「熱烈中華食堂日高屋(以下、日高屋)」などを運営する株式会社ハイデイ日高は3月5日2024年2月期2月度売上高速報を報告した。2月は全店の前期比で売上高119.3%、客数116.8%、客単価102.1%といずれも前期を上回る上々の結果。



日高屋 高田馬場駅前店



 売り上げ好調な日高屋ではあるが、3月1日から大きな変革が行われた。それはグランドメニューの改訂だ。おつまみ系の新メニューも追加されており、日高屋をラーメン屋ではなく居酒屋と捉えている筆者としては行かずにはいられない。日高屋のラーメン以外の新メニューを実食レポする。※以下、価格は全て税込です。


◆ごくごく飲めて怖い、紹興酒を使ったハイボール
 まずお酒について触れる。「ハイボール330円)」で使用されるウィスキーは「ホワイトホース」から「陸」に変更された。



ハイボール 330円。ウィスキーが「陸」に変わった



 ホワイトソーススモーキーな香りが印象的だったが、陸はそこまで強くない。とても飲みやすく甘さもあり、ウィスキーが苦手という人でも美味しく飲めそうだ。ただ、炭酸水が若干多かった雰囲気で、飲みやすかったのはその影響かもしれない。


 せっかくなので2023年12月22日から追加された新メニュー「ドラゴンハイボール(320円)」もいただく。



ドラゴンハイボール 320円。香りがとても可愛い



 中国酒メーカー・株式会社永昌源が手がけた「古越龍山」の「善醸仕込み」を使用しており、「紹興酒を炭酸水で割った場合でも“ハイボール”と呼ぶのか」という気づきを与えてくれたハイボール。運ばれてきた時、紹興酒特有の甘い香りにうっとり。アルコール感が強くなく、味自体は甘さはあまりないが、嗅覚から甘さを堪能できる。ごくごく飲めてしまいそうな怖さを感じた。しょっぱい・辛いメニューと一緒に飲むと、より紹興酒の芳醇さを楽しめる。


◆給食を思い出す、優しい味のドラゴンチキン
 次におつまみの紹介。こちらも2023年12月から追加された「ドラゴンチキン330円)」から実食。ただ、ドラゴンチキンは3個だったが、3月1日から追加された6個入りの「Wドラゴンチキン(600円)」をオーダーした。



Wドラゴンチキン 600円。懐かしさにひたれるチキン



 Wドラゴンチキンのほうが30円ほどお得っぽい。衣はカラッとしており揚げたての食感。衣は薄く、噛むとすぐにジューシーなチキンにたどり着く。衣でかさ増ししていないことは好印象



 「ドラゴン」と名前がついており、味が濃かったり辛かったりなど、食べる前から勝手に攻撃的なイメージを抱いていた。しかし、いざ食べてみるとかなり温厚なドラゴンだった。使用されているタレは甘辛く、酸味もあって口当たりはマイルド。香辛料の風味を感じられる赤いスパイスも、辛すぎるということもない。どこか懐かしく、食べているとなぜか給食で食べた甘辛いタレがかかった唐揚げを思い出した。


◆筆者が一番ハマった300円おつまみは
とうもろこしの香り揚げ(260円)」はとうもろこしの1粒1粒をつなぎと一緒に混ぜ合わせて熱したメニュー。



とうもろこしの香り揚げ 260円。とうもろこしをとても食べやすくしたとうもろこし



 つなぎの味はあまりせず、とうもろこしの味をしっかり感じた。噛めば噛むほど口の中でとうもろこしがプチっとつぶれ、その度にとうもろこしの甘さが広がる。「とうもろこしは好きだけど口に挟まるから食べたくない」という人にはかなりオススメしたい。とうもろこしをとても食べやすくしたとうもろこし”と言って良い



キムチチャーシュー 300円。優良なスピードメニュー



 今回一番ハマったメニューは「キムチチャーシュー(300円)」だ。チャーシューは肉厚で、白菜もシャキシャキしており食べ応え十分。ニンニクの香りは強いが辛すぎず食べやすい。「キムチ鍋は好きだけどキムチは苦手」という人でも美味しくいただけるだろう。


 また、特に気に入った要因として、最初に届いた“スピードメニュー”だったことが挙げられる。スピードメニューは基本的に胃袋を満たすことはできない。ただ、キムチチャーシューはボリュームがあり、オーダーした他のメニューを待っている間も空腹に悶える心配はない。「いろいろな居酒屋でも導入してほしい」とさえ思った。


◆甘くてしょっぱいデザートも優秀
 最後にデザートとして「おさつスティック塩バター(210円)」を注文。「塩バター」とメニュー名についている通り、塩とバターのしょっぱさが効いており、甘すぎない仕上がり。大学芋を食べると中身がスカスカのケースは珍しくないが、 おさつスティック塩バターのさつまいもはいずれも肉厚。1本1本ボリュームはありながら、甘さとしょっぱさのバランスが良く、ついつい食べ進めてしまう。



おさつスティック塩バター 210円。2口サイズで食べやすい



 また、大学芋のように熱々ではなく思いのほか冷たく、さつまいもを覆うタレもパリパリしている。温かくタレがトロトロしている大学芋を食べると、トロトロしているが故に、タレが歯にこびりつきやすい。しかし、おさつスティック塩バターは、そういうストレスを与えることもなく、おつまみとしても、デザートとしても優秀だった。



日高屋の新メニュー3品



 ちなみに今回ラーメン以外の新メニューで「ザーサイ(210円)」は食べていないため、次に行く時は注文したい。


<写真・文/望月悠木>


【望月悠木】フリーライター。主に政治経済社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki



日高屋 高田馬場駅前店