1985年阪神タイガース優勝時、大阪・道頓堀川に姿を消した“カーネル像”。それから24年の時を経て奇跡的に生還を果たし、大切に保管されてきたが、老朽化が進みこれ以上の保管が困難になったことから、このたび住吉大社大阪府大阪市)にて、人形納めが行われた。

このカーネル像は、もともとケンタッキーフライドチキン道頓堀店(※現在は閉店)に設置されていたもの。1985年阪神タイガース優勝の騒乱に巻き込まれ、道頓堀川に姿を消した。しかし、それから24年後に奇跡の生還。2009年6月25日に「おかえりカーネル」と命名され、また、長い年月を経ても変わらぬ笑顔で現れたことから“幸運の象徴”とも呼ばれるようになった。

道頓堀川から引き上げられた「おかえりカーネル」は損傷が激しかったものの、各イベント会場やKFC阪神甲子園店での展示などで広く一般公開したことも。その後は関西オフィス大阪府大阪市)の受付にて大切に保管され、実に15年もの間、KFCの広告塔として絶えず笑顔で時の流れを見守っていた。

しかし、老朽化が進み、これ以上の保管が困難になったことから、このたび、3月8日住吉大社にて「おかえりカーネル」人形納めを実施。当日は、日本KFCホールディングス代表取締役社長をはじめとした役員が参列し、神前に玉串をささげる玉串奉奠(たまぐしほうてん)などで「おかえりカーネル」へ感謝とお別れを告げた。お供え物には、御神酒に加え、オリジナルチキンを奉納するなど、KFCらしい式となった。




☆「おかえりカーネル」の歩み

1985年10月16日
阪神タイガースの優勝に熱狂した2〜3人のファンが、道頓堀店の立像を外国人選手(ランディ・バース)に見立てて胴上げを始め、さらに、10人程のファンが再度胴上げ。通りはファンで埋め尽くされており、止める声も届かないままに橋まで運ばれ、そのまま道頓堀川に姿を消した。

◎2009年3月10日
道頓堀川から24年ぶりに発見される。

◎2009年3月11日
元来の所有権は道頓堀店にあったが、すでに閉店していたため、日本KFCが引き継いだ形で大阪市と協議され、返還が決定。

◎2009年6月25日
NPO「文化財保存支援機構」による修復作業の姿を公開。奇跡の帰還を祝い“幸運の象徴”として「おかえりカーネル」と命名される。

◎2009年8月22日以降
大阪市内で実施されるイベント「水都大阪 2009」や、KFC 阪神甲子園店などで展示。他にも、奈良大学博物館の企画展に保存修復物の一例として貸し出し。

◎2017年2月27日
東京都渋谷区の日本KFC本社6階受付に設置されていたが、神奈川県横浜市へのオフィス移転のタイミングで、大阪府大阪市にある日本KFC関西オフィスへ移し、以降、社屋で展示。

◎2024年3月8日
老朽化によりこれ以上の保管が厳しいと判断し、住吉大社にて人形納めを実施。