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 アメリカ・バージニア州で、生まれたばかりの子猫が救出された、と思ったらなんとそれは生後数日のキツネの赤ちゃんだったのだ。

 アカギツネの赤ちゃんは、野生生物センターに連れてこられた。

 センターの職員はキツネの赤ちゃんが野生に戻って暮らせるように、人間に慣れさせないよう、キツネのマスクを被ってミルクを与えて世話をしている。

 赤ちゃんは、旺盛な食欲を見せてすくすく元気に育っているようだ。

【画像】 子猫と間違われたキツネの赤ちゃんを保護

 今年2月、バージニア州リッチモンドのSPCA(動物保護非営利団体)に生まれて24時間しか経っていないキツネの赤ちゃんが持ち込まれた。

 当初は子猫だと思って保護されたそうだが、よく調べてみるとアカギツネの赤ちゃんだということが判明し、SPCAは同州にあるリッチモンド野生生物センターに預けることにした。

 連絡を受けてアカギツネを保護した同センターは、Facebookで支援を呼びかけた。

このアカギツネが一匹で生きられるまでお世話し、野生に戻したいと思っています。皆様のご支援をお願いします。

 施設の職員は、幼いキツネが再び野生に戻っても生きていけるよう、その準備をして世話していくことを決めたのだ。

キツネの被り物を装着した職員が世話

 いずれ野生に帰るかもしれない赤ちゃんギツネの世話にあたって一番重要なことは、人間に慣れさせないことだ。人間に慣れてしまったら、野生に戻っても警戒心を抱かずに近づいてきてしまう。それは非常に危険だ。

 Facebookは支援を呼びかけるために、次のような投稿をしていた。

[もっと知りたい!→]「出会いと別れ」 傷ついてボロボロになっていたキツネの子を保護して野生に帰すまでの記録映像

Amazonに、大人のキツネのぬいぐるみとアカギツネの被り物があったのでのウィッシュリストに入れておきました。これでキツネのお母さんのふりをして授乳したり、囲いの中でぬいぐるみと赤ちゃんが寄り添ったりすることができます。

赤ちゃんギツネを野生に戻すにはこれは必須アイテムです。ご協力よろしくお願いします

 これにより、早急に同センターにキツネのぬいぐるみとキツネの被り物(マスク)が寄付された。

 同センターの職員はすぐにそれを装着して、赤ちゃんギツネにミルクを与えた。

 2月29日に到着した赤ちゃんギツネは、どうやら食欲旺盛で元気な様子で、ゴクゴクと音を立てて美味しそうにミルクを飲む姿は、本当に愛らしい。

 一方キツネのマスクを被った職員はというと、人間的には違和感があるが、キツネの赤ちゃんが驚かないのならこれが正解なのだろう。

 Facebookで、同センターはこのようにシェアしている。

この子の体重はわずか80グラムで、歯は生えておらず目は開いておらず、聴覚も発達していませんが、この子が目を開けたときのために準備を整えておく必要があります。

私たちは、この赤ちゃんギツネが最初に目にするものが同じキツネであることを望んでいます。

たとえ、この子の実際の親やきょうだいではなかったとしても。

 さらに最新の更新で、キツネの赤ちゃんを世話する別の施設にこのキツネを送ることを検討していることを明らかにした。

私たちは、私たちのキツネと同じ年齢と体重のキツネの子供を見つけることができました。

その子ギツネをこちらで譲り受けるべきか、それとも私たちのこの赤ちゃんギツネを子ギツネたちのいる場所に譲渡すべきか検討中です。

いずれにせよ、この赤ちゃんギツネにとって、同年齢の他のキツネと一緒になることが最善の利益なのです。
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野生生物を発見したときの対応に注意喚起

 同センターは、このキツネを発見した人たちが 猫と間違え、"素手 "でキツネを扱ったことを明らかにし、伝染病への感染に対して注意喚起を促した。

あらゆる野生動物扱う際には、適切な保護具を着用するようお知り合いにお伝えください。キツネのみならず野生動物には、人間にもうつる様々な感染症を持っている可能性があります。
かわいくても、素手で触らないようにしましょう

 現在は順調に成長しているという赤ちゃんギツネ、いつか野生に戻されたときにもしっかりと生き延びていくことができるよう、元気に育ってほしいとスタッフたちは願っている。

References:Here's Why US Wildlife Centre Staff Wears Fox Mask While Feeding Newborn / written by Scarlet / edited by parumo

 
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