土屋太鳳、Snow Man・佐久間大介、内田英治監督が、3月17日に都内で行われた「映画『マッチング』感謝御礼舞台あいさつ」に登壇。大ヒットへのお礼を伝えたほか、お互いへの思いを綴った手紙を読み、感謝を伝え合った。

【写真】ジャンヌダルクをまねる土屋太鳳に爆笑する佐久間大介

■マッチングアプリをきっかけに物語が進んでいく“サスペンス・スリラー

同作は、マッチングアプリによって増えた出会いの裏に仕掛けられた恐怖を完全オリジナルで描くサスペンス・スリラー。映画「ミッドナイトスワン」(2020年)などを手がけた内田英治氏が原作・脚本・監督を務めている。

土屋が仕事は充実しているものの、恋愛には奥手なウエディングプランナー・唯島輪花を、佐久間が輪花とアプリでマッチングする“狂気のストーカー”永山吐夢を、金子ノブアキが輪花に思いを寄せるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山剛を演じ、杉本哲太、斉藤由貴片山萌美真飛聖、後藤剛範、片岡礼子らも出演している。

登壇した土屋は「この映画が公開された時は冬の寒さがまだ残っていて、今日は早く咲く桜が咲き始めたということで、こんなにも長く季節の変化を感じられて、そしてその分長くお客さまにお礼をお伝えできることを本当にうれしく思っております」と笑顔。

続く佐久間も、「朝っぱらから見る映画ではないんですけども、重さ的には(笑)。でもこの時間でもこうやってたくさんの方が全国に来てくださってると聞いたので、その感謝をたくさん伝えられたらいいな」と話した。

■佐久間の変化に土屋「最初の舞台あいさつより髪伸びましたよね?」

2月23日に全国劇場公開した同作は、累計動員数50万人、興行収入が7億円を突破。大ヒットの興行と伝えられると、佐久間は「うれしいよね〜!」とにっこり。土屋も同意しつつ「うれしいですし、最初の舞台あいさつより髪伸びましたよね?」と佐久間の髪型の変化についてコメント。

さらに土屋が「それくらい長く、お礼をお伝えできるのが本当にうれしいですよね、監督?」と話を振ると、続いて内田監督が「だってね、冬っぽい感じからもう真夏ですから」と土屋の衣装の変化を指摘する。

土屋は、クローバーをイメージしたという衣装のこだわりを話すと共に、佐久間もたまたま緑の衣装をチョイスし“マッチング”したという偶然を明かしていた。

■内田監督の言葉に目を潤ませる土屋太鳳

会見では、登壇者の3名がそれぞれ感謝の気持ちをしたためた手紙を読む場面も。

内田監督から「拝啓、佐久間大介さま。早いもので『マッチング』の撮影から1年半が過ぎ、二度目の桜が咲こうとしています。思えば最初の顔合わせのとき、誰よりも声が大きく元気すぎるその笑顔に、一抹の不安を覚えたことを思い出します。経験があまりないという演技は大丈夫なんだろうか。テレビ出演に忙しくて役作りできるのだろうか。しかし、そんな不安もすぐに払拭されました。吐夢という複雑な人間の内面を理解しようと、長い時間話し合ったのを覚えています。生と死、愛の確認と存在、そして人間の孤独。スリラーという娯楽作に込めた私の思いを、見事に吐夢というキャラクターに命を吹き込むことで表現してくれました。映画作家として、これに勝る喜びはありません。

そして、年々減っていくオリジナル映画をお客さんを巻き込んで盛り上げてくれたこと。映画は見ていただいたお客さんのものであることを再認識しました。映画に一喜一憂していた自分の“映画少年時代”を重ね、映画への思いを再び強く持つようになりました。

出会ったときの不安要素であった佐久間くんの明るさも、今はないと逆に不安になってしまうようになってしまいました。人間は現金なものですね。映画は疑似家族であり、出会いと別れと再会の場であると信じています。出会わせてくれた映画と、ここまで作品を応援してくれたお客様と、そして佐久間くんに感謝しています。本当にありがとう」という言葉が送られると、佐久間は「うれしい」と照れ笑い。

続けて、「拝啓、土屋太鳳さま。 撮影、そして公開まで長い長い時間を、季節の移り変わりを、この『マッチング』とともに歩んでくれましたね。等身大の女性像である主人公・輪花を演じるにあたり、想像を絶するほどに身を削ったことでしょう。俳優が映画にとってどれほど大事なのかを、日々険しくなっていく太鳳ちゃんを見ながら教えられた気がします。

