高梨臨と栁俊太郎による不倫ドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』(テレビ東京・毎週火曜日深夜24時30分放送・以下『オトサツ2』)で気になる好演がある。近所の不登校の高校生を演じる彼。



©NYLON JAPAN(左:市村正親 右:市村優汰) ※株式会社ホリプロ プレスリリースより



 誰かと思えば、篠原涼子市村正親の間に、2008年に生まれた長男・市村優汰だった。これはまた素晴らしい才能が登場してくれたものだ。


 イケメン研究をライフワークとする“イケメンサーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、市村優汰は着実に化けると思う理由を解説する。


◆結婚後の篠原涼子の変化



離婚発表の際、報道各社宛に書面とともに送付されたツーショット写真



とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ・2015年放送)内の「新・食わず嫌い王決定戦」で、石橋貴明側のゲストとして出演した篠原涼子を見てびっくりしたのを覚えている。何がって、ものすごくシュッとなっていたから。どうしたんだろうかと。


 2007年に出演した8年前の放送回と比べても、明らかに顔の輪郭がはっきり、くっきり際立つ変化って。折しも、第一子の妊娠報告直前だったのが、この2007年放送回。もしかして2年前に始まった市村正親との結婚生活で何かあったのか?


 と、普段からゴシップネタにはあまり関心がない筆者でもつい勘ぐりたくなってしまったくらい。木梨憲武側のゲストはマツコ・デラックス根掘り葉掘りぶっちゃけたトークが篠原から引き出される……。


◆睡眠時間が4時間と明かす
 2011年には第二子を出産。2015年時点で長男は小学生だろうか。仕事に子育て。両立中の篠原が、日々のスケジュール感を明かす。夜中1時に就寝。朝5時半には起床(!)。


 睡眠時間が4時間くらいということになる。石橋も思わずツッコミを入れていた。篠原は、全然大丈夫と補足する。大変は大変だろうけど、でも息子たちを思う彼女の表情は終始温かい。


 俳優としての仕事は大切だけれど、今は子どもと向き合う時間だってしっかり確保したい。そのための早起きなんてへっちゃらさという快活な意志みたいなものが、あのシュッとした感じから溢れていたように思う。


◆15歳になった長男が不意に登場




 2015年の放送からさらに8年以上が経った。もし「新・食わず嫌い王決定戦」がまだ放送されていたら、ちょうど篠原に出演の番が回ってきた頃合いじゃないだろうか。話題はきっと、2007年に生まれた長男のこと。


 とんねるずではないが、お笑いBIG3のひとり、明石家さんまの前妻である大竹しのぶがちょうど話題を提供してくれた。2024年3月1日のInstagram投稿に、15歳になった長男、市村優汰が不意に登場したのだ。


 キャプションには、「前回のスウィーニー・トッドをやっていた8年前」とあるけれど、投稿写真2枚目を見るとわかる通り、小学生以来の再会だったようだ。そしてどうも市村優汰を紐解く上では、8という数字がポイントになるみたい。それだけにこの投稿画面自体が、満を持して大切に育てられた才能の晴れ舞台という気がする。


◆ 『オトサツ2』でなかなかの好演
 大竹の投稿は、「そしていつか、一緒にお芝居しようね」と結ばれている。例に漏れず、やっぱり俳優の道を進むんだな。舞台デビューが2021年のミュージカルオリバー!』。2023年には父・正親の舞台で得意のタップダンスを披露した。


 すこしずつ、着実に活動の舞台を広げていく。2024年3月2日に開催された『第38回 マイナビ東京ガールズコレクション 2024 SPRING/SUMMER』のランウェイもいい。篠原に激似の口元を真一文字に結んで、キリッと堂々とした佇まいには、独特の軽やかさがある。


 俳優としての空気感も十分漂わせる。高梨臨が、栁俊太郎扮する不倫夫に社会的制裁を下そうとする『オトサツ2』では、不登校の高校生役を演じ、謎めいた雰囲気がなかなかの好演。今後、作品によっては、結構早いタイミングで名演を繰り出してくるんじゃないか。


◆市村優汰は着実に化ける
 もしかしたら、名演を繰り出すための準備として、父の正親自ら特別稽古をつけていたりして。『NYLON JAPAN』誌面上での父子共演なんて見ていると、息子に対して優しげな眼差しを注ぎながら、同じ俳優としては厳しい指導に余念がない、熱い関係性を感じる。


 能楽でも歌舞伎でも、芸は、父から子へ伝承される。同様に、市村親子には、どこか伝統芸能的な香りがする。確かに華やかな芸能家族に違いはないけれど、でもこの折目正しい感じがあるから、篠原涼子も含め、親子揃って丸ごと応援したくなる。


 一方で、篠原涼子市村正親の長男というプレッシャーは大きいと思う。それは本人にしかわからない。でもきっと市村優汰は着実に化けるはず。彼の底に眠る静かなる情熱がどかっと溢れ出す瞬間を待っていよう。


<文/加賀谷健>


【加賀谷健】音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu



©NYLON JAPAN(左:市村正親 右:市村優汰) ※株式会社ホリプロ プレスリリースより