アイドルグループ・ASTROのメンバーで、俳優としても活動するチャウヌがワイルドなキャラクターを演じていることでも話題のドラマ「ワンダフルワールド」。同作でチャウヌ演じる青年・ソンニュルと出会い、心を通わせていく主人公スヒョンを演じているのが、2024年に俳優30周年となるベテラン俳優キム・ナムジュだ。これまでも主演作で数々の受賞歴や高視聴率を記録してきた実力派俳優の活躍ぶりを振り返る。

【写真】かわいい!チャウヌ&キム・ナムジュの“ハートポーズ”

■ママになって「百想芸術大賞」最優秀賞受賞

1992年に「ミスコリア」“ミス京畿・真(1位)”に選ばれ芸能界入りしたナムジュ。モデルを経て94年からは俳優として活動。2005年に俳優のキム・スンウと結婚し、その後2人の子どもに恵まれた。

そんな彼女が一躍注目を浴びたのが、子育てしながら主演した2009年のドラマ「僕の妻はスーパーウーマン(原題:内助の女王)」。ずば抜けた美貌の持ち主・ジエがダメ亭主を再教育エリートに生まれ変わらせて人生逆転を図るサクセスストーリーで主人公・ジエを痛快に演じ、主婦層の絶大な支持を得て視聴率30%超を記録。同年度の「第46回百想芸術大賞」でテレビ部門最優秀演技賞を、「MBC演技大賞」で最優秀女優賞を受賞した。

「百想芸術大賞」受賞スピーチでは「キム・スンウさんに感謝しています」と夫に感謝の言葉を述べ、「大韓民国を代表する“おばさん女優”になれるよう最善を尽くします」とちゃめっ気たっぷりに喜びを語って話題を振りまいた。

■“女王シリーズ”のヒットで視聴率女優と呼ばれ

翌2010年には、「僕の妻は―」と同じMBC、脚本家パク・ジウンとのタッグで制作された“女王シリーズ”第2弾「逆転の女王」に主演。バリバリのキャリアウーマンから平凡な主婦になった主人公・テヒ(ナムジュ)がリストラされた夫に代わって家計を支えるため再就職し、職場というジャングルをサバイブしていく姿を笑いあり、感動ありで描き、年末の「MBC演技大賞」で大賞を受賞した。「ワンダフルワールド」は、この「逆転の女王」以来13年ぶりのMBCドラマ出演となる。

“女王シリーズ”で主婦層の共感を集め、ドラマはどちらも高視聴率を獲得。ナムジュは“視聴率女優”と呼ばれ、主役を張れる実力派女優としての地位を確立した。

2018年の主演ドラマ「ミスティ~愛の真実~」は、コメディーだった“女王シリーズ”とはガラリと雰囲気を変え、シリアスなラブサスペンス。この作品でナムジュは、トップキャスターから一夜にして殺人事件の容疑者になってしまう主人公コ・ヘランを演じた。その熱演は大きな話題となり、ドラマ出演者話題性ランキングで7週1位を獲得。「第54回百想芸術大賞」で2度目の同賞テレビ部門・最優秀女優賞を受賞し、あらためて演技力の高さを証明してみせた。

■“ジェットコースターのような”壮絶なキャラクター

そんな「ミスティ」から6年、MBCドラマとしては「逆転の女王」から13年。ナムジュが主演を飾っているのが「ワンダフルワールド」だ。

ワンダフルワールド」は、愛するわが子を突然失った主人公スヒョン(ナムジュ)と、彼女と同じ痛みを抱えて生きる青年ソンニュル(チャウヌ)が出会うことから巻き起こる出来事を描くヒューマンサスペンス。

スヒョンは、心理学教授であり人気作家として華やかな生活を送っている。だが夫と息子と3人で幸せに暮らしていたある日、愛するわが子・ゴヌが突然事故に巻き込まれ、死んでしまう。現実を受け入れることができず苦しみ、絶望するスヒョン。ゴヌを轢いた加害者の心ない言葉に怒りを抑えることができず、自ら加害者を殺害する。

ナムジュ自身も「強い母性愛があって、ジェットコースターのような人生を生きる人物」と語る、壮絶なキャラクター。ゴヌの死を受け入れられないぼうぜんとした表情や、加害者への憎悪が殺意に変わっていくさまは演技と思えないほどに生々しく、視聴者からも「1時間ずっと泣きっぱなしだった」の声が続出した。

■露出のなかった6年間は「母として幸せな時間を過ごした」

そんな彼女はプライベートでは2児の母。今回「ミスティ」以来6年ぶりのドラマ出演となったが、この6年間は「母として非常に幸せな時間を過ごしていた」のだそう。「ワンダフルワールド」の脚本を受け取り、わが子を亡くした苦しみのどん底から再生しようともがくスヒョンの“母性”に引かれて出演を決めたという。

チャウヌとは26歳差、夫役のキム・ガンウとも7歳差だが、年齢差を感じさせない美貌と持ち前の明るさで、主演として撮影現場を引っ張っている。チャウヌ、ガンウ、共に初めての台本読み合わせの後に行われた親睦会が打ち解けるきっかけになったと話す。

「最初のリーディング現場では少し冷たいイメージもあったんですが、台本読みの後の会食で本当にサバサバとしていて気さくに接してくださって」(チャウヌ)、「ナムジュさんはかなり“いける口”でしたし、そこで俳優たちやスタッフ全員をうまくまとめている姿を見てカッコいいな、と。そう思ってからすごくやりやすくなりました」(ガンウ)。2人が語るそんな裏話からも、さっぱりとしていて粋な人となりが浮かんでくる。

第3、4話でソンニュルの抱える痛みにぐっと踏み込んだスヒョン。さらに身近な人物の裏切りも知ることとなり、一気にもつれ始めたストーリーの中でスヒョンはどうやって再生への道を見つけていくのだろうか。実力派女優キム・ナムジュの胸に迫る演技がさらに目が離せない。

ワンダフルワールド」は毎週金・土曜にディズニープラスのスターで新エピソードを配信中(全14話)。本日3月15日(金)に第5話が配信となる。

スヒョン役のキム・ナムジュ 「ワンダフルワールド」第2話より/(C)SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.