人間だけでなく動物も、極度の肥満は命の危機につながる。外で飼育され、飼い主が与えた残飯を食べていた8歳のゴールデン・レトリバーは極度の肥満により健康状態を害してしまった。
飼い主が犬を見捨て、安楽死させようとしていたところを動物保護施設が保護した。その悲惨な状況を知り、すぐに行動に移したのは獣医師を志す女子学生だ。
獣医学生はその犬を引き取り、二人三脚の減量作戦を開始した。彼女の熱意と愛情と根気強さは犬に伝わったようで、立つこともままならなかった犬が、少しずつ動けるようになった。
【画像】 劣悪な環境で飼育放棄された肥満のゴールデン・レトリバー
今年に入ってすぐ、カリフォルニア州に住む獣医学生のアニカ・ブラムさん(24歳)は、ゴールデン・レトリバーのフラニー(8歳 メス)を引き取った。
出会った時のフラニーは自分の力で立つことができないほど極度の肥満状態にあった。
フラニーは外飼いされており、餌は人間の残飯だったという。コンクリートの上で寝ていたため、足には大量のタコができていた。
劣悪な飼育環境により、甲状腺機能低下症を患い、尻尾が脱毛状態にもなっていたが、飼い主は一度もフラニーを獣医に診せることはなかったそうだ。
2023年12月8日、ロサンゼルスを拠点とする犬の保護団体「Rover’s Retreat」は、飼い主が安楽死を希望している犬がいるとの情報を受け、フラニーを保護することに成功し、SNSでフラニーの窮状を訴えた。
[もっと知りたい!→]だってかわいいから...小学校の番犬、子供たちが餌を与えすぎた結果極太サイズに。ダイエット警報が発令(台湾)
フラニーには愛情を注いで献身的に世話をしてくれる人が必要だったのだ。
This Golden Retriever who was obese and couldn't stand has undergone an incredible transformation and now loves chasing tennis balls! ❤️🎾
— Good Morning America (@GMA) March 4, 2024
"She has so much love to give," her foster mom Annika Bram said. https://t.co/3XrStm1ZNu pic.twitter.com/DRuUKW8mIn
フラニーの窮状を知り、すぐに保護した獣医学生
この投稿を見たブラムさんは、すぐにフラニーを保護しようと決めた。
偶然にも、ブラムさんは以前引き取ったゴールデン・レトリバーのジョージアが肥満だったことから、70kg超あった体重を5年間で約40kgまで落とすのに成功させた経験があった。
ジョージアを失くして1年後、フラニーの投稿を見たブラムさんは、この巡りあわせはもしかしたらジョージアのお導きかもしれないと、Rover’s Retreatに連絡した。
フラニーを引き取り二人三脚で減量作戦開始
3時間かけてサンディエゴに向かったブラムさんは、ついにフラニーと初対面した。
カリフォルニア大学デイビス校獣医学部の学生であるブラムさんは、フラニーを見たとき「完全に敗北しているようだ」という第一印象を抱いたという。
安楽死寸前で精気を失っているフラニーは56.6kgもあり、メスのゴールデンの標準体重の2倍になっていたそうだ。
里親になったブラムさんはフラニーに第2のチャンスを与えたいと、愛情こめて必要なケアとサポートを提供する決心をした。
もちろんこれはフラニーの協力がなければ成し遂げられない。フラニーも彼女を信頼し、二人三脚でのダイエット作戦が開始されたのだ。
見た目だけでなく性格にも変化が現れる
最初、フラニーはとても重く、自分の体を支えることができなかった。
そのためブラムさんはフラニーが安全に体重を足に戻すことができるように、木箱の上に座らせた。
このようなリハビリ活動にくわえて甲状腺の薬物治療、厳しい食事制限のおかげで、フラニーの体重は落ち始めた。
それだけでなく、体重が減るにつれて輝くような犬の性格が現れ始めたのだ。それは、フラニーが長い間内側に隠していた本来の素晴らしい性格だった。
フラニーは、保護した当初とはまったく違う犬になりました。
毎日、彼女の個性が出てくるんです。その個性は長い間フラニーの内に隠されていたのです。
2月末、フラニーは久しぶりに走ることができるようになっていた。普通の犬がするように弾むテニスボールを追いかけた。
フラニーは徐々に散歩する距離も伸び、3か月で14kg減量することに成功し、800mも歩けるようになったという。
フラニーの変化を見守るうちに強い絆を育んだブラムさんは現在、仮里親ではなく家族に迎え入れようと養子縁組を申請している。
現在もダイエットを続けるフラニーだが、体重が落ちて前よりも動けるようになったため、さらに散歩の距離を伸ばし、運動することができるようになったそうだ。
ブラムさんによってフラニーの経過がシェアされているインスタグラムアカウント『frannies.fight』には、多くの人から激励のコメントが寄せられている。
References:Vet Student Takes Neglected Golden Retriever on Weight Loss Journey, Thousands Flock to Insta to Watch/ written by Scarlet / edited by parumo
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