サウナ”は日本で一番知られているフィンランド語といわれている。昨今のサウナブームでおなじみになりつつある「ロウリュ」もフィンランド語フィンランドでは(熱すぎない温度で)赤ちゃんのころから入るほど、サウナが日常生活に欠かせない文化となっている。そんなフィンランドを身近に感じられるフェアが行われていると聞き、東京・東池袋の「タイムズ スパ・レスタ」に行ってみた。

【写真で見る】「タイムズ スパ・レスタ」のフィンランドフェア

■恒例のフェアで春のフィンランドを楽しめる

2024年3月4日から6月2日(日)にかけて行われているフィンランドフェア。「タイムズ スパ・レスタ」では2019年から時期は異なるが毎年フィンランドフェアを行っていて、例年人気となっている。建物の11階にある「タイムズ スパ・レスタ」。エレベーターを降りるとエントランスから「SUOMI FINLAND」の懸垂幕が。ちなみにSUOMIはフィンランド語で「フィンランド」のこと。入館前からフィンランド

中に入るとフィンランドの街や森の写真が飾られていて受付前から気持ちがはやる。通常の入館料でもフィンランドフェアを楽しむことができるが、受付時に「フィンランドフェア満喫パックwith LAPUAN KANKURIT(ラプアン カンクリ)」(1万6190円)を選択するのもあり。

「ラプアン カンクリ」は天然素材にこだわった上質なテキスタイルを作っているフィンランドのテキスタイルメーカーで、このパックをチョイスすると、「ラプアン カンクリ」のリネンタオルを使用でき、マルチユースクロスが1枚もらえる。さらにレストランでの食事と選べるボディケアがセットになっているので、自分へのご褒美としてもおすすすめだ。

とりあえず今回はお財布と相談して通常利用を選択。まずは受付横にある物販コーナーをチェック。フェア期間中はフィンランドのメーカーのコスメや雑貨が並ぶ。サウナ施設でもたまに見かけるフィンランドブランド「フッカデザイン」の“トントゥ”を発見。

トントゥは幸運を呼ぶ妖精のことで、「フッカデザイン」のトントゥは28億年という気の遠くなる長い年月をかけて作られた石、カレリアソープストーンでできている。最近ではサウナストーンの上に置かれているのを見かけるが、本来はマッサージストーンで、熱湯で温めたり、冷蔵庫で冷やしたりして使える優れもの。手のひらや足の裏、頭や肩などをこのトントゥを使ってツボ押しするというものだが、そのキュートさから飾っておくだけでもかわいい。

気になるものが多くて早くも足止めをくらってしまったが、浴室へ向かう。「タイムズ スパ・レスタ」は11階がフロント、ロビー、男性用浴室、10階がレストラン、リラックスラウンジ、ボディケア、12階が女性専用フロアになっている。女性専用フロアには女性用のロッカールーム、浴室のほかトリートメントサロン、女性専用リラックスラウンジがある。女性のための空間が確保されていて、このゆったりした雰囲気が女性人気の高い理由のひとつではないかと思う。

浴室にはシェイプアップバス、寝湯、露天エリアの炭酸泉、ジェットフォームバスがあり、サウナはクリアミストサウナ(塩サウナ)と昨年誕生したフィンランドサウナ、水風呂に桶シャワーと充実している。今回のフェアでは浴室やサウナなどで、フィンランドサウナやスパでも使われているフィンランドのボディ&フレグランスプロダクトブランド「OSMIA(オスミア)」を体験できるのもポイント。

■空間や香りからフィンランドを感じる

浴室内には「オスミア」のボディソープシャンプー、コンディショナーを設置したブースが登場。混雑具合にもよるが、ここはぜひフィンランドサウナに来たつもりなれる「オスミア」を使いたい。「オスミア」は、フィンランドの自然の香り限りなく近いフレグランスをデザイン、開発するデザイン&ハンドクラフトカンパニー。ほかにもフィンランドサウナでは「オスミア」のサウナアロマを使い、あかすりやボディスクラブのメニューでも「オスミア」のシャンプーなどが使ったメニューがあり、さまざまなところでフィンランドの自然のエッセンスを感じることができる。

まずは「オスミア」のボディソープシャンプー、コンディショナーで体と頭を清める。自然の柔らかい香りに包まれて、目を閉じたままゆっくり深呼吸をするといつもとは違った癒やしを感じる。その後はシェイプアップバスへ。ここは立ちながら入ってストレッチができる浴槽。もちろん、普通に湯に浸かってもOK。ということで、ここでまずは体を温める。湯温は42度前後と適温で冷えた体にしみる。

