中嶋監督は誰を開幕投手に起用するのか見ものだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 3月29日プロ野球開幕まであと2週間余り。いよいよ本番モードに近づく中、開幕投手も半数以上のチームで決定済みだ。以下、開幕戦のカードとともに投手の顔ぶれを見ていきたい。

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セ・リーグ
巨人(戸郷翔征)vs.阪神(青柳晃洋)@東京ドーム
DeNA東克樹)vs.広島(九里亜蓮)@横浜スタジアム
ヤクルト(未決定)vs.中日(未決定)@神宮球場

パ・リーグ
オリックス(未決定)vs.ソフトバンク有原航平)@京セラドーム大阪
ロッテ小島和哉)vs.日本ハム伊藤大海)@ZOZOマリンスタジアム
楽天(早川隆久)vs.西武(未決定)@楽天モバイルパーク

 このように、セパ2球団ずつ、計4球団が開幕投手未決定だ。今回はそれぞれのチームの有力視されている投手などの状況についてまとめたい。

ヤクルト:小川が最有力だったが…
 セ・リーグは神宮のカードが両球団未決定。ホームで中日を迎えるヤクルトは、「ライアン」こと小川泰弘が4年連続8度目の開幕投手が最有力と見られていたが、ここにきて上半身のコンディション不良が判明。スケジュールが白紙となったことで、”代役”を見つけなければならなくなった。

 候補としては、昨季に小川(144回)に次ぐ135回を投げたサイスニード、快速球が武器のWBC左腕、高橋奎二が挙がるだろう。進境著しい2年目・吉村貢司郎の抜擢もあるか。また、大ベテランの石川雅規(44歳2か月)が投げるとなれば、大野豊氏の42歳7か月を抜き、史上最年長記録となる。

■中日:候補は5人、急浮上したベテラン
 2年連続最下位から巻き返したい中日も、開幕投手が決まっていない。春季キャンプ終了時点では柳裕也小笠原慎之介髙橋宏斗、ウンベルト・メヒアの4人が候補に上がっていた。

 この4人がオープン戦で好投できなかったり、調整が遅れる中、急浮上してきたのが移籍2年目の涌井秀章。昨季は5勝13敗と大きく負け越すも、今季はここまでオープン戦で2試合・計5イニングで無失点に抑えるなど、安定感抜群の投球を見せている。

 涌井が開幕投手となると、自身4球団目の栄誉。果たして立浪和義監督の決断は?

オリックス:大黒柱が抜け、若い2人が候補に
 オリックス山本由伸メジャー移籍、山崎福也のFA行使→日本ハム入りで先発陣が様変わりしそうだ。

 その中で開幕投手の最有力と目されるのが宮城大弥だろう。昨季まで3年連続2ケタ勝利&規定投球回到達と、高卒5年目ですでに大黒柱の雰囲気を漂わせている。ここまでの調整も順調で、実戦3試合すべて無失点&四死球ゼロ。侍ジャパン強化試合でも好投を見せた。

 対抗馬は山下舜平大。昨季はプロ初登板を開幕投手として迎え、9勝&防御率1.61で新人王に輝いた。最速160キロを誇る大型右腕は、宮城の1学年下で21歳。オリックスは昨年も直前まで中島聡監督が開幕投手を明言せず。今やリーグ3連覇の名将だけに、作戦面を考えて、ベールをしくことは考えられる。いずれにせよ、若き力がリーグ4連覇に向けた初陣を飾るはずだ。

■西武:「楽天キラー」今井が濃厚
 西武は未発表で来ているものの、今井達也開幕投手を担うのが濃厚。正式に決まれば自身初の栄誉となる。

 昨季まで3年連続開幕投手を務めた高橋光成が有力と目されていたが、春季キャンプ中に右肩痛を発症。調整が遅れ、実戦登板が16日の2軍開幕戦にずれ込んでいる。これにより、開幕投手のプランが事実上無くなった。

 対する今井は7年目の昨季に初の2ケタ勝利を記録。HQS率(7回自責点2以下)がリーグトップの73.7%と、好調時は手が付けられない投球を見せている。また、楽天キラーとして知られ、2021年から9連勝中。実績と相性で文句なしの人選だ。

 以上が未決定の4球団の状況だが、それぞれの背景は異なれど、シーズン通しての戦いを見据えた上でも大事な位置づけとなる開幕投手の座。引き続き動向を追いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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