玉城ティナ飯豊まりえがW主演を務める、極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」シーズン5(Huluで全話独占配信中)。3月8日に配信された最終回となる第5話では、“タワー”と“アンダー”の人間同士の争いが終焉を迎える様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第5話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】どこか切ない表情を見せる飯豊まりえ“佳奈恵”

■「君と世界が終わる日に」シーズン5とは

ゴーレムウイルスという噛まれたら噛まれたら化け物になってしまう“謎の感染症”によって、突然日常を奪われた人々の過酷なサバイバルと濃厚な人間ドラマが描かれる「君と世界が終わる日に」(※通称「きみセカ」)。シリーズ最終章となるシーズン5では、2024年1月公開の「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」で描かれなかった人類最後の希望の都市“ユートピア”のもう一つの塔を舞台に、明日葉や佳奈恵たちが最終決戦に挑んでいく。

本シーズンでは、財団会長の娘・明日葉役の玉城ティナと、元女子大生である佳奈恵役の飯豊まりえがW主演を務める。また続投キャストとして、元詐欺師の海斗役の前田公輝、元OL・ゆら役の佐野ひなこ、明日葉の元婚約者・冬馬役の柿澤勇人、明日葉の側近・加州役の溝端淳平らも登場。

そして新キャストとして、ユートピアの現代表で冬馬の父・漆原徳秋役の尾美としのり、塔の監視・富岡美津夫役の袴田吉彦らを迎え、過去シーズンに登場した秋吉蓮役の本郷奏多、坪井役の小久保寿人、三原結月役の横溝菜帆も、本シーズンで復活出演を果たしている。

■激化する“タワー”と“アンダー”の敵対関係

漆原(尾美としのり)が坪井(小久保寿人)に殺され、ますますレジスタンスへの不信感を募らせる“タワー”の人間たち。冬馬(柿澤勇人)は自ら“タワー”の代表を名乗り出て、“アンダー”に攻め入る準備を始める一方、明日葉(玉城ティナ)は同じ人間として戦い以外の方法を求める。

そんな明日葉のもとに“タワー”の天才少年・理一(加賀谷光輝)がやって来た。理一は“タワー”の大人に、“アンダー”を憎むよう教えられたことで、「いまさら後戻りできない」と明日葉にナイフを突きつける。明日葉は理一を抱きしめ、「こんな争いもう終わりにしましょう」とその場に倒れ込むのだが、理一は表情一つ変えず、その場に立ち尽くしていた――。

一方、坪井は“アンダー”に戻り、レジスタンスたちに漆原の死を告げる。そして「戦うなら今しかない」とレジスタンスを先導するが、佳奈恵は「戦えば大勢が死ぬことになる」と坪井を必死に止めようとする。

しかし坪井は「どう生きようと僕の自由だ」と佳奈恵に刀を渡し、2人は戦うことに。坪井が佳奈恵に刀を振り下ろしたその瞬間、坪井は加州に刺され、その後自らその命を絶つ。それからしばらくして、“タワー”から“アンダー”へ休戦を求める無線が届くのだった――。

パニックに陥った“ユートピア”を救うため、加州は“ある方法”を提案するのだが…

刺された明日葉の看病を冬馬がしていたところ、「ユートピアのすべての住民に告ぐ」という無線が入る。無線の主は共同体連合「希望と光」の秋吉(本郷奏多)で、秋吉は「“ユートピア”周辺を制圧し、3時間以内に“ユートピア”から去らなければ抵抗したと見なし、武力行使に出る」と宣告する。

そこで冬馬は慌てて元老院を集めるのだが、会議では逃げ出す者も現れ、統率が取れない状況に…。同じく“アンダー”でも、レジスタンスが反乱を起こしたことでパニックに陥ってしまう。

そんな中、加州は明日葉を救うため、1人で“タワー”へ侵入。しかし警護兵によって捕まってしまうのだった。その後、冬馬は“タワー”から逃げる前に明日葉を加州のもとへ連れて行き、「逃げるなら今だ」と明日葉に監獄の鍵を渡すと、その場を立ち去った。

そして加州に対し、「これからもずっと一緒に…」と一緒に逃げることを提案する明日葉。すると加州は、“ある作戦”を明日葉に告げる――。

秋吉との約束の1時間前、明日葉は“ユートピア”の人間を集め、なんと“タワー”と“アンダー”の争いはすべて加州の計画だと告発。その罪により、明日葉は“加州を処刑する”と公言する。実は加州の計画は、「自分がすべての罪をかぶることで“ユートピア”を守る」というものだった。加州の提案を涙ながらに受け入れた明日葉は、加州にそっと銃口を向けると、“タワー”には悲しい銃声が響き渡った…。

やがて3時間のタイムリミットが訪れて、明日葉たちは秋吉と対峙する。秋吉は“ユートピア”を自分たちで統治し、現在の住民には出て行くよう改めて要求した。しかし明日葉は、「“タワー”と“アンダー”が一つになった今の“ユートピア”でなら共存できる」と主張。

それを聞いた秋吉は「あなたを信じてみたい」と考えを改め、明日葉が代表を務める“ユートピア”は「希望と光」と同盟を締結した。こうして、“タワー”と“アンダー”の間に長い間築かれていた厚い壁は、ついに開かれるのだった――。

■佳奈恵の前に現れた“海斗”の正体とは…?

最終話で、明日葉は最愛の人・加州を殺してまで、新山会長の意思を継ぎ“ユートピア”の存続を選ぶ様子が描かれた。

一方、明日葉と一緒に“ユートピア”に来た佳奈恵は、物語のラストで“ユートピア”を抜け出すことに。そして佳奈恵が当てもなく歩いていると、第4話で死んだはずの海斗(前田公輝)と再会を果たす。

そんな海斗は大量のゴーレムとともに閉じ込められたにもかかわらず、佳奈恵の前に現れた際には、傷一つない状態だったため違和感を覚えた。もしかしたら、佳奈恵は海斗の幻想を見て、自分の旅立ちにけじめをつけたのかもしれない。

「きみセカ」のシリーズ・ファイナルが幕を閉じたが、ゴーレムウイルスが蔓延した理由や、ワクチンの存在、佳奈恵のその後など、気になる点もまだ多く残されている。そのためネット上では、早くも続編を希望する声が多数寄せられていた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「君と世界が終わる日に」シーズン5 第5話(最終話)より/(C)HJホールディングス