雲州幸光刃物(楠鍛錬工場)

【次に目指すなら、島根・奥出雲へ】 伝統工芸、おすすめ土産、癒しスポットも……『山々の恵と匠の技に出会う旅 vol.2』の画像一覧

知られざる名所がたくさんある旅の穴場、中国山地のふもとに広がる奥出雲エリア。前編ではお宿とグルメをご紹介しました。続いての後編では、奥出雲が誇る伝統工芸から、癒し効果のあるスポット、おすすめのお土産をご案内します。

【前編を読む】【次に目指すなら、島根・奥出雲へ】温泉、ご当地グルメ、体験スポットも……『山々の恵と匠の技に出会う旅 vol.1』

【伝統工芸】歴史と文化に培われた手仕事を知る

日本古来の鉄づくり「たたら製鉄」の歴史を学ぶ

奥出雲たたらと刀剣館奥出雲町で古代から現代まで続いている、たたら製鉄の博物館。実物大のたたら炉断面模型は必見! 毎月第2日曜日・第4土曜日は、小林刀匠による解説付きの日本刀鍛錬実演を見学できます。

「たたら製鉄の技術力の高さに圧倒されました。たたらの炉に風を送る、ふいごの体験もいい思い出に。日本刀鍛錬実演も火花が飛び散り迫力満点でした」

奥出雲たたらと刀剣館砂鉄と木炭を交互に入れて燃やし、3日3晩の作業の末に、取り出される鉄の塊である「鉧(けら)」。品質の良い鉧は玉鋼(たまはがね)として、日本刀の材料になります。

奥出雲たたらと刀剣館「たたらの炉に風を送る、吹子(ふいご)が3種類復元されていて、体験することができます。実際に足で踏んでみたところ、これを何時間も踏み続けるのは大変だなと思いました。そして改めて、昔の人たちは経験と勘による神業に近い所業をしていたんだなと感心しました」

DATA
『奥出雲たたらと刀剣館』
島根県仁多郡奥出雲町横田1380-1
TEL:0854-52-2770
https://okuizumo.org/jp/guide/detail/208/

伝統の技で作る手打ちで鍛え上げた包丁に見惚れる!

雲州幸光刃物(楠鍛錬工場)高品質な鋼として世界的に有名な安来鋼を使い、代々受け継がれてきた鍛錬技法で製造される手打ち包丁を中心に生産している雲州幸光刃物(楠鍛錬工場)』。するどい切れ味が長く持続し、粘りがあり刃こぼれしにくいのが特長。

「伝統的な技術を用いて、包丁を手作業で製造する過程を見学させてもらい、人の手によってのみ生み出されるものの貴重さを強く感じることができました」

雲州幸光刃物(楠鍛錬工場)「真っ赤に熱した鋼を叩き鍛える作業は、スピード勝負でありながらも、非常に繊細なものでした。長年の経験と勘が仕事に大きく影響していることを感じました。鋼と対話しながら命を吹き込んでいるような姿に感動しました」

DATA
『雲州幸光刃物(楠鍛錬工場)』
島根県仁多郡奥出雲町大呂1004-3
TEL:0854-52-1260
https://r.goope.jp/yukimitsu/

手仕事のぬくもりを感じる一点物の鍛造品に出会う!

鍛冶工房 弘光江戸時代から鍛冶を営み、現在でも出雲鍛造の伝統を受け継いでいる『鍛冶工房 弘光』。現在は、あかりを中心とした工芸品、インテリア用品などをメインに作っています。

「特別に工房と作業を見学させていただきました。様々な種類の道具類が所狭しと並んでいる最高にカッコいい工房で、自然で見事な職人さんの手さばきに見入ってしまいました」

鍛冶工房 弘光蝋燭を灯すと皿を通して灯りが広がる透かし燭台。「炎とふんわり映し出される影のコントラストが素敵で、いつまでも眺めていたい美しさ。プレゼントにも最適です」 

DATA
鍛冶工房 弘光』
島根県安来市広瀬町布部1168-8
TEL:0854-36-0026
https://kaji-hiromitsu.com/

【おすすめ土産】奥出雲に来たら絶対買うべきご指名品!

本田商店の「出雲蕎麦」

本田商店、出雲そば

(右)出雲十割そば2人前つゆなし 1袋
¥700+税(¥756
100%そば粉のみでつくり上げた逸品。そば本来の香りや味わいが楽しめるため冷やしがおすすめ。
(左)奥出雲生蕎麦2人前つゆ付 1袋
¥600+税(¥648)
根県産のそば粉と国内産小麦粉使用した5割そば。

本田商店(https://sobahonda.com/fresh-buckwheat/

奥出雲の入口木次町で大正2年より蕎麦を作り始めて百余年。自社製粉もしている『本田商店』。そばの実をそのまま使う「挽きぐるみ製法」で、栄養価も丸ごと詰まった風味の際立つお蕎麦に。「食べて美味しい・身体に美味しい」をモットーに、食品添加物、保存料などを加えない蕎麦づくりを行っています。

