初めての墜落事故

最近は海外へ売り込みも行っている国産戦闘機

インド国産の戦闘機である「テジャス」が墜落したと2024年3月12日インド国内メディアが報じました。同機は2001年に初飛行して以降、23年間墜落事故を起こしていませんでしたが、今回初めて機体が失われました。

現地報道によると、場所はインド北部ラージャスターン州のジャイサルメールでした。パイロットはベイルアウト(緊急脱出)し無事で、機体も学生寮から数メートル離れた地面に墜落したということで、地上での人的被害は出ずに死者は0人だったようです。インド空軍は即日、調査機関の設置を命じたといいます。

SNSではパイロットがベイルアウトする瞬間が目撃者により投稿されており、その動画では、着陸装置を開いたまま高度を下げ、ギリギリの高度で脱出する様子が収められていました。なお、射出座席はイギリスマーチン・ベイカー製で、同社は今回の事故を受け、パイロットが無事脱出できたということで、公式X(旧:Twitter)で同機に搭載されているシート「IN16G」の安全性をアピール。「マーティン・ベイカーさん、ありがとう」といったコメントのほかにも「大胆な宣伝方法」と反応するリポストもありました。

テジャス」は、2001年1月に初飛行し、老朽化により事故が多発していた旧ソ連製のMiG-21を退役させるために、国産戦闘機として量産される予定でした。しかし、量産体制を整えるまでには時間を要し、生産開始は2007年から、運用開始は2015年からと、かなり遅れました。

その後は量産体制も安定し、2021年1月には、改良型である「テジャス」Mk-1Aの調達も開始。MiG-21を退役させる目途もようやく立ち、2025年に「テジャス」へ完全に切り替わることになりました。

インドは同機の輸出も計画しており、2023年には何度かアルゼンチンに売り込みを行っていることが報じられています。

インド国産の戦闘機である「テジャス」(画像:インド空軍)。