軽く体が温まったらファーストステップとして「クリアミストサウナ(塩サウナ)」へ。設定温度45度と心地いい温かさで、フェア期間中はフィンランドの香りが漂う。室内には塩が置かれていてミストを浴びながら塩でマッサージができるのもうれしい。塩でゴシゴシ肌をこする人もいるが肌に負担がかかってしまうので気をつけて。塩を肌にのせて汗が出てきたら軽く肌になじませて塩を洗い流そう。

体の温まり具合にもよるが、塩と汗を流したら浴室内の椅子かベッドでしばし休憩タイム。しっかり温まっているようなら桶シャワーか水風呂に入ってから休憩してもよし。桶シャワーはチェーンを引くと頭上の桶に入っている水が落ちてくるシャワー。ゆっくりチェーンを引いて水の冷たさを確認してから自分のペースで水を浴びるのがおすすめ。休憩前には体を拭いておくと体が冷えすぎない。

■セルフロウリュやキューゲルでフィンランドサウナを体験

お次はフィンランドサウナへ。ここは昨年新たにできたサウナ室で、曜日によって自分でアロマ水をサウナストーブにかけるセルフロウリュ(毎週月・水)ができたり、アロマ水を凍らせた“キューゲル”を使ったロウリュ(毎週金・レディースデー)を楽しめたりする。この日はセルフロウリュの日。熱々のサウナストーンにアロマ水をかけると、優しい自然の香りが立ちこめるサウナそのものも気持ちいいが、香りに包まれるのはまた違った特別感がある。

セルフロウリュは設置されているアロマ水を柄杓ですくってサウナストーンにかけるのだが、注意事項が書かれているので必ずよく読んでから。サウナストーンにアロマ水をかけた瞬間に蒸気が上がってくる。手を近づけすぎるとやけどをすることがあるので注意。また、備え付けの砂時計の砂が落ちるまでは次のロウリュはNG。またロウリュをするときは「ロウリュいいですか?」「(アロマ水を)かけてもいいですか?」などの声掛けを忘れずに。ほかの人が「いいですか?」と聞いてきた場合はうなずくだけでもいいが、「お願いします」という返事をおすすめしたい。

サウナ室の滞在時間は気にしないことが一番。熱さの感じ方は個人差があるので、「何分入る」という決め方ではなく、時間に左右されずに「熱くて無理」となる前に出るようにしよう。自分がどのぐらいサウナ室にいられるかわからないという人は、出入口近くに座るのがおすすめ。奥に入り込んでしまうと、出にくくなる場合もあるからだ。また、座る場所によっても体感温度が変わるということも忘れずに。下段が低く、上段が高いので、熱さが苦手の人は下段または入口近くに、熱いのが好きな人は上段に座ってみよう。

しっかり体が温まったらきちんと汗を流してから水風呂へ。ここの水風呂は18度設定。入るときは足元から上に向けて少しずつ水をかけてから入る。無理は禁物だが、少しずつ入っていくとサウナで温まった体なら初心者でも入れる、かも。水風呂に“つかる”のではなく、体を“くぐらせる”ぐらいの気持ちで一旦入ったらすぐに出るつもりで入ってみよう。水風呂も無理は禁物だが、初心者にはゆっくり入るほうが難易度が高い気がするので、サッと入ってすぐ出るほうがいいと思う。

水風呂が無理なら桶シャワーでもいいし、それも難しい場合はシャワーで汗を流すだけでも。水風呂には氷が置かれているが、水風呂に入れるものではなく、頭の上などにのせてひんやり感をプラスするためのもの。水風呂もままならないと氷にまで手が伸びないかもしれないが、水風呂に入らなくても頭に氷をのせてみると意外と気持ちいいので、気になる人はぜひ試してみて。

そのあとは体を拭いて休憩。露天エリアにもベッドがあるが、寒い日もあるので状況に合わせて外気浴か内気浴をチョイス。水風呂に入ったり、シャワーで水かかなりぬるい湯を浴びたりしていると、休憩中に体がポカポカしてくるのがわかる。体が温かくなってくるこの感覚はサウナ初心者にもぜひ味わってほしい。サウナ→水風呂のあとの休憩はとても大切で、ここでしっかりニュートラルに戻そう。

タイムズ スパ・レスタ」は浴室とロッカールームの間に給水器があり、冷たい水を飲むことができる。また、ロッカールーム内に自販機があるので、好きなドリンクで水分補給したい人は、入浴前に購入して浴室の手前にある棚に置いておくといい。サウナや入浴に水分補給は大切なので、こまめに水分を摂ることを心掛けて、喉が渇いたと感じる前に飲むようにしよう。