同時に、カメラの外での俳優の重要さも太鳳ちゃんから学びました。一つの家族とも言える映画の現場。長い共同時間と過酷な創造性が求められる撮影において、やはり主演俳優が与える安心感が『マッチング』という家族を支えたのだと思うのです。スタッフへの心遣い、現場の100人近い人間のモチベーションのキープ。自らの役作りが大変な中、太鳳ちゃんの存在は本当にありがたかったし、感謝しかありません。良い演技だけでは良い映画は作れない。疑似でしかない家族に血を巡らせることこそ、映画における一番難しい部分であり、それを率先してやってくれましたね。

土屋太鳳が作ってくれた家族は、俳優の結束を生み、作品を生み、たくさんのお客さんを巻き込み、今や大家族となりました。映画が持つ力を見せてくれてありがとう。そして、公開までの間に、太鳳ちゃん自身にも新しい家族ができたこともなんとも喜ばしく、我が身のようにうれしい気持ちでいっぱいです。またいつの日か、再び土屋太鳳の元気とパワーで私の映画に血を巡らせてくれる日を心待ちにしています」と伝えられると、土屋は目を潤ませ言葉を噛み締めていた。

■佐久間は何枚にも渡る手紙を「気付いたら4ページ書いてました」

続いて「どうやって(書き)始めようと思ったけど、気付いたら4ページ書いてました」と、ファン、スタッフへの感謝と土屋、内田監督へのそれぞれの言葉を4ページにもわたって綴ってきたという佐久間。

「現場で改めて、太鳳ちゃんの人柄や、自分の役や周りの人に対して、いつも誠実で一生懸命に向き合っていく姿勢が本当にすてきで。先頭で旗を振ってくれる姿は、まるで“令和のジャンヌ・ダルク”のようで、あの大きな背中に勇気をたくさんもらえました」と読むと、土屋がジャンヌ・ダルクをまねる一幕も。「太鳳ちゃんがかっこよすぎて、僕にとって憧れの役者さんになりました」と尊敬の念を伝えた。

そして内田監督へは「僕は最初に関わる監督が内田監督で本当に良かったと実感しています。監督が作り上げる世界観が好きです。そして役者を信じてくれて、自由にアプローチしたものを積極的に取り入れてくださる。否定がないからこそ、役を愛することに没頭できたなと感じています。また監督の作品に呼んでもらえるように、これからもっと力をつけて昇進します」と感謝と意気込みを伝えていた。

■「この手紙を書き始めた瞬間、吐夢の気持ちが分かりました」

最後に土屋は、内田監督へ「この手紙を書き始めた瞬間、吐夢の気持ちが分かりました。吐夢はもっと会いたいから来てしまうのではない。もう会えないかもしれないと思うから、来てしまうのですね。私は今、吐夢と同じ気持ちです。内田監督組とまたお会いできる日は来るでしょうか。お仕事をご一緒したいなんておこがましいことは言いません。また楽しい話をたくさんできたらうれしいです。そして、生きていて良かったと思える時間をご一緒できたらうれしいです」と感謝の気持ちを。

佐久間へは「12年前、初めて舞台で拝見した佐久間さんは、まるで火の玉のようでした。私がその姿を忘れられないように、佐久間さんは本当にいろいろな姿を、たくさんの人の心に刻みながら生きて来られたと思います。そして今また、新たに佐久間さんは吐夢とともに時を越えようとしています。吐夢の痛みは時代を超えて、愛情とは一体何なのか考える種を蒔き続けることでしょう。吐夢がこれほど切ないのは、演じる佐久間さんご自身が、愛情の正体を分かっていらっしゃるからだと思います。金子さんと一緒に、温かい愛情を少年のように真っすぐ現場に注いでくださいました。本当に救われました」と伝えた。

佐久間はそんな土屋の言葉に「すてきだわ〜」とコメント。内田監督も「良い舞台あいさつだったね。こういう話は現場ではしないので、とても良い日になりました」と顔をほころばせ、佐久間から「最初はあんなに恥ずかしがっていたのに!」とツッコまれていた。

映画「マッチング」感謝御礼舞台あいさつより/※ザテレビジョン撮影