阿部サダヲ主演の金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第7話「回収しなきゃダメですか?」が3月8日に放送された。同作は、昭和のおじさんがコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるきっかけを与えていく、完全オリジナルの意識低い系タイムスリップコメディー。第7話、髪型を変えてイメチェンした純子(河合優実)は“令和”の世界でデートを満喫。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】脚本家・江面(池田成志)とストーリーを考える市郎(阿部サダヲ)と羽村(ファーストサマーウイカ)

宮藤官九郎の脚本によるオリジナル・コメディー作品

脚本は宮藤官九郎が務め、プロデューサーは磯山晶氏が担当。「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「木更津キャッツアイ」(2002年)、「タイガー&ドラゴン」(2005年、全てTBS系)でタッグを組んできた2人が、令和で新たな作品を生み出す。

同作には、突如1986年から2024年へタイムスリップし、令和では考えられない“不適切”な言動を繰り返す小川市郎役で阿部、バラエティー番組のアシスタントプロデューサーとして働くシングルマザー・犬島渚役で仲里依紗が出演。

また、とあるアイドルに心酔するあまり、その身なり言動すべてを完コピする男“ムッチ先輩”こと秋津睦実を磯村勇斗、市郎と逆で、2024年から1986年に息子と共にタイムスリップする社会学者の向坂サカエを吉田羊、そして、市郎の一人娘・小川純子を河合優実、サカエの息子・向坂キヨシを坂元愛登が演じる他、袴田吉彦、山本耕史ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。さらに、錦戸亮が若かりし頃のゆずる役で出演。

■髪を切った純子は美容師ナオキとデートで東京スカイツリー

市郎(阿部サダヲ)と一緒に令和にやってきた純子(河合優実)は、渚(仲里依紗)と一緒に服を買いに行き、「髪、重くない?切っちゃおうか。もっとかわいくなってほしいの」と言われ、美容室へ。そこで美容師ナオキ(岡田将生)と出会った。髪を触られ、「純子ちゃん、好きな髪型とかある?」と聞かれ、少し照れながら「おまかせで」と答える純子。

そして、美容院の向かいのカフェで、市郎と羽村(ファーストサマーウイカ)とのリモート会議をしていた渚の背後に、髪を切った純子が現れた。髪型が変わり、雰囲気もすっかり令和っぽくなっていた。

「どうしよう。デートに誘われちゃった」と、純子はナオキからデートに誘われたことを渚に報告。渚は「やるじゃん。お父さんには適当に言っとくから言ってきな」と言って送り出し、カフェを出ていった純子の背中に向かって「いってらっしゃい、お母さん」と、少しほほ笑みながらつぶやいた。

■初めてのスカイツリー、そしてカラオケデート

ナオキとのデートで向かったのは東京スカイツリー。初めてのスカイツリーに大興奮の純子。渚の家に帰ってきてからも、楽しかったデートのことや、明日も会う約束をしたことを渚に話すが、それを聞いている父・市郎と未来の夫・ゆずる(古田新太)は気が気ではない様子。

そんな2人にはお構いなしに、渚は純子に思い出を形として収めてほしいと思い、デジカメを渡した。

2回目のデートはカラオケ。純子の歌う昭和歌謡を全く知らないナオキだが、楽しそうに聴いてあげている。純子がお手洗いに行って席をはずした時、ナオキはテーブルに置いてあった純子の生徒手帳を見てしまう。そこには、「昭和43年11月6日」生まれであることが書かれていた。

■渚の市郎への気持ちを確かめて、安心する純子

ナオキはその部分の写真を撮り、渚にLINEで聞いてみると「ごめん。信じないと思うけど、その子、私のお母さん」という返信があり、純子が赤ん坊の渚を抱いている写真が一緒に送られてきた。

「あとでちゃんと説明するね」という渚からのメッセージを見たナオキは、戻ってきた純子に問いただしたりすることはなかったようだ。

「すっごく楽しかった」といって帰ってきた純子。撮ってきた写真を渚に見せながら、父・市郎の話になった。純子は、市郎が渚のことを好きだと伝え、「どう思ってる?親父のこと」と聞いた。

渚は少し考えた後、「好きだよ」と答えた。すると、純子は「よかった。あいつが幸せにならないと私も親ばなれできないからさ」と、ホッとした表情を見せ「口は悪いけどバカじゃないんだよ。だから小川市郎をよろしくたのんますね」と伝えた。

■牢屋に入れられた純子が市郎と渚に言えなかった秘密

金曜日、この日もデートの純子は「明日、休み取ったから江ノ島行かない?」とナオキに言われるが、土曜日は週に一度の過去へのバスの運行日。明日は会えないということと、そろそろ帰らなきゃと、お別れを伝えた。もう会えないと悟ったナオキは純子に絶景ポイントを全部見せたいと思い、「じゃあ、今から行こう」と手を取り走り出した。

水族館、高台の神社を巡り、砂浜での追いかけっこ…。最後の思い出づくりをする純子。レストランで食事をするがここでトラブル発生。砂浜でスマホを落としたナオキは、現金の持ち合わせがなく、レストランの支払いができなくなってしまった。誰かに連絡しようにもスマホがないと番号がわからない。結局、2人は無銭飲食で警察に連れて行かれてしまった。

一方、純子がまだ帰宅してないことを知った市郎と渚は、喫茶店ゆずるらと集まり相談をしていた。そんな時、喫茶店の電話が鳴り、出てみると、純子が警察で保護されているという連絡だった。

市郎らが警察に迎えに行くと、店員に反抗した純子は牢屋(拘置所)の中にいて、素直に応じたナオキは牢屋の外にいた。迎えにきたのを見届けるかのように、すぐに立ち去るナオキ

薄情にも思えたナオキの行動だったが、渚が純子に「楽しかった?」と聞くと「すごく楽しかった」と返ってきた。そして、純子は「放ったらかしてくれてありがとう」と市郎に感謝の気持ちを伝えた。

昭和に帰ってきた純子。キヨシから「未来で一番印象に残ってる場所は?」と聞かれ、「スカイツリー江ノ島もきれいだったけど、一番よかったのは、牢屋かな」と答えた。実は、警察に捕まった後、市郎らが迎えに来る前にナオキと鉄格子越しにキスをしていた。

これは、映画「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンがヨーロッパ某国の王女を演じた時、「滞在したヨーロッパの都市の中でどこがよかったですか?」と聞かれ、「ローマ」と答えた場面とリンクしていた。結ばれない恋の忘れられない思い出が。

純子はまだ自分の未来を知らないが、これは大切な思い出になったはず。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

ナオキ(岡田将生)との最後のデートで牢屋に入れられてしまう純子(河合優実)/(C)TBS