラクターとひと味違ったプレイになるのが面白い。

 

 

 

前述の通り「魂斗羅」は歯ごたえのあるシリーズだが、今回は「ボーナスショップ」で難易度を下げられる。「残機を増やす」「ダメージを受けても武器がランクダウンしない」「最初から特殊武器を持って行ける」などさまざまな特殊効果を購入すれば、プレイも楽になっていく。

そのためには、ゲーム中に手に入る「魂斗羅コイン」が必要。ステージクリアで手に入るのはもちろん、あえなくゲームオーバーになってもいくばくかの「魂斗羅コイン」はもらえるため、繰り返しのプレイもモチベーションがアップする。

特殊効果の中には、ビルのダッシュ無敵時間が付いたり、ランスの2段ジャンプがより高くなったり、といったように、キャラクターの個性をさらに際立たせるものもあるので、どれを買おうか目移りしてしまう。

こうした面白さを追求したのが、自立型AIを搭載したアンドロイドのプロボテクターだ。「ボーナスショップ」の専用アイテムを自由に組み合わせてホバリングやワイヤーも使えるようになるが、装備枠は2つしかないので事前のセッティングが重要。現代風のカスタマイズ要素を「魂斗羅」にうまく取り入れた感がある。

  

  

ステージ展開は初代「魂斗羅」をベースに、歴代作のエッセンスが詰め込まれている。滝に潜むアクアラング兵は「魂斗羅」、プレイヤーを捕まえて空中へ運び去る怪生物は「魂斗羅スピリッツ」、ミサイルを持って走る雑魚は「魂斗羅 ザ・ハードコア」……というように、当時を知るプレイヤーは懐かしさに目頭が熱くなるはずだ。

ステージの最後に待ち構えているボスも「魂斗羅」シリーズらしいノリを継承。武器を満載した壁が行く手をはばみ、巨大な怪生物が敵基地を砕いて大暴れ、巨大メカが魂斗羅を追って2本の脚で爆走し、ロボットが壁を砕いて現れる……といった具合で、シリーズを知らない人でも度肝を抜かれるはず。こうしたボスが激しい攻撃をしてくるのも「魂斗羅」シリーズらしさ。上達していけば喜び、勝利した際は高揚感を味わうことができるのだ。

  

 

 

 

本作は「魂斗羅」をリブートしたゲームであり、そこかしこに歴代作へのリスペクトがあふれている。おっかなびっくりで進んだステージも、上達するとスイスイ駆け抜けられるようになるあたりは、ラン&ガン系2Dアクションゲームの普遍的な魅力をしっかりと表現している感がある。「オーバーロード」「ボーナスショップ」といった新要素もこうした魅力とうまく噛み合っている。前者では上達具合がより顕著に表れるし、後者では難易度調整に加えて、慣れた人に特殊効果を装備しないという選択肢を残しているのが面白い。

  

  

ストーリー面では、「ランスがレイという少年を養子にしている」といった「魂斗羅 ザ・ハードコア」につながる設定があったり、シリーズ伝統の「魂斗羅とは、熱い斗魂とゲリラ戦術の素質を先天的に併せ持つ最強の闘士の呼称」というキャッチコピーに本作なりの物語的な解釈を加えていたり……と、こちらもリスペクトが見て取れる。魂斗羅であるビルとランス、そうでないルシアには運動能力に明確な差が付けられているのもポイント。これまでのシリーズではプレイヤーキャラクター魂斗羅であったが、本作では魂斗羅でないルシアの存在により、魂斗羅であることの強さと意味が強調されているというわけで、「魂斗羅愛が重い

  

  

本作の魅力は、練習してうまくなっていく楽しさに加え、バトルの派手さにもある。使えるキャラクターを増やしたい、ストーリー演出も合わせて楽しみたいという人は「ストーリーモード」、サクサクとラン&ガンを楽しみたい人は演出がカットされる「アーケードモード」で遊べばいいというように、ユーザーの棲み分けもキッチリできている。

物語やシステムはリブートが行われているため、本作から「魂斗羅」シリーズを遊んでみるのもアリ。各プラットフォームでは体験版も配信されているため、まずはこちらをプレイしてみるのがいいだろう。

(文/箭本進一)

【タイトル情報】

■「魂斗羅 オペレーション ガルガ」

メーカー :KONAMI

ジャンル :アクションシューティング

発売日 :2024年3月12日

プレー人数 :1~4人

メーカー希望小売価格 :3,850円(税込)

対応機種 :Nintendo SwitchPlayStation5PlayStation4Xbox Series X|SXbox One、PC(Steam)

CEROレーティング :B

 

Konami Digital Entertainment


>> 「魂斗羅 オペレーション ガルガ」本日発売! 伝説のラン&ガン系アクションが現代に復活! シリーズへのリスペクトと普遍的な面白さ満点の痛快な一本 の元記事はこちら
「魂斗羅 オペレーション ガルガ」本日発売! 伝説のラン&ガン系アクションが現代に復活! シリーズへのリスペクトと普遍的な面白さ満点の痛快な一本