【こっそりミームを教えます・143日本の歴史の中には、様々な「大事件」が記録されている。中でもネット上で度々話題になるのが「鮫島事件」…。あなたはこの事件の実態をご存知だろうか。

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●ネット上で語り継がれる架空の事件



 「鮫島事件」とそれらしい名前がついているが、実はこちらは架空の事件。2001年に2ちゃんねる上に立てられた「伝説の『鮫島スレ』について語ろう」というスレッドから生まれた言葉だ。

 スレ主の「知らない方も多いと思いますが、2ちゃんねる歴が長い人は覚えている方もいらっしゃると思います」というもっともらしい煽り文句にネット民が便乗し、存在しない事件が憶測や創作で語り継がれることになった。

 実態がはっきりとしていないのを逆手にとって、「とても恐ろしいので口に出せない」という体で広がっていったのも同ミームの特徴だ。「鮫島=安易に語ってはいけないタブー」として、事件の詳細を伴わず名称だけが広く認知されていくことに。


●似たような都市伝説に「牛の首」も



 ちなみに、似たような都市伝説で「牛の首」という話がある。「牛の首」は江戸時代から伝わるとされている怪談だが、あまりの恐ろしさに人に伝えることも紙に書くこともためらわれたという。

 そして、恐怖のために聞いた者は最後には死んでしまうと言われている。そのため怪談の内容は伝承されず、「死んでしまうほど怖い話」として語り継がれてきた。

 実体のない恐怖話は人気を博しがちなのか、「鮫島事件」「牛の首」はともにメディア化されている。「鮫島事件」は「真・鮫島事件」というタイトルで、グラビアでも活躍する女優・武田玲奈が主演で映画化。「牛の首」も「牛首村」として映画化されており、こちらは木村拓哉の娘・Koki,が主演を務めたことでも話題になった。

 また「牛の首」はSFの大家である小松左京氏によって小説化されているが、この怪談が世に知られることになったきっかけが、1965年発表の同小説との説もある。長く語り継がれる「牛の首」同様に、「鮫島事件」も定番の都市伝説としてこれからも多くの人をゾっとさせてくれそうだ。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
得体の知れないものは恐怖を倍増させる(画像はイメージ)