現在、日本代表は千葉県内にてFIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選・朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)代表戦に向けたトレーニングを実施している。19日、FW浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)が報道陣の取材に応じ、今回の2試合での起用法やチームとして求められる姿勢などを語った。

 今回の日本代表メンバーには、三笘薫ブライトンイングランド)や伊東純也(スタッド・ランスフランス)といった、これまで日本代表の攻撃陣を支えてきたサイドアタッカーがそれぞれの事情で不在となっている。浅野が両サイドの2列目で起用される可能性も低くはないと見られるなか、「その2人が日本代表にとってすごく重要な選手だということは、誰もがわかっていることだと思います」と話すと、「それぞれが特長を持っている選手ですし、その2人に代わる選手はいない」と発言。続けて「ただ、その2人の代わりにピッチに立って、チームを勝たせられる選手は、このチームにいると思っています」と自身の考えを明かすと、両選手の“代役”という考え方ではなく、浅野自身の“色”を出して勝利に貢献することを誓った。

「僕としては、前でも右左でもどこでプレーすることになろうと、良い準備をするだけです。監督からは、常にどこでも考えているとは言われています。もし、僕がそのポジションで出ることがあれば、自分がやれることに集中する。特にその2人がいないから、代わりでプレーするという意識を持たずにプレーできれば、自ずと自分の特長を出せるかなとは思うので。そこに集中するだけかなと思います」

 今回の北朝鮮代表との2連戦では、相手が低い位置で守備ブロックを構える構図も想定されるが、浅野としては「スペースがなければないほど、僕にとっては難しい時間帯が増えるとは思います」と語る。「ただ、その中でも一瞬で相手の隙を突く動きなど、自分にできるプレーはあると思うので。マイナスなことは一切考えず、自分に何ができるのか。そこを考えて準備をしたいと思っています」と語った。

 26日にはアウェイゲームが予定されており、北朝鮮の平壌に乗り込むこととなる。国際情勢面での問題だけでなく、過去のアウェイゲームに限定した対戦成績では2分2敗かつ無得点と難しい試合を強いられてきたが、浅野はそんなアウェイゲームを前に重要なことは「心の準備」だと明かす。「とにかく、自分たちがやれることをピッチで表現するための準備するだけです」と語ると、21日に『国立競技場』で開催されるホームゲームを勝利し、アドバンテージを得て敵地へ乗り込むことへの意気込みも明かした。

「間違いなく、アウェイの試合はガラッと変わる。そのことを見据えて、心の準備はしています。ですが、それ以前に、僕自身は次の試合のことしか考えてないです。ホームでしっかりと自分たちがやれることをやって、勝つことができれば、勢いを持って相手の国に行くことができるのかなとは思うので。まずはそうなるための準備が大事だと思っています」

浅野拓磨は本職の最前線だけでなく、両サイド2列目で起用される可能性も [写真]=Getty Images