―[モテるデブには理由がある]―


 こんにちは、「心もカラダもビッグサイズな男たち」のためのファッション&ライフスタイル情報を配信するWebマガジン「Mr.Babe」編集長の倉科典仁です。

 今回は全国のデブ諸氏たちの代弁者である私が「太っている=大食い」という世間的なイメージに対してひと言、物申したいと思っております。

◆「太っている人=大食い」は勘違い

 とはいえ、別に怒っているわけでもないのですが、デブ諸氏を見ると「この人たくさん食べるんだろうな〜」とか「ジャンクフードばかり食べるから太るんだよ〜」と、多くの人たちが思っているはず。実は、私も過去にこのイメージから「大きなお世話です」問題に何度も直面した経験があるのです。

 私自身それほど「大食い」でもなく「ジャンクフード」もあまり食べません。でも太っています……。

 もちろん、体格が大きい方にはそれなりに大食漢が多いのは認めますが、世の中の「太っている人」が皆さん「大食い」だと思われてしまうのは、いわゆる「少食系」デブ諸氏にとっては困ることが多々あるのです。

◆少食系デブ諸氏の本音「こんなに食べられない……」

 私の体験談で申し訳ないのですが、例えば、昔から友達の家に泊まりに行くと、必ずと言っていいほど「遠慮しないでいっぱい食べなさい~」と丼ぶりいっぱいにご飯をよそってくれて、おかずの揚げ物や肉類もこれでもかというくらいに振る舞っていただけるのです。

 確かに、友達のお母さんは私に遠慮させずに気を使ってたくさんの料理をつくってくれているわけなので、悪気がないのはわかりますし、それに対する感謝の気持ちもあるのですが、ふだん普通の量の食事をしている私は「こんなに食べられない……」と見ただけでギブアップ状態です。

 ただ、せっかく一生懸命に友達のお母さんがつくってくれたご馳走を残すわけにもいかないので「美味しいです!」と言って無理やり完食してしまうわけです。しかしその後は3時間くらい身動きができないくらい苦しかったり。残してしまった時には「体の具合でも悪いの?」と心配されたこともあります。

◆美味しいものを適度な量で食べることが幸せ

 客観的に見ると「お前が太っているから勘違いさせてるんだろ!」というご意見もあると思うのですが、私としては「誤解させてすいません」としか言いようがないのも事実です。

 私の場合はもちろん食べることは大好きですが、大食いとは少し違っていて、美味しいものを適度な量で食べることに幸せを感じるタイプです。それを見ている友達には「お前、本当に美味しそうに食べるよな」と言われるくらいなので、大食いと勘違いされても仕方がないのかもしれませんが、難しいところですね。

 言い訳をするわけではないのですが、私は幼少期から太りやすい体質で、いつも冗談で「オレは空気を吸っても太るんだよ!」とネタにしていました。実際、何を食べても太る体質なのかもしれませんし、私たちのような業界(出版やテレビ制作会社など)の人は、決まった時間に食事が取れなかったり、不規則な生活をしていたりするので、太っている人が多いような気もしますが、決して少なくない割合で「少食系」の方がいることも知っておいてください。

◆人は見かけによらない

 テレビの大食い番組を見ていても、そこに出てくる「大食いアスリート」と呼ばれる方たちは、逆に体が小さくて痩せた女性や、いわゆる普通体型の方が多いと思います。そんな方たちとプロレスラーや力士のような見るからに「たくさん食べる」というイメージの方が大食いバトルをするものですが、結果は、ほぼ大食いアスリートが勝ってしまいますよね。

「人は見かけによらない」という言葉もありますが「デブも見かけによらない」ということなのではないでしょうか。

 なんにせよ、私をはじめ、美味しいものを適正量で食べることに「この上ない幸せ」を感じるデブ諸氏も多いで、最後にわがままをすこし言わせていただければ、食事の際に「どのくらいの量食べます?」とお声がけいただけると助かるのですがよろしいでしょうか。

<文/倉科典仁>

【倉科典仁】
渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』や暴走族雑誌『ティーンズロード』などエッジの効いた若者カルチャーをテーマにした雑誌を多数手掛ける。現在はWebマガジンMr.Babe』でデブに特化したファッション&ライフスタイル情報を発信中。また、デブ限定の会員制オンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」、大きいサイズのファッション通販サイト「Mr.Babe STORE」を開設。大きな男たちだけで日本の経済を向上させるべく奮闘中。X(旧Twitter):@nori09140914

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