令和を生きるシニアの年金額や現役時代の収入、家族構成から貯蓄額まで、気になる年金事情について独自のアンケートを実施しました。今回は調査結果から厳選した17名の「年金受給額」と、現役時代の職業・年収や受給額に対する“ホンネ”など「8つの質問」への回答をご紹介します。
日本のシニアは実際にいくら年金をもらっているのか
登場人物 ・ゆめこさん(以下、ゆ)……大正時代からタイムスリップしてきた26歳女性。なぜか、現代社会にめちゃくちゃ詳しい。
ゆ:日本のシニアは実際にいくら年金をもらっているのか、気になりますよね。
そこで今回は、すでに年金を受け取っているシニアを対象に独自でアンケートを実施。
「皆さん年金いくらもらってる? 厳選16名のリアルな年金受給額を公開」というテーマでお送りします。
※リサーチ結果は当chの独自の調査結果になります。
アンケート内容
実施したアンケートの質問事項は以下の8項目※です。
※年齢・居住地等の質問を除く。
- 年金受給額は?
- 生活費として十分な額を受給していると思いますか?
- 周囲と比較して、自身の年金額をどう思いますか?
- 何故そう思いますか?
- 現役時代の職業は?
- 現役時代の年収?
- 現在の就業状況?
- 上記の収入源?
1人目:千葉県在住Aさん(74歳・男性)のパターン
単身世帯
貯蓄額は、1,000万円くらい
年金受給額
約70,000円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
自分より受給額の多い友人知人が多い。現役時代の給与が少なかったのが理由と思う。
現役時代の職業
正規の地方公務員として37年間勤務。
現役時代の年収
現役時代の年収は、平均すると約600万円
現在の就業状況
老齢年金の他に共済年金を1ヵ月当たり約14万円支給されていますが、生活費が不足してしまい貯蓄を切り崩して生活しています。再就職やアルバイトはしていません。
■ゆめこさんのコメント
正規の公務員として勤めあげていながら、年金受給額が少なく、共済年金分を合わせても生活費を賄えてないのはつらいですね。貯金1,000万円が頼みの綱です
2人目:神奈川県在住Bさん(65歳・女性)のパターン
長男38歳と現在2人世帯。長女41歳は近場で1人暮らし
貯蓄額は、1,200万円くらい
年金受給額
97,000円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
支払った全期間の半分は国民年金、半分は厚生年金だったので、完全に国民年金だけの人よりは多いが、給与が低かったので厚生年金分を多くはもらえてない
現役時代の職業
事務員として25年勤務、うち20年は正社員、5年はパート、63歳で退職
現役時代の年収
現役時代の年収は、260万〜300万ほど
現在の就業状況
単発で、年に一週間くらい、派遣の仕事が入る時がある
長男と同居しており家計を補助してくれている。また、若い頃からかけていた個人年金があるので今のところ仕事をしなくても生活ができている
上記の収入源
選挙の期日前投票所での受付業務を、時給1300円、1日5時間行っている
■ゆめこさんのコメント
老齢年金の少なさを、個人年金でうまくカバーしていますね。長男と同居して家計を2人で支えていることも安心材料となっています
3人目:岐阜県在住Cさん(67歳・女性)のパターン
家族構成は、兄と2人暮らし。
貯蓄額は、15万円くらい。
年金受給額
約13万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
40年くらい正社員として働いてきたのでそれなりの金額だと思いますが……
現役時代の職業
物流業に正社員として35年勤務。その後、期間雇用で10年勤務しました
現役時代の年収
400万ほど
現在の就業状況
年金月13万円くらいなので贅沢しなければ生活できますが、貯金はできないし病気など突発的な支出があったときに対応できないのでアルバイト等に応募しています。ですが年齢のせいか採用されません……
■ゆめこさんのコメント
地方在住で年金13万。ギリギリ生活費を賄えている状態です。生活費のために仕事をしたくても、シニアはアルバイトで採用されにくいという現実があり、深刻な社会問題となっています
4人目:沖縄県在住Dさん(73歳・女性)のパターン
家族構成は、夫、長女、次女。
貯蓄額は、0円
年金受給額
61,153円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
現役時代の職業
正社員で会社員として10年勤務。パートタイムで18年販売員として勤務しました
現役時代の年収
平均すると150万円
現在の就業状況
娘達から6万円の補助をもらっていますが、全然足りません。年齢的に働く場所が無く、働いていません。
■ゆめこさんのコメント
令和のシニア女性は結婚後、正規雇用の仕事を寿退社し、その後はパートタイムで働いていた方が多い世代です。夫の扶養からはずれないために稼ぎすぎないよう調整した結果、自身が受け取る年金が非常に少ない傾向にあります
5人目:埼玉県在住Eさん(63歳・男性)のパターン
家族構成は、配偶者と子ども1人
貯蓄額は、2,000万円くらい
年金受給額
約28万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
多い方だと思う
何故そう思う?
