ホワイトソックスでエース格として活躍していたシーズ。それだけにパドレスにとっては勝負の一手となりそうだ。(C)Getty Images

 今シーズンに“打倒ドジャース”を目指す名門が、開幕を目前にして有力補強を実現させた。現地時間3月13日パドレスホワイトソックスから実力派右腕のディラン・シーズを1対4の大型トレードで獲得した。

 強力な先発ローテーションに強力な戦力が加わった。パドレスはトッププロスペクトのドリュー・ソープや4年契約を締結していたスティーブン・ウィルソンを含む4人を放出する見返りに、MLB通算43勝の怪腕シーズを引き抜いたのである。

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 現在28歳のシーズは2022年に14勝8敗、防御率2.20の活躍で、サイ・ヤング賞投票で2位に入る実力派だ。23年は33登板で7勝(9敗)、防御率4.58、WHIP1.42と成績を落としたが、奪三振率は10.88と流石のハイアベレージを記録。捲土重来を期する今シーズンに向けては、オープン戦3試合で8回1/3イニングを投げ、防御率2.16、WHIP0.96、奪三振率15.12と上々のスタッツを残していた。

 すでにダルビッシュ有ジョー・マスグローブ、マイケル・キングというエース級の投手をローテーションに揃えているパドレスだけに、鬼に金棒と言える戦力強化だ。今オフに大谷翔平らを獲得して推定総額14億ドル(約2058億円)の大型補強を展開した同地区のライバル、ドジャースと競争するためのスカッドが整ったとも言える。

 もっとも、対ドジャースにおけるシーズの成績は「抜群」とは言い難い。通算10イニングで、18奪三振を挙げてはいるものの、8失点(自責点2)と打ち込まれている。さらに昨シーズンは3打席とスモールサンプルながら大谷に打率.333、1本塁打長打率.1.333OPS1.666と滅多打ちにされてもいる。

 いずれにしても、球団内の上位に位置付けられる有望株3人を放出したパドレスにとっては勝負の補強と言える。米スポーツ専門局『CBS Sports』でも「彼が成功すれば、一気に希望が湧き上がる」と報じた一手は、果たして吉と出るか、それとも――。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

大谷翔平にはOPS1.666で相性最悪!? パドレスが先発ローテ強化のために緊急獲得した右腕シーズの強みは?