ボートレース場の安くて旨い勝負メシをご紹介するこの企画、これまで首都圏の平和島、多摩川江戸川、戸田、桐生の5場、住之江、尼崎の関西エリア2場、中国地方からは宮島と全8場を取材してきました。そして今回は静岡県にある『ボートレース浜名湖』です。 

 静岡県湖西市にある『ボートレース浜名湖』は、浜名湖の西の河口に位置。遠州灘の海水も入る汽水のレース場です。干満差や冬の追い風、夏の向かい風など自然の影響を受け、季節や時間によってはレースに大きな展開が期待できます。そしてなんと言っても、『ボートレース浜名湖』の特徴は日本一の広い水面を誇ること。長さ168.7m、 幅547.3m、面積は約92300平方メートル。これは東京ドームの約2倍の広さで、ダイナミックな走りが楽しめるんです。

 そんな『ボートレース浜名湖』では、静岡のご当地グルメが堪能できるとのこと。浜名湖といえば鰻! さらに全場で初めての、元ボートレーサーのカフェもあるそうです。早速『ボートレース浜名湖』へ行ってきました!

ここがレース場? まるで高級リゾートホテルのような外観にびっくり

(左)中央スタンド側の建物(右)日本一広い水面
(左)中央スタンド(右)日本一広い水面

 初めて『ボートレース浜名湖』へ行ったなら、その佇まいにきっと驚くはず。外観はまるでヨーロッパの高級ホテルのような雰囲気で、明らかに他の場とは違います。水面は日本一の広さに加え、浜名湖に続いていることからとっても広く、開放感抜群です。

ボートレース浜名湖』には、3つのレストランとcafe、そして各フロアに売店があります。また、中央スタンドの水面近くの広場では、屋台やキッチンカーが出店し、気軽に食べ歩きからがっちり食事までと幅広く楽しめます。

リーズナブルな価格で絶品鰻が食べられる2店!

レストラン『ピットイン』の「鰻丼」1100円
レストラン『ピットイン』の「鰻丼」1100円

 鰻は昨今、資源量の減少などの理由から高級食材となり気軽に手が出せないものになりました。でも浜名湖といえば、名物は鰻です。せっかく浜名湖に行ったならやっぱり鰻が食べたいですよね。『ボートレース浜名湖』では、3つのレストランで、リーズナブルに鰻が食べられるんです。

広い店内でゆっくり食事ができるレストラン『ピットイン』
広い店内でゆっくり食事ができるレストラン『ピットイン』

 まずは中央スタンド2階のレストラン『ピットイン』。ここでは、うどんやそば、丼ものなど、しっかりとした食事ができます。お目当ての「鰻丼」の価格は1100円とリーズナブル! こんな金額で鰻が楽しめるとは嬉しい限りです。鰻は半身ですが、しっかりとした身で食べ応え十分です。

(左)ふっくらしたレストラン『フラワー』の「鰻丼」。(右)レストラン『フラワー』
(左)ふっくらしたレストラン『フラワー』の「鰻丼」。(右)レストラン『フラワー

 続いて南スタンド2階のレストラン『フラワー』。ここは「刺身定食」や「煮サバ定食」など定食が多く、他にもうどん、そば、カレーや丼ものを揃えます。ここでも鰻丼を発見、料金は同じく1100円です。『フラワー』の鰻はふんわりやわらかでとっても美味。この価格でこの旨さはアリ!

ご当地グルメも充実! 場内一番人気の屋台

売店「Mahalo(マハロ)」の屋台
売店「Mahalo(マハロ)」の屋台

 ご当地グルメはまだまだあります。飲食店でもっとも賑わっているのは、水面近くのエリアにある売店『Mahalo』の屋台です。ここには浜松餃子富士宮やきそば、静岡ビールなどご当地グルメがずらり。気軽に食べ歩きできるメニューが豊富で人気のお店です。

「浜松餃子」400円
浜松餃子」400円

 中央スタンド1階の売店『Mahalo』は、静岡県袋井市にある『(株)石川製麺』が展開するお店。こちらの「浜松餃子」も石川製麺のオリジナル。薄い皮はモチモチした食感で、野菜もたっぷりと入った本格的な味わいです。

「富士宮やきそば」600円
富士宮やきそば」600円

 看板メニューのひとつの「富士宮やきそば」。こちらも石川製麺のオリジナルの麺を使用、もっちりとした強めでコシのある麺にソースがよく絡んで美味。イワシの魚粉も香り、食べ応え十分です。

「モチモチポテトWチーズ」800円
「モチモチポテトWチーズ」800円

 いちばん人気は「モチモチポテト」。開催日には200個売れる人気メニューで、この日も行列ができていました。20cm以上ある長いポテトは、180度の油で揚げあがりまで1分と短く、いつでも揚げたてを食べられます。味は、塩、明太マヨ、Wチーズの3種類から選べます。

第二の人生を始めた元レーサーが営む『CAFE BOAT』

元レーサー新藤哲三さんが経営
レーサー新藤哲三さんが経営

 続いて紹介するのは、元レーサーの新藤哲三さんが経営する『CAFE BOAT』です。新藤さんは18歳でデビュー、26年間ボートレーサーとして活動し、通算成績903勝、優勝は5回で、2018年に惜しまれながらも引退しました。レーサーから一転、飲食業を始めた理由とは? お話を伺いました。

(左上)常設のカフェと(右上)キッチンカーを展開。(左下)まろやかな辛さで子どもも食べられる「キーマカレー」700円。(右下)クロワッサン生地をワッフルの機械で焼いた「クロワッフル」400円
(左上)常設のカフェと(右上)キッチンカーを展開。(左下)まろやかな辛さで子どもも食べられる「キーマカレー」700円。(右下)クロワッサン生地をワッフルの機械で焼いた「クロワッフル」400円

 

 カフェを始めた理由について聞いてみると「カフェってかっこいいじゃないですか」と笑顔で答える新藤さん。「選手の時も引退したら漠然とカフェをやりたいと、ずっと考えていました」。選手時代は常に減量に苦しみ、365日で200食しか食べなかったと言います。減量などから来る体調不良が理由で、44歳で引退、かねてからの憧れだったカフェ(『Cafe soco』)を浜松市内にオープンしました。2店舗目となる『CAFE BOAT』は、静岡支部だったこともあり、ボートレース浜名湖に開きました。

 元選手の店というのは、ボートレース場では初めての試みで注目を集めています。新藤さんのお店はキーマカレーナポリタンポテトなどの軽食とスイーツを扱う売店、そして水面近くの広場にキッチンカーと、ふたつの店を開いています。開催日には店頭に立つこともある新藤さん、運が良ければ会えるかも。『ボートレース浜名湖』へ行ったなら、ぜひチェックしておきたいお店です。

まとめ

 浜名湖畔に建つ、環境抜群の『ボートレース浜名湖』。周囲は海と湖に囲まれ、ここまでの動線も自然豊かで観光気分も楽しめます。水面も大きく、開放感たっぷりの館内には、ご当地グルメもたくさん。周辺には飲食店が少ないので、館内で食べるのがおすすめです。どんどん進化を続ける『ボートレース浜名湖』。近くに行ったらぜひ寄ってみてください。

●SHOP INFO

ボートレース浜名湖

住:静岡県湖西市新居町中之郷3727-7
TEL:053-594-7111
営:浜名湖レース開催日
http://www.boatrace-hamanako.jp

●著者プロフィール

矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。

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