逃亡・逃亡者

職業は「犯罪者」だと主張するイギリス人男性が、警察の監視をくぐり抜け国外脱出した。男性は数年前から、アフリカスラム街支援物資を輸送する慈善活動にも尽力したとして、話題になっている。『DailyMail』が伝えている。

 

■職業「犯罪者」の男

イギリスリバプール出身のサム・ウォーカー(39)は、職業は「犯罪者」だと名乗る人物だ。過去にヘロインコカインの売買で有罪判決を何度か受けており、刑務所に服役していたこともある。薬物売買のほかにも窃盗など、起訴されている罪状は軽く100件を超えるという。

そして2月14日ヘロインコカインといった最も危険性の高い薬物に指定されている「クラスA」の薬物を供給した疑いで逮捕され、保釈中の身に。そのためパスポートを没収されており、正規の方法では国外に出ることは不可能だった。

ところがウォーカーは警察当局や国境検査を逃れ、ヨーロッパ、中東、北アフリカを縦断した6日間の移動の末、西アフリカにたどり着いたという。

 

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■逃亡をSNSで投稿

ウォーカーは、自身が留守の間に家宅捜査に入られ、警察に家が荒らされた様子を撮影。この出来事のせいでイギリスを脱出することにしたと、TikTokで明かしている。

逃亡の様子も投稿し、動画にはプライベート機をチャーターして飛行する様子が映っており、「2024年・イギリスからこっそり抜け出す方法」と記していた。

脱出の方法は、イギリスからチャーター機に乗り、ベルギーのアントウェルペンへ移動。その後、エジプト地中海沿岸のニュー ダミエッタに向かうために、飛行機を乗り継いでいるようだ。

そしてニュー ダミエッタからは、地中海沿いのモロッコに向かう貨物船に賄賂を渡して潜り込んだ。その様子もSNSに投稿されており、50ポンド札(約9,400円)が大量に詰め込まれたカバンが映っていた。

このあとウォーカーは、モーリタニアガンビアギニアといったアフリカ各地をヒッチハイクで横断し、最終的に西アフリカシエラレオネのフリータウンへ到着。全行程は約2,000マイル(約3,200キロ)にも及んだ。

 

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■祖父の故郷を支援

祖父が西アフリカシエラレオネ出身であるウォーカーは、2018年にイギリスを脱出した際もシエラレオネへ向かう様子を自身のSNSに投稿していた。

今回のイギリス脱出でも同じルートをたどってシエラレオネに到着し、10日時点で現地での様子などを投稿していることから、警察に拘束はされていないようだ。

ウォーカーは真水のない現地のスラム街に5,000リットルの淡水タンクを設置し、衣類などの物資の支援を行っている。そのため現地住民は、彼に感謝の意を表しているという。

「職業・犯罪者」男が警察の監視くぐり抜け国外脱出 祖父の故郷へ水や衣類を供給