猪狩蒼弥(「HiHi Jets」)、三吉彩花風間俊介が、奈緒が主演する「先生の白い嘘」に出演することがわかった。主題歌は、yamaが本作のために作詞を手掛けた「独白」に決定。楽曲を使用した本予告(https://youtu.be/qaqEmC4gDZs)と、本ポスターが披露された。

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原作は、累計部数100万部(全8巻/デジダル版を含む)を突破した鳥飼茜氏の同名漫画。1人の女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出した。

奈緒が演じるのは、高校教師・原美鈴。親友の婚約者である男性から強制的な関係を求められているにも関わらず、彼との行為を通して「性への欲望・快楽への渇望」が芽生えたことに気づき、矛盾する感情の狭間でもだえ苦しむという役どころだ。

「恋わずらいのエリー」「弱虫ペダル」「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」などを手掛けた三木康一郎監督がメガホンをとり、脚本は「透明なゆりかご」「きのう何食べた?」の安達奈緒子が担当した。

「HiHi Jets」のメンバーとして活動する猪狩は、美鈴の担任クラスの生徒・新妻祐希(にいづま・ゆうき)役で出演。新妻は、ある日、クラス内で人妻と不倫関係にあると噂されてしまう。美鈴は新妻を呼び出して事情を聞こうとするが、新妻はある衝撃的な性の悩みを打ち明ける。猪狩は映画初単独出演ながら、物語の鍵を握る重要な役に抜擢。強烈なトラウマを抱えた高校生という難役を演じ切った。

猪狩は「『先生の白い嘘』の原作を拝読したとき、なんと心苦しく叙情的な話なのだろうと感じ、作品の中で生きる人物達の叫びに圧し潰されそうになった」と語り、「キーマンである新妻役を自分が務める事の重大さを再認識し、この難しくも絶対に目を逸らしてはいけないテーマに対して、真摯に向き合いたいと思いました」と語った。

三吉が担うのは、美鈴の親友・渕野美奈子(ふちの・みなこ)役。地味で控えめな美鈴とは正反対で、美奈子は男性に依存しながらも見栄を張り、表面を取り繕う。女性のしたたかさを持つ役を三吉が体当たりの妙演で魅せる。

シリアスからコミカルまで多種多様な役を演じ分ける風間は、美奈子の婚約者の早藤雅巳(はやふじ・まさみ)役。人当たりも良く社交的なエリートサラリーマンだが、裏では女性を見下して暴力をふるう二面性を持つ。

風間は「僕自身が愛せないかもしれない役を演じた時に、自分自身がどうなるかを知りたいという気持ちにもなりました。魂を擦り減らし、己と反発する感情と共に向き合った作品です」と話し、過去に類を見ないほど狂気と憎しみに満ちた役柄を怪演する。そのほか、田辺桃子、井上想良、板谷由夏、ベンガルらが脇を固め、物語に深みを与える。

主題歌を担当したyamaは、SNSを中心にネット上で注目を集めるシンガー。主題歌「独白」について、「消えない傷を抱えながら、自分自身を受容し、散らばった心を少しでも取り戻していけるように願って歌詞を書きました」と語った。

本予告は、「私が声をあげることをしなかったのは、ある可能性に気づいたから」という美鈴の悲痛な台詞とともに、彼女が教卓の上から生徒を見下ろすように眺めるシーンから始まる。美鈴は息を潜めるように淡々と日々を過ごすことだけを望んでいるはずだったが、生徒の新妻や、親友の美奈子、美奈子の婚約者・早藤との関係の中で、それぞれの思いが交錯し、物語は思わぬ方向へ狂い始める。

「先生の白い嘘」は、7月5日から全国の劇場と3面ライブスクリーンにて公開。R15+指定作品。猪狩、三吉、風間、そして主題歌を担当したyamaのコメントは以下の通り。

【猪狩蒼弥】

役者として、まだまだ未熟な自分ではありますが、一流の皆様との感情の応酬に少しでも携われたことを、大変光栄に思っております。

『先生の白い嘘』の原作を拝読したとき、なんと心苦しく叙情的な話なのだろうと感じ、作品の中で生きる人物達の叫びに圧し潰されそうになったのを憶えています。

そして同時に、本作のキーマンである新妻役を自分が務める事の重大さを再認識し、この難しくも絶対に目を逸らしてはいけないテーマに対して、真摯に向き合いたいと思いました。

主演の奈緒さんをはじめ、三木監督、風間俊介さん、三吉彩花さんから沢山のことを勉強させていただきました。先生の伝えたかったこと、そして新妻の伝えたかったことが、僕を通して少しでも皆様に伝われば嬉しい限りです。

三吉彩花

小学生や中学生の時、よく少女漫画を読んでいました。家にも沢山の漫画で埋まっていて漫画を読んでいる時は楽しくて仕方がない時間でした。その時感じていた純粋な気持ちとは180度違う角度からの人間模様を映画化すると伺った時、とても不思議な気持ちになりました。

原作を読ませていただき、1シーンごとに頭の中でどんどん実写化されていきこの作品に触れたいと、純粋な気持ちが湧き出てきたので出演を決意させていただきました

この作品で喜びや楽しさを見出すのは難しいのではと率直に思いましたが、だからこそ脚本を隅から隅まで読み、美奈子や登場人物たちの小さな喜びやその人の幸せ、そして叫びや意志を汲み取り自分自身に宿らせることが楽しくなるだろうと感じた脚本でした。

彼女のような価値観や感覚がとても共感できる部分でもありながら、それと同時に寂しさや現実的な部分を美奈子によって見せられているような感覚でした。一見明るくポジティブに見える面も、奥には殻の中に閉じこもって迷っている美奈子がいるということ、そしてそれでも強い意志を持って自分自身を証明していく彼女の強さを是非感じていただけたら嬉しいです。

風間俊介

今まで演じさせて頂いた役柄、全てに愛を持ってきましたが、今回『先生の白い嘘』のお話を頂いた時、初めて早藤という役を愛せないかもしれないと思いました。

それと同時に、僕自身が愛せないかもしれない役を演じた時に、自分自身がどうなるかを知りたいという気持ちにもなりました。魂を擦り減らし、己と反発する感情と共に向き合った作品です。この作品が、誰かを鼓舞し、誰かを救う事を願っています。

【主題歌:yama】

主人公の美鈴は「先生」という人を導く立場でありながらも、不安定な精神状況で身をすり減らして生きており、見ていて心が痛みました。性に対する嫌悪、傷付けられた自尊心、自責思考に陥り、自分自身と向き合うことの難解さはリアルに描かれていました。

それらはテストにあるような模範的で道徳的な答えで導き出せるほど、簡単な問題ではなく、それぞれが人間味のある感情、トラウマ、矛盾を抱えているので自分も複雑な想いになりました。消えない傷を抱えながら、自分自身を受容し、散らばった心を少しでも取り戻していけるように願って「独白」の歌詞を書きました。楽曲と共にお楽しみ頂けたら幸いです。

男女の性の不条理に切り込む衝撃作 (C)2024「先生の白い嘘」製作委員会 (C)鳥飼茜/講談社