正社員で働いていたときの給与が高い方だったため
現役時代の職業
金融会社に正社員として41年間勤務。63歳で退職
現役時代の年収
平均で1,000万円ほど
現在の年金以外の収入
株式投資をしている。配当金が年間合計200万円以上になるように運用している
■ゆめこさんのコメント
現役時代、高所得サラリーマンで年金月約28万とはお見事! 貯蓄が「老後資金2,000万円問題」をクリアしているうえ、株式投資で年間の200万円の収入の見込みとはあっぱれです!
6人目:埼玉県在住Gさん(63歳・女性)のパターン
家族構成は、主人、息子2人、娘3人
貯金は、ありません
年金受給額
約1万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
高校卒業後に就職、9年で結婚により寿退社。主人の扶養に入るが収入が安定せず、年金の保険料を払えていなかったので
現役時代の職業
保険会社に正社員ろして9年間。その後専業主婦を14年間。スーパーのパートを9年間。クリーニング店のパートを13年間。
現役時代の年収
平均で300万ほど
現在の就業状況
クリーニングのパート代として月7万円程。時給は1,000円
年金は無いも同然なので、主人はコンビニ、私はクリーニング店でそれぞれパートをしています。
■ゆめこさんのコメント
現役時代に保険料の支払いができなかったため、受給年金額がほとんどなく、切り崩す貯金もないという厳しい状況です。夫婦ともにどれだけ長く働きつづけることができるかが重要です。
7人目:東京都在住Hさん(69歳・男性)のパターン
家族構成は、私と配偶者(妻)の2人暮らし。
貯蓄額は、3,000万円くらい
年金受給額
約23万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う。
何故そう思う?
私の周囲の友人(元・同じ会社の同僚)はみんな私より出世していて、現役時代の所得が私よりも多かったからです
現役時代の職業
都心に本社を構える製薬会社の研究開発部門に、正社員として37年間勤務
現役時代の年収
平均すると大体900万円前後だと思います
現在の就業状況
一応普通の生活をする分には困らないので、不慮の状況が発生し、生活に支障が生じない限りは2度と働きません
■ゆめこさんのコメント
元高所得サラリーマンで年金受給額が高いうえ、子どもがいないことも手伝って3,000万もの貯蓄に成功しており、まさにゆとりある老後です。「2度と働きません」という言葉からも経済的余裕が感じられます
8人目:東京都在住Iさん(67歳・男性)のパターン
家族構成は、4人家族。
貯蓄額は、1,700万円くらい
年金の受給額
約22万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
多い方だと思う
何故そう思う?
同じ会社で長く働き、それなりの給与を貰っていたため周りよりは高い
現役時代の職業
正社員で大手電機メーカーに43年間勤務。60歳で定年退職
現役時代の年収
45歳以降に1,500万程度
現在の就業状況
贅沢をしなければ生活が成り立つので働いていません。ちょっとした旅行などに行くときは貯金から切り崩している
■ゆめこさんのコメント
新卒採用、正規雇用で入社した大手企業で定年まで勤めあげるという、最も年金を多く受け取れる例です。年金だけで家族4人の月の生活費が賄えているのは安心ですね。貯蓄が1,700万円あるのも、大企業勤務時代の高所得が効いています
9人目:北海道在住Jさん(75歳・女性)のパターン
単身世帯
貯蓄額は、1,000万円くらい
年金の受給額
約8万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
定年前に退職したので、厚生年金が少ないため
現役時代の職業
正社員として建設会社20年間勤務。50歳で退職
退職後は勤務していた会社から、設計業務を受注し自営業として25年間勤務
現役時代の年収
400万円くらい
現在の就業状況
退職後も勤務していた会社から設計業務を受注しており、現在も継続中
■ゆめこさんのコメント
Jさんが勤めていた会社の定年を60歳と仮定すると、50歳で独立したJさんは10年間分の厚生年金が差し引かれているため、受給額はやや心許ない印象です。ですが、定年前に一念発起してフリーランスになったことで、一般的な定年退職の年齢が過ぎてもスキルを活かした仕事を、引き続き同じ受給先から受けられていることを考えると、英断だったと思います。
10人目:愛知県在住Kさん(70歳・男性)のパターン
家族構成は、本人、妻、長男、次男
貯蓄額は、150万円くらい
年金受給額
約15万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
現役時代の給料が少なく、転職もさまざまな分野でしていたから少ないのだと思っています
現役時代の職業
物流関係に8年ほど勤務し、30歳で退職。
高齢者介護の施設に6年ほど勤務し、36歳で退職。
障がい福祉サービス事業で6年勤務し、その後も同様の障がい者福祉サービス事業で20年間以上にわたり勤務していました
現役時代の年収
約300万円ほど
現在の就業状況
障がい者のグループホームに勤務している。月だいたい7万円ほど(時給1,200円)です
現在は、年金支給だけでは経済的に苦しいので週3~4日ほど夜勤を中心にグループホームの見守り等をして生計を立てています。
■ゆめこさんのコメント
年金15万円プラス夜勤の仕事の収入7万円の22万円で生計を立てている状態ですね。転職が多いと年金額は減るため、転職をする場合、これまでのスキルを活かしたステップアップ転職をして収入をあげていくことが大切ですね
