―[絶対夢中★ゲーム&アプリ週報]―


◆『オホーツクに消ゆ』が復活!

 2月21日に配信されたNintendo Directで、往年の名作推理アドベンチャー『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』(1984年PC-6001PC-88011987年ファミコン)のリメイクが発表されました(ジー・モード、2024年夏リリース予定)。

 これにはファミコン世代大歓喜!「久々にテンションが上がった!」「リメイクされたらプレイして、聖地巡礼したい!」とSNSでも熱いコメントが見られました。

オホーツクに消ゆ』は堀井雄二さんがシナリオを手掛けた、いわゆる”堀井ミステリー三部作”の第2作目で、ファミコンでも大ヒット。当時は、「網走に行ったらニポポ人形を絶対買ってくる!」と息巻いていた小学生が多数いました。「なにか とれ バスタオル」も伝説ですね(笑)。

 リメイク版では、堀井雄二さんが監修した、2024年の東京が舞台となる完全新作ストーリーも追加されているとのこと。これは楽しみ!

 というわけで今回は、今こそ新シナリオ追加で復活してほしいファミコンアドベンチャー4選をお送りします。

北野武映画のルーツ!?

たけしの挑戦状(1986年タイトー)

たけしの挑戦状』は1986年タイトーから発売された、ビートたけしさん監修のアクションアドベンチャー。平凡なサラリーマンが会社に辞表を出して宝探しの冒険に出る! 社長もやくざも通行人も殴り倒し、行き着く先は……。

 宝の地図の理不尽な謎解き、2コンマイクでのカラオケ、ゲームオーバーは主人公の葬式……と、斬新かつシュールな世界観は当時の小学生の心を揺さぶりました。

 その後、映画監督・北野武としてバイオレンスに満ちた作品を創り出し、世界的に評価されたのはご存知の通り。『たけしの挑戦状』は、そのプロトタイプだったのかもしれません。

 今の技術で、たけしさんがプレイヤーに挑戦状を叩きつけるとしたらどんなゲームになるのか? その世界観やストーリーも含めて気になるところ。問題作でも構わないので、もう一度ゲームというメディアで、当時のような衝撃を味わいたいものです。

◆リメイク困難!? 幻の推理アドベンチャー

さんまの名探偵1987年ナムコ

さんまの名探偵』は、1987年ナムコから発売された、実在の吉本興業の芸人たちが登場するコマンド式推理アドベンチャー。肖像権の問題がクリアされておらず、現行ハードでのリメイクは難しいと噂されている幻のタイトルです。

 発売から37年たっていますが、さんまさんがお笑い界のトップというポジションは変わらず。新たに『さんまの名探偵2』が作られても、主人公としてのネームバリューは十分すぎるほどでしょう。

 もし新作として蘇るとしたら、グラフィックが美麗になるよりも、ドット絵のままでお願いしたいところ。若手の吉本芸人さんがどのようなドット絵キャラになるのか、注目です。

さんまの名探偵」は、シューティング「ギャラクシガニ」ややっさんとのボートレースなどミニゲームも楽しいゲームでした。新作では、マヂカルラブリーの野田クリスタルさんにミニゲームを作ってもらうというのもアリかもしれません。

◆『西遊記』がモチーフの感動の名作

ふぁみこんむかし話 遊遊記1989年任天堂

ふぁみこんむかし話 遊遊記』は、1989年任天堂ディスクシステム向けに発売したコマンド式アドベンチャー。第一弾『新・鬼ヶ島』(1987年)に続く、第二弾に当たります。

西遊記』をモチーフに、猿(ごくう)と少女(ちゃお)の冒険をコミカルかつ感動的に描き、今でも根強い人気を誇るタイトル。乱暴者だった猿のごくうの成長と、爽やかなエンディングには心温まるものがありました。主人公コンビはたまに他の任天堂作品にちょい役で出演していますが、そろそろ本格的にリメイク話が持ち上がってもいい頃では?

 最近任天堂は映画にも力を入れているため、『遊遊記』も映画化を見越して実写ドラマ化する手もあり。『西遊記』をもとにしたドラマは定期的に当たる法則があるため、ヒットするかもしれません。

◆大人っぽさを味わえたアドベンチャー

探偵 神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件(1988年データイースト

『横浜港連続殺人事件』は老舗探偵アドベンチャー『探偵 神宮寺三郎』の2作目で1988年に発売されました。1作目『新宿中央公園殺人事件』(1987年)がディスクシステム向けだったのに対し、こちらはファミコンカセット

 航海士の青年からフィアンセのバラカ人女性の捜索を依頼された神宮寺三郎。真相を追ううちに、バラカ領事館と密輸組織の関わりが明らかになっていきます……。山下公園中華街、マリンタワーと、エキゾチックなスポットが多く、ファミコンとは思えないほど大人っぽい雰囲気。

 実際『横浜港連続殺人事件』は2004年に携帯電話用にリメイクされ、ニンテンドーDSソフト『探偵 神宮寺三郎DS いにしえの記憶』(2007年)にも収録されていますが、30年の時を経た新シナリオも遊んでみたいところ。横浜も当時とは大きく変わっているでしょう。

 ゲーム界が生んだ貴重なハードボイルド探偵である神宮寺三郎。静と動、対照的な2人という意味で、『逆転裁判』の成歩堂龍一とのコラボも見てみたいところです。横浜が舞台の本作は、ドラマ『あぶない刑事』とのマッチングも良さそうです。

 コマンド式アドベンチャーというフォーマット自体、今ではあまり見かけなくなってしまいましたが、ドット絵の2Dアクションが再評価されたのと同じように、表現形式として見直される時代も来るかもしれません。

【卯月鮎】
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も

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