阿部監督は大勢につなぐ”リレー”に誰を抜擢するだろうか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 昨シーズン、救援防御率リーグワーストの3.81だった巨人。理由の一つに6月下旬からコンディション不良で守護神の大勢が離脱したことで、救援陣がスクランブル態勢となり、7回、8回に投げる投手を固定できず、終盤にひっくり返される試合が目立った。

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 今シーズンこそは“勝利の方程式”の確立は必須だが、すでに阿部慎之助監督は大勢につなげるための青写真を描けているのかもしれない。ひとつのサンプルとして考えたいのが、14日のソフトバンク戦だ。7回にケラー、8回には中川皓太が登板して、どちらもスコアボードに0を刻んだ。また、9日のオリックス戦でも7回にケラー、8回に中川と同様に無失点リレーを見せている。

 現在、様々な救援陣を色々なシチュエーションで登板させているが、同じイニングに登板して、同じリレーで登板させていることを鑑みると、阿部監督としては7回にケラー、8回に中川という形も勝利の方程式として見据えているのではないかと予想される。中川は昨シーズンの防御率は2.08、WHIP1.06と優秀。昨シーズンまで阪神で2年プレーしていたケラーは、2022年こそ防御率3.31とまずまずの成績だったが、昨シーズンは1.71と飛躍。日本のプロ野球に対する順応力の高さを見せた。

 いずれも実績十分の投手であり、通算成績を見れば勝利の方程式としての起用はうなずける。昨シーズン、原辰徳前監督の悩みの種だった「大勢にどつなぐか」という課題への解決策に成り得る。

 そしてゲームを締めると期待される大勢はキャンプ中に右ふくらはぎ痛のために離脱して以降は、ファームでの調整が続いていたが、16日のイースタン・リーグ、楽天戦で今季初実戦に臨み、最速157キロをマーク。1回無安打無失点2奪三振と調整が順調に進んでいる様子で、次回の2軍登板で問題なければ1軍に合流予定だという。ルーキーシーズンのような圧巻の投球が戻ってくれば、ケラー、中川、大勢という充実のリレーも選択肢の一つに浮かぶ。

 果たしてV奪回のためにも必須となる2024年版「勝利の方程式」の顔ぶれは?阿部監督の決断が注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

巨人の阿部慎之助監督が見据える”勝利の方程式” 「7回ケラー、8回中川」はひとつの解答か