「自社製粉、自社製麺による蕎麦本来の味と香りがしっかり感じられて、今まで食べていた蕎麦とは別物に感じる美味しさでした。家族にも大好評だったので、これからはネット通販で買おうと思います」

吉田ふるさと村の「おたまはん」

吉田ふるさと村、おたまはん

(右)おたまはん 関東風
みりんを抑えて少し辛めの味つけ。懐かしい醤油辛さが残った卵かけご飯がお好みの方にオススメ。
(左)おたまはん 関西風
みりんをきかせて少し甘めに仕上げた関西風も卵との相性がバッチリ!
各¥378(税込)

吉田ふるさと村(https://www.2630mura.jp/)

島根県の山間部にある吉田町で、安心・安全な商品作りをしている『吉田ふるさと村』。商品は、地元島根県産原料を中心に使用し、食品添加物は一切使用しない、そしてひとつひとつ手作りをしているのが特長。中でも主力商品の「おたまはん」は、卵かけご飯専用醤油の先駆け的存在! 累計出荷数も370万本を突破!

奥出雲酒造の「お酒」

奥出雲酒造

(右から)奥出雲 純米 720ml ¥1,250、仁多米コシヒカリ 純米 720ml ¥1,000、奥出雲の一滴 Onedrop 改良八反流 720ml ¥1,430、奥出雲の一滴 Onedrop 改良雄町 720ml ¥1,430、奥出雲の一滴 Onedrop百万石 720ml ¥1,430
奥出雲酒造(https://okuizumosyuzou.raku-uru.jp/

純米造りのお酒にこだわっている『奥出雲酒造』。お米はすべて地元の奥出雲町で採れた酒米とコシヒカリを使用し、酒米の「奥出雲ブランド」、仁多米コシヒカリの「仁多米ブランド」、この2種を軸に清酒、甘酒、濁酒、焼酎等の製造販売を行っています。

「奥出雲酒造と同じ敷地内に道の駅『酒蔵奥出雲交流館』があり、様々なお酒が販売されていて、お酒の試飲ができるのがうれしい!仁多米や、仁多米を使った餅や味噌などの加工品をはじめ地元の特産品なども購入できます」

【癒しスポット】心をすがすがしく開放してリラックス!

清々しい空気を吸ってパワーチャージ!『金屋子神社』

金屋子神社古来たたら製鉄の七守護神として知られる神社で、全国1200社を数える金屋子神社の総本宮。春秋の大祭には、たたらの職人をはじめ、製鉄に関わる様々な人々が県内外から訪れます。

「空気が澄んでいて、凛とした感じがあって気持ちのいい場所でした。奥出雲たたらと刀剣館に行った後や、たたら製鉄に興味のある人は是非訪れてみてください」

金屋子神社荘厳な社殿は、全てがケヤキの木から作られている“総ケヤキ造”で、彫刻もふんだんに施されています。

「彩色のない素木のケヤキが美しく、静かな中にも荘厳な趣のある社殿で、立派なしめ縄も印象的でした」

DATA
金屋子神社(かなやごじんじゃ)』
島根県安来市広瀬町西比田307-1

絵画のように美しい庭園で心を癒す足立美術館』

足立美術館5万坪の美しい日本庭園や、横山大観をはじめとする近代から現代の日本画、北大路魯山人の陶芸、童画などを所蔵する足立美術館

「四季折々の風景が楽しめるので、何度行っても感動させてくれます。借景の自然の山々との調和は、まさに生きた日本画と評されているのが分かります!」

足立美術館美術館内にある喫茶室のひとつ『大観』でお庭を見ながら至福のティータイム。ゆったりとした心が洗われるような時間が流れていきました。ビーフカレーなどの軽食もあり美味しそうでした」

DATA
足立美術館
島根県安来市古川町320
TEL:0854-28-7111
https://www.adachi-museum.or.jp/

「山々の恵と匠の技に出会う島根の旅」、いかがでしたでしょうか? 今回の2泊3日の旅は、奥出雲地方を中心にした充実のツアーを組んでいただき、落ち着いた(玄人好みの!)大人旅を味わうことができました。特に伝統工芸に触れる機会では、手仕事でしか生み出せない価値と魅力を実感しました。また、奥出雲の自然環境に基づく食文化など、自然と調和した先人たちの知恵にも触れることができました。もちろん温泉や美しい景色には心がとっても緩まりました。

歴史や地域の背景を学ぶことで、古代の日本人の生活に思いを馳せることができ、現代における自分の行動を見直す良いきっかけにもなりました。改めて、普段選んでいるモノや食べ物に対して、もう少し意図やこだわりを持ちたいと感じました。出雲大社で有名なエリアを巡るお参り旅も素晴らしいですが、奥出雲への旅も一考の価値があります。

【次に目指すなら、島根・奥出雲へ】 伝統工芸、おすすめ土産、癒しスポットも……『山々の恵と匠の技に出会う旅 vol.2』