11人目:千葉県在住Lさん(68歳・男性)のパターン
家族構成は、自分、妻、息子
貯蓄額は、350万円くらい
年金受給額
約15万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
現役時代の職業
4社ほど会社を変えていますが全部正社員。最後の会社は一部上場企業で30年間勤務しました。65歳で退職
現役時代の年収
約700万円ほど
現在の就業状況
持ち家ですので暮らしは成り立っています。贅沢はできませんが
■ゆめこさんのコメント
転職を4回していますが、現役時代の年収700万円であることを考慮すると前職のスキルを活かしたステップアップ転職をに成功していたことが伺えます。持ち家と賃貸はどちらが得か議論が絶えませんが、コメントを読む限り、Mさんは持ち家の経済的恩恵をしっかり享受しているようです
12人目:大阪府在住Mさん(64歳・女性)のパターン
家族構成は、3人
貯蓄額は、3,000万円くらい
年金の受給額
約13万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
現役時代の職業
正社員で37年間勤務、60歳で退職
現役時代の年収
約700万円ほど
現在の就業状況
年金だけでは足りないため、現在は介護福祉センターで契約社員として働いている。
月額20万円程度
■ゆめこさんのコメント
年金の少なさを、貯蓄額と現在の契約社員の月収入20万円で補えていますね。正社員、現役時代高収入のわりに年金が少なめなのが気になります。もしかしたら、昭和のブラック中小企業で時たま見受けられる、正社員にもかかわらず厚生年金が納められていないという状況かもしれません
13人目:香川県在住Nさん(65歳・女性)のパターン
夫と2人暮らし
貯蓄額は、1,200万円くらい
年金受給額
約12万5,000円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、足りないと感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
非正規で働いていた時期があるから
現役時代の職業
正社員として中小企業に25年間勤務後、非正規社員として中小企業に12年間勤務。60歳で退職
現役時代の年収は、正社員のときは350万円前後。非正規のときは220万円程度
現在の就業状況
働いていません。
夫が国家公務員だったので、2人暮らしならなんとか生活できます
■ゆめこさんのコメント
非正規社員で12年間勤務していたこと、現役時代の収入が少なかったことを考えると、この年金額は御の字かもしれません。国家公務員だった旦那さんの年金額が頼もしいです
14人目:広島県在住Oさん(66歳・男性)のパターン
家族構成は、夫婦2人
貯蓄額は、3,500万円くらい。
年金受給額
夫婦で25万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、十分と感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
自営業の人と比べると多いと思いますが、夫婦共働きの家庭から考えると世帯年金額は少ないと思います
現役時代の職業
正社員として製造業に43年間勤め、65歳で退職
現役時代の年収
管理職時代は1,000万円ありました
現在の就業状況
何とか仕事をせずに年金で暮らせています。ただし、特別な出費は貯蓄から切り崩しとなっています
■ゆめこさんのコメント
年金額にも貯蓄額にもゆとりのある、理想的な老後ですね! 66歳で完全リタイアに成功しており、まさに悠々自適ライフです
15人目:茨城県在住Pさん(72歳・女性)のパターン
家族構成は、長男49歳、嫁47歳、孫16歳
貯蓄額は、500万円くらい
年金受給額
夫婦で8万円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、十分と感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
専業主婦だったので
現役時代の職業
30歳まで正社員。その後は専業主婦
現役時代の年収
夫が500万円くらい
現在の就業状況
持ち家で息子と同居しているから、なんとかやっていけています
■ゆめこさんのコメント
ご夫婦で8万円と世帯年金収入は少なめであるにもかかわらず、持ち家であり、子どもと同居していることから、生活していけているという例ですね
16人目:宮城県在住Qさん(64歳・男性)のパターン
家族構成は、夫婦のみ
貯蓄額は、200万円
年金の受給額
18万9,000円
生活費として・・・
今の年金額で暮らすには、十分と感じる
周囲と比較して・・・
少ない方だと思う
何故そう思う?
給与が低かったため
現役時代の職業
正社員として電子部品製造会社に勤務。60歳で定年退職後、再雇用で3年間勤務
現役時代の年収
平均で300万円程度
現在の就業状況
清掃業に勤務。ばらつきがありますが、月2~3万円程度の収入があります。
生活費は、マイナスになる月が発生してます。貯蓄を切り崩して賄っています。週2日程度、短時間ですが、バイトも行ってます
■ゆめこさんのコメント
年金を19万もらえており日々の暮らしは十分と感じているようですが、赤字になる月があり、貯蓄額も決して多くないため、清掃のアルバイト収入は命綱ですね
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