核保有国でも運用国は限られる。

運搬車両に載せたまま発射できるICBM

インドの防衛研究開発機構(DRDO)は2024年3月11日大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「アグニV」を多弾頭化した状態での発射実験が成功したと発表しました。

ひとつの弾道ミサイルに複数の核弾頭を装備し、複数の目標を攻撃できる搭載方式を「MIRV(マーヴ:Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle)」と呼びます。このタイプの搭載方式のミサイルは、アメリカ、フランス、中国、ロシアしか製造技術を有しておらず、戦力化されれば史上5か国目となります。

なおDRDOは、今回実験に使用したMIRVに関して、他の国の技術供与を得ていない独自開発であることを強調しています。

通常の核弾頭搭載型の「アグニV」は2018年に実験が終了し、実用段階に入ったといわれているICBMです。射程は5000~6000kmとされており、中国全土や日本も射程内となります。発射管(キャニスター)に搭載したままの発射が可能で、運搬車両に車載したままでの発射実験も2018年12月に行い、これを成功させています。

パレード用に牽引される初期型の「アグニV」(画像:インド国防省)。