中川大志染谷将太上白石萌歌、森田想、古舘寛治、平原テツ、中嶋朋子、窪田正孝、そして堤真一が出演し、「ほつれる」「わたし達はおとな」の加藤拓也が監督と脚本を手掛ける「滅相も無い」が、4月16日よりMBS/TBSのドラマイズム枠で放送されることが決定した。あわせて、巨大な"穴"と、映像と舞台、SF、アニメーションが融合した世界観を映した特報(https://youtu.be/5AVSYsKPDL4)が披露された。

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日本に突如、7つの巨大な穴が現れる。ビルより巨大な穴、雲を突き抜ける穴、都会の真ん中に現れた穴……。様々な調査が行われたが、穴の正体はわからないまま。やがて人々は、穴とともに暮らし始める。穴に入る者も多く存在したが、帰ってきた者はいない。そして、穴を神とする小澤(堤)が現れ、「穴の中には救済がある」と説く。

12月1日リゾート施設に8人の男女が集まった。川端(中川)、菅谷(染谷)、松岡(上白石)、青山(森田)、渡邊(古舘)、真吾(平原)、井口(中嶋)、そして岡本(窪田)。彼らは小澤をリーダーとする団体の信者たち。小澤の説くルールでは、穴に入る前に、「なぜ入ろうと思ったか」を話し、記録しなければならない。緊張の中、1人目の川端が話を始め、超常の中で8人の密やかな人生の一部分が打ち明けられていく。

監督・脚本を担う加藤は、第67回岸田國士戯曲賞、第30回読売演劇大賞演出家賞部門優秀賞を受賞。世界を変える30歳未満として「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」に選出されるなど、舞台作家として注目を浴びている。映像でもNHK「きれいのくに」で第10回市川森一脚本賞を受賞し、監督・脚本を手掛けた映画「ほつれる」も国内外で高く評価された。連続ドラマで全話脚本・監督に挑むのは本作が初となり、演劇と映像を交差させた完全オリジナルのSFヒューマンドラマを作り上げる。

撮影は、演劇的手法と映像的手法をミックスした試みが多数取り入れられ、信者8人の会合シーンはロケーション撮影が行われたが、それぞれの人生はスタジオセットのみで語られていく。6人のスタジオキャスト(秋元龍太朗、安藤聖、鳥谷宏之、中山求一郎、宮田早苗、安川まり ※50音順)が全話を通して約150役をこなし、両親や友人など、語り手の人生にまつわる登場人物を演じる。セットチェンジ早着替えもスタジオキャストが映像内で行い、編集に頼らないリアルタイムでの場面転換を試みた。劇伴音楽を担当するUNCHAINもスタジオセットで実際に本人役として出演し、キャストの芝居に合わせた音楽を奏でる。オープニングはイラストレーター・若林萌が担当する。

ドラマイズム「滅相も無い」は、4月16日よりMBS(24時59分~)、TBS(25時28分~)ほかで放送スタート。放送後には、TVerMBS動画イズムにて無料見逃し配信される。

キャスト陣と加藤監督のコメント全文は以下の通り。

中川大志

SFとリアルが混在し、現実と非現実の境目が分からなくなる、この作品の世界観に惹き込まれ、自分も是非参加したい。と胸が高鳴りましたが、その繊細で絶妙なラインを表現する事は、僕にとって簡単ではありませんでした。

加藤さんから頂く言葉の中にあるヒントを少しも逃さぬよう、そして巧みな共演者の皆様に飲まれぬよう、必死に過ごした時間はとても濃密で、ヒリヒリしました。

染谷将太

苦しかったり、苦かったり、つまづいたり、浮き足立ったり。人類の四苦八苦を見事に加藤拓也氏が1つの箱に閉じ込めて、それを穴へ突っ込んでくれました。

このドラマの出来事は、皆さんの人生の中には無さそうに感じつつも、いや?これはなんか心のひだに触れてくるぞ?いや?これはもはや自分の事か?という物事が繰り広げられています。

その沢山の匿名性がある感情に浸って頂けたら、とても有意義な時間を加藤氏から貰えるのではないかなと思っております。何せこのジェットコースターのようなリズムを感じてもらい、沢山のモノを感じて頂きたいと願っております。

上白石萌歌

松岡役を演じさせていただきました上白石萌歌です。まずは、ずっと憧れ続けた加藤拓也さんの世界に飛び込むことができたこと、心から幸せに思います。加藤さんの作り出す世界にはいつもなんとも言い表せないような不思議な引力があり、拝見するたびに私の心に新たな風を吹かせてくださいます。

私たちの日常の延長線上にあるようで、どこか果てしなく遠い場所にいざなわれるような、唯一無二の質感。リアリティとフィクションとが交差する世界観に、いつも身ごと持っていかれそうな心地のよい危うさが好きです。

生きていくなかで避けては通れない苦しみや葛藤と私たちはどう向き合っていくべきなのか、考えを巡らせながら演じました。早くみなさまにもこの「滅相も無い」を体験してほしいです。お楽しみに!

