オドーアをいかに起用していくか、阿部監督の考えにも注目が高まる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人の新外国人、ルーグネッド・オドーアの状態が上がってこない。

 ここまでのオープン戦打撃成績は6試合で18打数1安打、打率・056と打棒は湿ったまま。メジャー通算178発砲の爆発力が期待されている中、対応に少し苦労している様子が伝わってきている。

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 「7番・三塁」で先発出場した14日のソフトバンク戦(ペイペイ)では3打数無安打。第1打席は見逃し三振、2打席目は好守に阻まれて二直、3打席目は三ゴロに終わった。いい当たりもあるが「球を見極めようとするあまりに直球に差し込まれる」「日本の投手の変化球の対応に苦しむ」といった新外国人選手の多くが日本球界に挑戦する際にぶつかる壁に阻まれており、もう少し対応に時間がかかりそうだ。

 となると気になるのは29日に迫る阪神との開幕オーダーの件もある。当初から阿部慎之助監督はオドーアに関してはクリーンアップ以外の打順で楽に打たせ「ホームランか三振でいい」と明言するなど、気持ちの負担を減らすように努めてきた。

 一方で現在のチームの外野手争いはし烈を極める。ドラフト3位ルーキー佐々木俊輔日立製作所)はオープン戦の打率を5割まであげ、12球団トップを走る(15日現在)。外野手としての守備でも14日の試合では2回無死の場面で栗原陵矢の打球を背走キャッチするスーパープレーもあるなど、鉄壁の守備をアピールした。大事なセンターラインでルーキーが開幕戦でいきなり中堅を任される可能性も浮上している。

 一方でほかの外野手も負けてはいない。松原聖弥もここまで打率・412と好調をキープ、ここまでオープン戦1号をマークしている萩尾匡也、13日のソフトバンク戦でチーム合流後すぐさま一発を放った梶谷隆幸、同日の試合で適時打をマークした重信慎之介、攻守で存在感を示しているオコエ瑠偉、ベテランの丸佳浩など限られた3つの椅子を求めて、各選手がしのぎを削っている。

 アピール合戦続出には阿部監督も嬉しい悲鳴となっているが、一方で「外野は白紙」と実力至上主義をうたい、チーム競争を促してきた立場とあって、このまま調子が上がってこなければ、オドーア起用に関しても一考する可能性も出てきそうだ。競争原理を壊すとなれば、現在進んでいるチームの好循環にも影響を及ぼしかねない。

 すべては助っ人の〝一発回答〟を待ちたいところだが、果たしてどうなるか。開幕までの時間も進む中、指揮官の助っ人ハンドリング術にも注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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