フィンテック・エコシステムの構築に取り組むElevandi Japan株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:鬼頭 武嗣、以下「エレバンディ・ジャパン」)が主催する「Japan FinTech Festival(以下、JFF)」は2024年3月4日(月)より開催されていましたが、8日(金)に東京でのプログラムが終了、11日(月)には福岡でのサテライトイベントを最後に100以上のプログラムが全て終了し、盛況のうち閉幕しました。世界中からフィンテックに携わる政府関係者、技術者、ビジネスリーダー、投資家など、260名以上(うち29%が女性)が登壇した、全プログラム英語の国際イベントに約2,300人が来場しました。うち44%は海外来場者で、ポテンシャルの高い日本のフィンテック市場に対する高い注目度が伺えました。また、経営幹部参加者は65%に上っており、今回行われたセッションによる深い洞察やネットワーキングが今後のフィンテック・エコシステム構築に繋がると期待しています。次回は来年2025年3月3日(月)~7日(金)に開催予定です。

主催者であるエレバンディ・ジャパン代表の鬼頭武嗣 は、「日本と海外のFintechのエコシステムには依然大きな隔たりがある中で、JFFを通じてグローバルのFintechコミュニティを日本に導入することに不安がなかったかと言えば嘘になりますが、最終的に成功に導くことができ、非常にうれしく思っています。また、多くの登壇者・参加者からも多くのポジティブなフィードバックが寄せられており、次回のJFF、延いては日本のFintech業界の今後の発展に対する世界からの期待の大きさを感じています。来年は更にスケールを拡大して戻ってきますので、楽しみにしていてください」と語っています。

●将来、日本が金融でリーダーシップを取る鍵は、経営慣行の見直し、グリーン金融、そしてAIの活用

世界の国際金融都市の競争力を示す「グローバル金融センターインデックス(GFCI)」(2023年9月)では、東京は20位、さらにフィンテック分野では32位と低い状態です。金融において将来日本がリーダーシップを取るにはどうしたらよいのか。CLSA証券 ストラテジストのニコラス・スミス氏は、日米のスタートアップを比較し「日本ではスタートアップの90%がIPOを行うが、米国では全スタートアップ企業の 75% が別の企業に買収されている。(中略)もしあなたがイノベーターであり、野心家であるなら、企業の成長戦略としてどう選択するのか」と、経営慣行の見直しについて指摘しました。

<左から、ジャンエリック・パケ(駐日欧州連合(EU)特命全権大使)、ジョイスフィリップ(イイコールフューチャー CEO)、ジェスパー・コール(マネックスグループ グローバルアンバサダー)、ニコラス・スミス(CLSA証券 ストラテジスト)、モデレーター:イ・ミンジョン(ブルームバーグ東京支局記者)、2日目のプログラム「Japan’s leadership in the future of finance」より>*敬称略

また、ジャンエリック・パケ駐日欧州連合(EU)特命全権大使はグリーン金融のハブとなることが日本にとってチャンスであると語り、マネックスグループ グローバルアンバサダーのジェスパー・コール氏は、自身が学生時代に日本の品質経営の父と言われるエドワーズ・デミング博士の授業を受けたことを挙げながら、日本がリーダーシップを発揮できるとしたらAI領域なのではないかと語りました。「深い知識とビッグデータを使用してプロセスを制御し、すべての活動において常に顧客を中心に据えたサービス提供に重点を置くこと。これはまさに、今日の AI の先駆けです。日本はそれを新たな高みに引き上げ、顧客との信頼を築きました。適切な制御、深層学習、生成 AI の使用。日本がリーダーになることに賭けるなら、ここは自然な場所ではないでしょうか。」(コール氏)

●ペイティーエム(Paytm)創業者のシャルマ氏登壇

インドの電子決済サービス会社ペイティーエム(Paytm)に逆風が吹く中、かねてより登壇が決まっていたJFFのためだけに来日したビジェイ・シェカール・シャルマ氏は、シンガポール金融通貨庁(MAS、中央銀行) フィンテック最高責任者 ソプネンデュ・モハンティ氏とのセッション「Building & sustaining unicorns: Challenges, rewards and lessons (ユニコーン企業の育成と維持 挑戦、報酬、そして教訓)」の中で、「トップが政策を推進すれば誰もがそれに耳を傾け、それに何の疑問も持たない。インドにおけるQR決済の普及は規制当局がそれをイノベーションとして取り上げ、主流化したからだ」と、イノベーションがテクノロジーだけにとどまらないという教訓を語りました。また、ファイヤーサイドチャットでモハンティ氏は、シャルマ氏との会話から得た重要な要素を3つ挙げています。

  1. あらゆる困難な状況を受け入れ、そこから学び、次の大きな課題に集中すること。キーワードは「次の大きなこと」。

  2. 重要で影響力のあるものを創造するときは、批判、特に厳しいコメントを受け入れること。

  3. 内省を通じて自身のチャレンジに対する安らぎと答えを探求することが、冷静かつ平静を保つのに役立っていること。

<左から、ビジェイ・シェカール・シャルマ(ペイティーエム創業者)、ソプネンデュ・モハンティ(シンガポール金融通貨庁(MAS、中央銀行) フィンテック最高責任者)>

●「ユニコーン企業を10倍に増やす」小池百合子東京都知事が「Founders Day」に応援メッセージ

3日目の「Founders Day」には国内外の創業者15名が登壇しましたが、創業支援を進める長谷部渋谷区長が講演した他、小池百合子東京都知事がビデオメッセージを送るなど、創業者を激励しました。また閉会基調講演では神田潤一内閣府大臣政務官が登壇し、金融庁がフィンテックを推進していること、内閣府としてはスタートアップ5ヵ年計画に注力していることなどを話し、「Founders Rock」の前座で『オー・ソレ・ミオ』の一部を披露しました。

<左から:小池百合子東京都知事)、長谷部健(渋谷区長)、神田潤一(内閣府大臣政務官)>

<「Digital Asset Summit」では、オープニング基調講演「Digital dawn - Reimagining Japan: A roadmap for progress(デジタルの夜明け - 日本を再構築する前進へのロードマップ)」(金融庁総合政策局審議官 柳瀬護)を始め、6以上のデジタル資産に関する講演やワークショップ、ファイヤーサイドチャットなどが行われました>

<AIやデジタル資産に関する活発な議論、金融当局による基調講演、VC設立発表などが行われた他、「Founders Rock」では創業者たちによるバンド演奏で盛り上がりました>

なお、一部のプログラムの動画は、JFFのLinkedInやYouTubeアカウントにて、今後随時配信される予定です。

配信元企業:Elevandi Japan株式会社

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