サウナ→水風呂→休憩を1セットとして、2~3セット繰り返す。もちろんこれも自由なので自分が気持ちいいと感じる時間や回数でOK。露天エリアの炭酸泉やジェットバスにも入って全身リラックス。炭酸泉では映画やフィンランドの風景、セルフヨガなどが上映され、お風呂に入りながら動画を楽しむことができるのも「タイムズ スパ・レスタ」ならではのお楽しみ。フィンランドの動画は今回のフェアのみのプログラムなのでぜひチェックしてみよう。ジェットバスはレディースデーの金曜日にはバラの花が浮かぶバラ風呂に変身。こちらもラグジュアリー感UPで姫気分を味わえる。

■フェア限定のフードやドリンクでさらに気分を上げる

今回のフェアで注目したいのが館内にあるレストラン「The KITCHEN」の限定メニュー。フィンランドをイメージしたフードやドリンクなどがそろっている。サウナ後に食べる食事を「サ飯」というが、「フィンランドサウナ」でフィンランドの香りに包まれたあとにフィンランド風の「サ飯」が食べられるのはなかなかない機会だ。フィンランドらしいメニューをということで、ミートボールサーモンスープ、そしてシナモンロールをオーダー。「ミートボール」はマッシュポテトと一緒に盛り付けられ、ベリーのソースが添えられている。肉×ベリーソースはフィンランドではよく見かける組み合わせでトナカイの肉などにもベリーソースを添えて食べるのが一般的。日本ではあまり見ないが、今回のフェアではこうしたフィンランドっぽい食べ方を楽しめる。

サーモンスープフィンランド料理としては定番。家庭で作られるのはもちろん、市場や食堂、レストランなどさまざまな場所で食べられている国民食。こちらの「サーモンスープ」はサーモンタマネギニンジンジャガイモが入っていて、パンと一緒に食べるとフィンランド気分が味わえる。

そして、国によってわりと違いのあるシナモンロールだが、ここで提供されるのは、もちろん「フィンランドシナモンロール」(750円)。生地にカルダモンが入っていて上にパールシュガーがのっているのが特徴。カルダモンの香りが広がり意外とあっさり食べられる。

サウナ後はビールという人にはフィンランドビールをぜひ。そしてビールのお供にはソーセージをおすすめしたい。フィンランドではサウナのあとに「マッカラ」(フィンランド語ソーセージ)を楽しむことが多いが、それをイメージしてフェアメニューにも「ソーセージ」がある。この太いソーセージフィンランドの「マッカラ」のようで、気分が盛り上がること間違いなしだ。フィンランドではビールとともにジンもよく飲まれるので、お好みでトライしてみて。ただし、くれぐれも飲みすぎないように気をつけよう。

甘党には「サ飯」ならぬ「サパフェ」をおすすめしたい。今回のフェアに合わせ、フィンランド大使館商務部のラウラ・コピロウさんが「フィンランドの森パフェ」(1350円)を考案。ラウラさんは毎日サウナに入るほどのサウナ好きで、1年に500以上のパフェを食べるほどの“パフェタリアン”としても知られる。そんなラウラさんがフィンランドの森をイメージして考案したパフェは、ベリー大国のフィンランドらしいベリーの甘酸っぱさと、フィンランドのオーツ麦ブランド「エロヴェナ」のオーツ麦クッキー、生クリームのバランスが絶妙。甘すぎず重たくないのでサウナのあとにもぴったり。上に飾られたエディブルフラワーフィンランドの森を感じさせてくれる。

さらにこのパフェにはカードが付いていてQRコードを読むとフィンランドの森の映像が見られる仕掛けも。せっかくならフィンランドの森を見ながらフィンランド感満載のパフェを堪能してみよう。

そして、今回体験はしなかったが、リラクゼーションにもフィンランドフェア限定メニューが登場。たとえば、女性フロアにある「ザ・ハウスオブアロマ Bliss」ではデコルテにフィンランドオーガニックスキンケア「ヘヌア」を使用。「FUNSAI」では「オスミア」の白樺ブレンドオイル、「忘我(ぼうが)」では白樺ブレンドオイルと「フッカデザイン」のアイケアストーンが使われるなど、今だけのスペシャルアイテムを導入したメニューを体験できる。

館内のあちこちにフィンランドを感じられる今回のフェア。サウナだけでなく、食事やリラクゼーションメニューなども連動しているので楽しみ方もいろいろ。実際にフィンランドに行くのはなかなか難しいが、ここで過ごす時間だけでも五感のすべてでフィンランドを堪能してみて。毎日忙しくしている人こそ癒やしは大切。仕事終わりや休日にゆっくり時間をかけてサウナと一緒にフィンランド気分を楽しもう。

新型コロナウイルス感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となります。

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エレベーターを降りたらフィンランド!