主砲トラウトを中心に新たな時代を生み出そうとしているエンゼルス。大谷がチーム去った影響は計り知れないが……。(C)Getty Images

 今年は例年よりも“静かな春”を過ごしている。いまや“時の人”となった大谷翔平ドジャース)の古巣エンゼルスだ。

 昨年12月にドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の超巨額契約を締結した大谷。そんな彼の一挙手一投足はグラウンド内で大きな注目を集め、先月29日に結婚を発表した田中真美子さんとの馴れ初めなど、ワイドショーでも話題とならない日はない。

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 一方でエンゼルスはというと、今のところ目立った補強もないせいか、大きな話題は聞こえてこない。今春のキャンプインの際には「オオタニのために来ていた50人の記者が、今年はたった3人になった」(米専門サイト『Halos Today』)と報じられ、日本でも二刀流スター流出の影響としてトピックとなった。

 8年連続でポストシーズンを逃しているチーム状況を考えれば、必然なのかもしれない。もっとも、選手たちは外部からのプレッシャーがない春を好意的に捉えてもいる。チームの本音に迫った米スポーツ専門メディア『The Athletic』によれば、先発左腕のパトリック・サンドバルは、自身への質問を1つ聞かれた後に、大谷に関する10以上の質問を受けることを「奇妙に感じていた」と告白。さらにベテラン守護神のカルロス・エステベスは、経験の乏しい若手への影響があったと指摘する。

「時々、選手たちが、多くのメディアに怖気づくこともあったんだ。若い選手たちの中には『邪魔にならないように避けよう』と考えていた連中もいたよ」

 この選手たちの指摘に対して、『The Athletic』のブリトニー・ギロリ記者は自身のX(旧ツイッター)で「選手たちは、“もうここにいない男”の話題に飽き飽きしている。9WARの選手を失うことより、差し迫った問題がチームにはある」と、エンゼルスが“脱・大谷”に歩み出していると論じた。

 開幕前の時期は、良くも悪くも平凡だった。そうしたなかで、主砲マイク・トラウトらベテラン陣と伸び盛りの若手によるケミストリーを生み出そうともがくエンゼルスは、“大谷時代”にできなかったポストシーズン進出の夢を果たせるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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