昨季はNPBで確かな実力を示した。本人はMLB復帰を切望しているが…(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 現在、FAとなっており、メジャーリーグ復帰の道を模索中のトレバー・バウアー。今月に入り、プロ契約を目指す選手で構成される「アジアンブリーズ」に加入したことが発表された。現地時間3月10日(日本時間11日)には古巣であるドジャースのマイナー戦に登板し、3回を投げ無失点に抑えている。

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 昨季所属したDeNAでは10勝をマークし、随所で元メジャーリーガー、さらにサイ・ヤング賞投手としての実力を発揮し、日本のファンを沸かせた。久々の米国内での登板となった3月10日ピッチングも、マイナー選手が相手とは言え、4つの三振を奪うなど格の違いをみせつける結果を残した。

 2021年ドジャース在籍時に報じられた女性とのトラブルについては、昨年10月に和解が成立。だが、DeNAからFAとなって以降、メジャー球団でのプレーを目指すも先行きは見通せていない。この古巣のマイナー戦登板も、メジャー球団関係者の姿が無かったとも伝えられた。

 それでも、シーズン開幕が近づくにつれ米国内では、元サイ・ヤング賞右腕への「待望論」がにわかに聞こえてきている。マーリンズの情報を専門に発信する『Fan Nation Inside The Marlis』が現地時間3月11日(同12日)、「マイアミ・マーリンズトレバー・バウアーと契約する時が来たのか?」と銘打ったトピックを配信した。

 現在、マーリンズの先発要員では昨季9勝のブラクストン・ギャレットが左肩痛により開幕絶望、また25歳のエドワードカブレラも直近のオープン戦登板を右肩の張りで回避したことなど、ローテーション投手のアクシデントが相次いでいることで、トピックの中ではバウアーを「注目すべき名前」として、獲得の可能性を論じている。

 同メディアは「トレバー・バウアーと契約するという野球的論拠は非常に明白」と純粋な戦力として有望視しながら、「昨日のエキシビションドジャースのマイナー・リーガーを圧倒したことからも、彼がまだかなりまともな野球をしていることは明らかだ」と指摘。

 さらに「彼は間違いなく、スプリングトレーニングの現時点において、同額で契約できる他の多くのオプションよりも完成度が高く、ベテランの中にはバウアーほどの実績を持っていないか、現時点でバウアーの33歳よりもかなり年上の選手もいる」などと論じている。

 トピック内では、これまでのトラブルへの疑惑や世論の反応などが根強いことも認めながらも、「トレバー・バウアーと契約することの利点は明らかだ」とも綴っている。

 昨季、日本では十分なまでの実力を示し、現段階で米国内メディアでの評価も決して低くはない。最低条件での契約も厭わないなど必死のアピールを続けるバウアーに、2024シーズン、手を差し伸べるメジャー球団は現れるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

にわかに浮上するバウアーという選択肢 故障者相次ぐマーリンズに米メディアが推奨「契約する利点は明らか」