フレンチブルドッグ

犬の出産を自宅で行い子犬ともども死亡させたとして、動物虐待で起訴されていた飼い主の男。その裁判が開かれ、執行猶予付きの有罪判決が下された。『Wesh』『Daily Commercial』などが伝えている。

 

■自宅で帝王切開

2021年2月、アメリカ・フロリダ州在住の男A(53)が飼っていたフレンチブルドッグが出産期を迎えた。そこでAは、自宅に獣医師と名乗る男B(36)を招き、帝王切開を行うことにしたという。

フレンチブルドッグは頭が大きく自然分娩はリスクが高いため、帝王切開による出産が一般的だ。手術費用として、AはBに約9万5,000円を払ったそうだが、のちの警察の調べで、Bは獣医師免許を持っていないという事実が判明している。

A宅のリビングルームで手術が行われ、Aが母犬を抱えて固定し、Bがメスを入れた。子犬数匹の取り出しに成功したが、どうしても最後の2匹を取り出すことができなかったそうだ。最終的に手術を中断し、母犬を連れて動物病院に向かった。

 

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■手術動画をSNSに投稿

犬を診た獣医師によると、病院に到着した時点で母犬は死亡していた。また腹の中にいた子犬2匹も命を落としていたという。

しばらくして、Aの娘(15)が自身のSNSにこの帝王切開手術の動画を投稿した。手術中、娘はAらの様子を携帯電話のカメラで撮影していたのだ。

すると動画を見た視聴者から警察に通報が入ったようで、動物虐待容疑で捜査が始まった。捜査員によると、動画は見るに堪えないもので、犬が痛みからもがき苦しんでおり、麻酔が十分にかかっていないのは明らかだった。

 

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■刑務所行きを免れた飼い主

捜査員らがA宅へ事情を聞きに行くと、Aは違法な帝王切開を実施したことを認め、「お金を節約するためだった」と説明。Bが無免許なのも知っていた様子で、「(帝王切開を)任せるべきではなかった」などと、話したそうだ。

Aの供述を受けて、警察はA、Bを動物虐待容疑で逮捕・起訴した。複数回の審理後、2月28日にAの判決が言い渡され、動物虐待で禁固刑5年の有罪判決に執行猶予が付いた。事実上、刑務所行きを免れた形だ。

一方でBは動物虐待、獣医師法違反などで禁固刑2年の有罪判決だったが、執行猶予は付いていない。

 

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■判決に批判の声

このニュースが報じられると、ネット上では「愛犬にこんな残酷な仕打ちをするなどあり得ない」「無責任なやつだ。お金がないなら犬飼うな」「愛犬の死亡動画をSNSに躊躇なくアップする娘も問題あり」などと、批判的な声が多く集まった。

他にも、「飼い主を野放しにする裁判所の判断が一番許せない」「裁判所が犬の命をモノと考えているのだろう」「主犯は飼い主なのに、フェイク獣医師のほうが罪が重い意味がわからない」などと、判決を批判する声も聞かれた。

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