ハリウッドでの子役俳優たちが華々しいデビューを飾る一方で、成長過程で様々なトラブルに直面することは珍しくない。「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」で若きアナキン・スカイウォーカーを演じたジェイク・ロイドも、2015年にパトカーとのカーチェイスの末に車を激突させる事件を起こしている。

高校時代から始まったロイドの苦悩は、彼が「現実」についての感覚を失い始めたことから顕著になったと、母リサさんは米スクリプス・ニュースの取材で語っている。「ジェイクは、自分がこの現実にいるのか別の現実にいるのか分からなくなったんです」

この混乱は、ロイドの人生に大きな影響を与え、最終的には精神的な崩壊を引き起こすことになる。2007年に高校を卒業後、コロンビア・カレッジ・シカゴ大学に進学するが、「人に付け回されている」と言い授業をさぼるようになる。

15年のカーチェイスの後、23年には3車線道路の中央に車を駐車するという事件を起こした。これをきっかけに精神科のリハビリ施設に入所し、妄想型統合失調症と診断されたという。

リハビリ施設では快方に向かっており、「人との関わりが良くなり、少し社交的になってきました」とリサさんは言う。「これはとてもいい兆候です。以前のジェイクを少しでも取り戻せているようで嬉しいです。統合失調症になる前の彼は、非常に社交的でしたから」

さらに、リサさんはこう強調する。「こんなことになって、多くの人は我々が『スター・ウォーズ』を嫌っていると思っていますが、実はジェイクは大ファンなんです」

ロイドは、あと8カ月ほどリハビリ施設に滞在することになっているという。

写真は2011年のジェイク・ロイド Photo by Gilbert Carrasquillo/FilmMagic/Getty Images