【森田想】

青山役を演じました、森田想です。再び手元へやってきた加藤さんの書く言葉は、わざと見過ごしていた痛みや苦しみを掬い上げてあっけらかんと突きつけてくる、恐ろしくて笑ってしまうほどに。当たり前にこちらの想像力では到底辿り着けない場所に立たされ、まるで感情単体が自分から放り出されるような本当に不思議な感覚を抱きました。

そして、小さな存在の私にとってはあまりに彩り豊かな先輩方とリレーのように物語を運べたことは心を刺激される贅沢な経験でした。負った傷や後悔を背負い続け、思い通りにならない人生と欲の正体に向き合っていくことが出来るのなら、この作品を観て耳が熱くなる瞬間があるはずです。楽しみにしていて下さい。

【古舘寛治】

加藤くんという才能溢れた作家と若い俳優たちとの仕事は楽しかったです。

しかし半屋外の豪華邸宅で寒さに耐えながらの長時間の撮影は最年長者のおじさんにはなかなか大変でした。スタジオパートもセリフが多くて、覚えたつもりでも忘れてゆく脳みそと必死に闘いながら頑張りました。おじさんはいつも必死です。

いい作品に仕上がってたらいいな~。出来上がりが楽しみです。

【平原テツ】

最初、このお話を頂いた時にドラマで加藤拓也くんの作品に関われる事、そして素晴らしいキャストの方々と共演できる事に興奮しました。

加藤くんの脚本はファンタジー要素はあっても、結局は人間そのものを描いていて、観る人に何かしらあてはまったり、「あぁ~何かわかるわその感じ」と共感出来るんじゃないかと思います。 演出も俳優の感じたまま演じさせてくれて、演技のすり合わせもスムーズで本当にやりやすい。

共演者の方々とも少ない時間でしたが、現場で楽しく作品づくりに没頭出来ました。各人物の色々なストーリーを楽しめる素晴らしい作品になっているので、是非ご覧になってください。

【中嶋朋子】

それは、心地よい違和感と、得も言われぬ親和性が共存する世界観。未体験なのに、妙に肌馴染みの良さがある――。まったくもって、奇妙な体験なのです。

初めて脚本を読んだ時から、撮影の間も、撮影を終えてしまった今も、なんだか静かに興奮しています。誰かとシェアしたいけど、非常に個人的な感覚のような気もしていて、なにやら胸がドキドキします。大人になって、こういう気持ちになったことって、あったかなぁ。 早く誰か、「滅相も無い」という体験を共有出来る人が現れてくれないものかと、実は密かに待っているところです。

窪田正孝

加藤くんとまた仕事ができて心底嬉しかったです。脚本も演出も斬新でとても刺激的な現場でした。

日常に突如巨大な穴が現れて、それがどこに繋がってるかも分からない。天国なのか地獄なのか。その人にとって都合のいい理由でいつでも入ることができる穴が存在したら人にはどんな心理が働くのか。清算したい過去、トラウマカルマ、人間の真髄が描かれた群像劇をお楽しみください。

堤真一

加藤拓也監督の独特の感性が詰め込まれた、とにかく不思議な作品なので、撮影に入るまでも悩む日々が続いたんですが、楽しく撮影することができました。でもきっと登場人物たちに共感できる部分がたくさんあると思うので、物語をどう解釈するか、自分たちだったらどうするか、そんなことを考えながら観ていただけたらと思います。

とにかく、出来上がりをすごく楽しみにしています。

【監督・脚本:加藤拓也

映画や演劇を作ってきましたが、演劇をやれば映像的だ、映画をやれば演劇的だと言われることに嫌気が差し、今回はそのどちらの手法をも持ち込み、そのどちらでもない『滅相も無い』というドラマを作りました。映画的、演劇的の定義がハッキリとしている前提です。

このドラマに集まってくれた俳優、スタッフ、それから2023年2月、松本市で演劇をしている時に会いに来てくれたプロデューサー達のおかげで、このドラマは産まれることができました。この場を借りてお礼申し上げます。そしてこれから観客の皆さんも最後までお楽しみください。

豪華キャストが勢ぞろい! (C)「滅相も無い」製作委員会・MBS