評論家、ライター、編集者など映画ツウたちの投票により月ごとのベスト作品を選ぶ「月イチ!“ぴあテン”ランキング」。その2月公開の映画ベストテンが決定し、『夜明けのすべて』と『落下の解剖学』が同点で1位となった。

本ランキングは、27人の選者が2024年2月公開の「みた」映画の中から特に良かった作品、好きだった作品、高く評価している作品を投票して決定したもの。

1月の『哀れなるものたち』の独走とは対照的に、2月は票がばらける結果に。『夜明けのすべて』は投票者の多くが1位に選出し、「三宅唱の新たな代表作であり、松村北斗が日本映画俳優のトップに躍り出た記念碑」(相田冬二)、「シリアスなテーマを扱っているのだが、どこかほんわりとしたユーモアも感じられる、優しい映画」(坂口英明)といったコメントが寄せられた。

『落下の解剖学』は1位は少なかったものの票数の多さでトップに並び、「緻密な脚本と演出が見事」(平辻哲也)、「終始曖昧な表現で見る者を不安の迷宮に誘い込む」(渡辺祥子)といった声があがった。


また、今月は3位も同点で2作品が選出され、『コヴェナント/約束の救出』『瞳をとじて』が同着の結果に。『コヴェナント/約束の救出』は、アフガニスタン問題と現地人通訳のドキュメンタリーに着想を得て完成させた、ガイ・リッチー監督初の社会派ドラマ。「現在進行形の戦争に古風な戦争映画スタイルがうまくハマった佳作」(高松啓二)といったコメントが寄せられた。

『瞳をとじて』は、スペインの巨匠ビクトル・エリセ監督が『マルメロの陽光』以来31年ぶりにメガホンを取った長編映画。「古きよき時代の名作のようにじっくりと堪能したい」(佐々木俊尚)といった声が寄せられた。


選者27人の投票作品とコメントはぴあアプリ/WEBに掲載中。

2024年2月公開の「みた」映画ベストテン

1位『夜明けのすべて』
1位『落下の解剖学』
3位『コヴェナント/約束の救出』
3位『瞳をとじて』
5位『ボーはおそれている』
6位『ダム・マネー ウォール街を狙え!』
7位『カラーパープル
8位『梟―フクロウ―』
9位『罪と悪』
10位『犯罪都市 NO WAY OUT』

(C)瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会
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左より)『夜明けのすべて』『落下の解剖学』