井上と中谷。世界のボクシング界で見ても有数の名ファイター同士の攻防に期待は膨らむ一方だ。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 実現すれば、日本のみならず世界的な注目を集めるマッチメイクとなる。巷でにわかに囁かれている、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)の対決だ。

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 もっとも、現時点で階級が異なる両雄が即座に対決することはない。スーパーバンタム級の“絶対王者”として君臨する井上は、24年内は同級での防衛戦3試合を行うと明言しているが、先月24日にアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回KO勝ちを果たして王座についた中谷も他団体王者との統一戦を「最優先」の目標としている。

 両者の近況をふまえても対峙するのはまだ先。さらに言ってしまえば、実現するかも分からないカードだ。しかし、日本が生んだ偉才ファイターによる至高の勝負は、ボクシング関係者たちの想像をも駆り立てる。米YouTubeチャンネル『210BoxingTV』で、数多の名手を育てたトレーナーのロベルトガルシア氏は、「見てみたいよね」と指摘。日本人ファイター同士の対決実現に期待を寄せた。

 元5階級制覇王者のノニト・ドネアフィリピン)ら数々の名手を指導してきた敏腕トレーナーであるガルシア氏は、中谷を指導するルディ・ガルシアトレーナーとも旧知の仲。ゆえに「ルディが言うには彼は122パウンド(スーパーバンタム級)に上げるみたいだ。そして、すぐにとは言わないが、2、3試合を戦ったうえで、彼らはイノウエを狙うつもりだ」とコメント。そのうえで、激闘を占った。

「素晴らしい試合になるさ。たしかに今のイノウエは無敵で彼を倒せる奴はいない。でも、ジュントは挑戦する。彼も十分に強い。イノウエはしばらく122にとどまるだろうから、ジュントが2回ぐらい防衛して上の階級に行けば、戦えるかもしれない。イノウエの弟(井上拓真)が118(バンタム級)のチャンピオンだからジュントは、どこかで彼を倒す必要がある。そうしたらイノウエが『弟を倒したやつを連れてこい』ってなるんじゃないかな」

 喜色満面の表情で「東京で大きな試合が開かれる。これは凄い試合だってねるはずだ」と語ったガルシア氏。果たして、百戦錬磨の名トレーナーも期待を寄せるメガマッチは実現するのか。両雄の戦いの行方が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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