ダイヤ改正で中央線名古屋中津川)の快速・普通列車が、JR東海の新型車両315系に統一。全国的にも珍しい特急以外での130km/h運転が始まりました。

「快速および普通の全列車」で最高速度130km/h運転

JR東海は2024年3月16日ダイヤ改正で、中央線名古屋中津川間を運転する全ての快速・普通列車を新型車両315系に統一。これに伴い、同区間で特急列車と同じ最高速度130km/h運転を開始しました。

全国的には特急列車以外での130km/h運転は珍しく、JR西日本の「新快速」やJR東日本常磐線普通列車つくばエクスプレスで実施されていますが、JR東海では、かつて中央線で運転されていた快速列車セントラルライナー」以来です。

315系は、2022年に営業運転を開始したJR東海で最新の電車です。2025年度までに352両が製造され、中央線のほか、東海道線関西線にも順次投入される予定。特急「ひだ」や「南紀」で活躍しているHC85系と同じ台車構造が採用されています。

速度の引き上げは、新型車両への統一によって実現したもので、置き換え対象となった211系の最高速度は110km/hでした。今回のダイヤ改正から、315系の性能をフルに活かした130km/h運転が実現します。

中央線では、快速及び普通の全列車で最高速度130km/h運転を行います」(JR東海 東京広報室)

なお、具体的に名古屋中津川間のどこで130km/hの運転を行うかについては「運転時分や状況によって運転方法は異なるため、一概には回答できません」(同)としています。

実はJR東海管内で130km/hで走行可能な区間は、中央線名古屋中津川間のみです。今後、315系東海道線にも投入される予定ですが、同線は信号や踏切など、地上設備の条件から最高速度は120km/hに抑えられるといいます。

ダイヤ改正にあわせ、中央線では運行形態も変更。昼間時間帯に名古屋~瑞浪・中津川間を運転する快速列車は全て新守山と神領に停車する「区間快速」になりました。「区間快速」が運転される昼間時間帯は、名古屋~高蔵寺間の普通列車を1時間当たり最大2本削減。11~14時台の名古屋~高蔵寺間の本数は1時間あたり6本となっています。

JR東海の315系(画像:写真AC)。