今日もさわやかに麗しく生きていきましょう
『今日もさわやかに麗しく生きていきましょう』(ちいりお・ちいりおママ/KADOKAWA

掃除機かけたのも、私のお世話をしたのもママなんですけど?」と、パパにお説教している女の子を見たことがあるだろうか? 大人顔負けの語彙力と6歳とは思えない抜群のトーク力で世間をざわつかせた、「ちいりお」ことりなちゃん。

『今日もさわやかに麗しく生きていきましょう』(ちいりお・ちいりおママ/KADOKAWA)では、前向きに病と闘い続ける娘と、今日まで側で支えてきた家族の涙あり笑いありお説教あり!? の日々が綴られている。

 動画内では、笑顔が魅力的で明るいりおなちゃんだが、実は、口蓋裂や低身長症、小顎症などさまざまな病気を抱えて生まれてきた。しかも2歳半の時に、背骨が弯曲してねじれる病気・側弯症も発覚、5歳の時に側弯が急激に進行してしまう。骨が内蔵を圧迫し、命の危険があったため側弯症を治す手術を行うも、その影響で下半身が麻痺し、りおなちゃんは歩けなくなってしまった。

 私たちは麻痺と聞くと、「痺れて動かしにくい」「自分の思い通りに動かすことができない」などを想像するかもしれない。しかし、実際は、「自分で座ることができない」「寝返りがうてない」「立てない」「歩けない」など、自分の意思でいっさい体を動かすことができなくなるのだ。

 今まで不自由なく体が動いていたのに、目が覚めたら自由がきかなくなっていた――。それを5歳の時に経験したというのだから、本人の衝撃は計り知れない。

 しかし、りおなちゃんは自分の足で歩けるようになることを諦めていない。  毎日の自主練習は欠かさずに行い、毎週金曜日はかかりつけの病院と、岡山県リハビリセンターへ通う。さらに月に一度、片道5時間かけて大阪府にあるトレーニング施設に行き、3時間みっちりリハビリに励んでいた。

りおなちゃんは自分の足で歩けるようになることを諦めていない

 りおなちゃんにとって「今、自分にできることがある」ということは、歩けるかもしれない希望につながっているのであろう。そのため、リハビリを嫌がったり弱音を吐いたりする様子は一切見せない。むしろ「他に何かできることはないか?」と探して、日々果敢に取り組んでいる。

「他に何かできることはないか?」と探して、日々果敢に取り組んでいる

「病気のことを知ってもらい、助けを求めやすくする」という目的で始めた「ちいりおちゃんねる」。パパをお説教する娘シリーズが多くの人を笑顔にし、わずか9カ月弱で登録者数100万人を達成した。りおなちゃんがSNSで自身の病気について発信することで、諦めていた再生医療の治療に挑戦することができたり、出会った先生から医療機関に問い合わせをしてくれたりなど、自分の手で歩ける可能性をどんどん広げていた。

 私達からすると、超ハードスケジュール&リハビリメニューで、辛いのではないか思ってしまう。なぜ、りおなちゃんは、ここまでリハビリや治療を頑張れるのか。それは、ちいりおママと交わした2つの約束があったからだ。

 それは、「歩くことをあきらめない」「笑いたい時は一緒に笑おう。でも泣きたいときは思いっきり一緒に泣こう」。やれる治療にはどんどん挑戦し、自分の足で必ず歩く。そして、今を楽しむことを忘れず、治ることをだけを信じ、今日も親子二人三脚リハビリに励む。

いま、編集部注目の作家

自分の足で歩くことを諦めない6歳の女の子。5歳で下半身麻痺になった彼女が、動画配信で人々を笑顔にしながら前向きにリハビリを続けられるのはなぜなのか?