開幕まで残り約2週間となった。いよいよ迫るペナントレース開幕に向け胸を躍らせている人も多いだろう。

 そして来る開幕に向け調整を進める中、各球団、好材料、または課題も浮上して、球界内からも様々な考察の声が出始めている。

【開幕に向けて課題】オープン戦で浮き彫り‼︎「守れない怖さと若手の突き上げがない」「軸が決まらない」「抑えは誰だ」「野手の競争が激化で起用の悩み」高木豊が見たここまでのオープン戦で見えた課題について

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は3月13日に自身のYouTubeチャンネルに「【開幕に向けて課題】オープン戦で浮き彫り!!「守れない怖さと若手の突き上げがない」「軸が決まらない」「抑えは誰だ」「野手の競争が激化で起用の悩み」高木豊が見たここまでのオープン戦で見えた課題について」と題した動画を更新。ここまでのセ・リーグ6球団のオープン戦の戦い方を踏まえて、各球団が抱える課題について分析している。

 まず昨年の日本一チームである阪神については投打の内容については心配していないとしながら、気がかりな材料としてあげたのは守備面、エラーの多さだった。

 8日のヤクルト戦でも5点リードの8回に1イニング4失策と拙守により6点を奪われ、逆転を許したシーンもあった。

 高木氏も「ここらへんの守りがちょっと崩壊しているのがやや不安だし。いいピッチャー抱えてもエラーから崩れるということはあるから」と投手陣が堅いだけに、心配材料とした。

 あとは「若手の突き上げがない」こともあげた。打力でアピールしていた外野手前川右京は外野守備で不安定な姿を見せている。現状では昨年のVメンバー中心となりそうなことで選手たちの危機感が希薄にならないかと心配する。切磋琢磨するライバルがいてこそチーム力も上がってくるとあって、この点に関しても「現有戦力で戦っていく。これが岡田監督が一番嫌がっていたことだと思う。そこにチームが向かっているのが不安な点」と本来は指揮官も若手の伸びしろに期待をかけていたが、思った以上に若手の突き上げがなかったことが予想外だったとした。「新しい血、新しい力を入れていくことが長く強いチームを維持できる1つの方法だと思うんだけれども」とリーグ連覇を目指すチームにおいてはこの点が不安材料だとした。

 また昨年の4位チーム、巨人に関しては「7、8、9を誰に任せるか」と昨年苦しんだ救援陣の安定した運用がチーム浮上の鍵を握るとした。

 さらにチームが目指す方向性として、左打者には逆方向への意識を促すなど、「一発頼み」の野球から「つなぐ野球」へと展開していく中で、オープン戦のここまでの戦いにおいては本塁打が少ないことが気がかりだとした。

 実際、ここまでのオープン戦でチーム本塁打大城卓三萩尾匡也梶谷隆幸が放った3本のみ。一方、打線のチームで知られるDeNAは9本マークしている(いずれも13日現在)。

 目指す野球の方向性には「間違っていない」と理解を示しながらも高木氏は「去年はホームランでしか勝てなかった。今年はつないで勝とうとしているけれども、ホームランもやはり必要」とこれまでの一発頼み脱却を目指すあまり、大事な長打への意識が薄くなることを懸念する場面もあった。

 逆方向への意識に関してもシーズンが始まって、中堅、ベテラン層にどこまで徹底できるかがポイントとした。動画内ではほかにも広島、DeNAヤクルト、中日が抱える課題についても考察している。

 開幕までの残り時間もいよいよ残り少なくなってきた。各チームの課題との向き合い方にも引き続き注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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