1888年にイギリスを揺るがした正体不明の連続殺人「切り裂きジャック」事件について、警察の捜査資料が約136年ぶりに公開された。近く、英国内でオークションにかけられる予定。Sky Newsなどが報じている。

「切り裂きジャック」事件の捜査資料が136年ぶりに公開。近くオークションへ出品予定_001
(画像はオークションサイト「The Saleroom」内「JACK THE RIPPER Artifacts」より)

このファイルは、1888年にロンドンのホワイトチャペルで5人の女性を殺害したとされるシリアルキラー、「切り裂きジャック」の事件を捜査したJoseph Henry Helson警部が保管していたもの。今回、その曾孫によって捜査資料などが公開された。

「切り裂きジャック」事件の捜査資料が136年ぶりに公開。近くオークションへ出品予定_002
(画像はオークションサイト「The Saleroom」内「JACK THE RIPPER Artifacts」より)

ファイルには、初期の容疑者であったマイケル・オストログの写真2枚、切り裂きジャックが警察に送ったとされる有名な手紙「親愛なるボスへ(Dear Boss」「生意気なジャッキー(Saucy Jacky)」の複製、さらには、最初の犠牲者の一人とされるメアリー・アン・ニコルズの遺体の写真も含まれているという。

マイケル・オストログはロシア出身の窃盗犯・詐欺師。容疑者として目されていたオストログであるが、殺人事件発生時にはフランス刑務所に収容されていたことが判明し、以後捜査線上から外れたとされる。

また、「親愛なるボスへ(Dear Boss)」の手紙は、犯人が書いたとされる数百通の手紙の中でも特に注目されているものの一つ。この中で「切り裂きジャック」の名が初めて使われ、以後その名は世界的に知られるようになったという。

推定1万ポンド(約190万円)相当ともされるこれらの捜査資料は、Whitton & Laing Auctioneersを通してオークションにかけられる予定だ。広報担当者によれば「切り裂きジャック殺人事件は140年近くにわたって根強い人気を誇っており、犯罪に直接関連した品物が売りに出されることはほとんどない」という。

ただ、競売人は「被害者は実際に存在した実在の人物であり、彼らにはそれぞれの物語がある。我々は、この殺人犯をアンチヒーローとしてではなく、残忍な犯罪者として扱うべきだ」と付け加えている。

オークションは現地時刻3月22日に開催予定。

The Saleroom「JACK THE RIPPER A COLLECTION OF ORIGINAL ARTIFACTS」