あなたの周りに、やけに女性に対して横暴な“威張りん坊”の男性はいませんか? この男性の威張り体質。実は「防衛規制」の表れと考えられるのです。

 防衛規制は精神分析学者フロイトの概念で、欲求が満たされないとフラストレーションが生まれ、このフラストレーションから自分を守るために無意識のうちに取ってしまう対応のことをいいます。

 その対応のひとつとして、自分をどんどん強い何かと思い込んで「同一化」していくという思考・行動があります。自分にとっての強い何かとは、“自信に満ち溢れ、すべての男性の中の頂点に立ち、世界を制覇しているアニメのヒーロー”のようなイメージです。

 そのイメージのような自分になりたくて屈折した方向に陥り、威張りん坊というやり方をしてしまう……。それが、防衛規制の心的状況なのです。

 本当は弱い。だけどそれを見せたくはない。「ほら、俺ってこんなに強いスゴい奴でしょ」という態度を示したい。弱い自分の心を保ちたくて威張っているのです。自分を認めて欲しい。強いねと認めて欲しい……。そんな「承認欲求」の表れともいえます。

 つまり、とても弱い人間なのです。弱くて世間が怖くてたまらないのです。でも、威張ってバリアを張って何とか強そうに見せて頑張っているわけですね。

 では、そんな男性を気持ちよくさせてあげて、楽しく恋を続けるにはどうすればいいのか?

 それは“よいしょ”です。「そうね、あなたの言う通りね」「とてもよく分かるわ」などと全面的に肯定してあげると、カレはホッとして穏やかな気持ちになります。こうして相手の思い通りになってあげて気持ちよくなってもらうことを「従属の効果」といいます。

 従属の効果がうまく出た場合、カレは承認欲求が満たされ、穏やかでほのぼのした状態に変化していきます。そして、あなたと一緒にいるとハッピーになれると感じ、あなたに対して本音や弱みを見せたりするようになります。

 そのときも、決して相手を否定しないでください。ちゃんと話を最後まで聞いてあげてください。そうすることで、だんだんとあなたに対する威張りん坊なところはなくなっていく可能性が高いです。

 何ともやっかいな相手ですが、多かれ少なかれ男性には威張りん坊なところがありますから、うまくおだてていい関係を築いてくださいね。

安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。自己肯定感アップ術や詩作、色彩心理学を通したセラピーの他、姿勢改善や呼吸法、ストレッチやダイエット術など心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。食育インストラクターやパンシェルジュ(パンの資格)を持ち、恋に効くモテボディのためのレシピも考案。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCなども。インスタ「恋に効く詩の世界」が人気。

アサジョ