青山学院大学に在学する現役女子大学生で、演技やバラエティーなどマルチに活躍している中川紅葉が3月14日に1stフォトエッセイ「ココロすっぴん」を発売。そんな中川に、今回発売したエッセイ本についてや、芸能活動に対する思いなどたっぷりと語ったもらった。

【写真】公園で無邪気な笑顔を見せてはしゃぐ中川紅葉

■自分のことを知らない人にも「面白い」と思ってもらえるエッセイ本に

――まず最初に、約1年4カ月間連載をしてきたエッセイが、書籍化すると聞いたときのお気持ちを教えてください。

エッセイを始めるときに、「書籍化を目標にしましょう」と編集の方と言っていたので、いつかは書籍化されるのかなと思っていました。

今は書くことに少しずつ慣れてきましたし、 「花束とオオカミちゃんには騙されない」あたりから、私のことを応援してくださる方が増えたので、個人的にはこの時期に発売できてよかったなと。エッセイを読んでくださっている方の人数も、最初より増えているのではないかなと思います。

――いざ本を出すとなると、プレッシャーは感じますか?

今も感じています。WEBのエッセイだと元から私のことを知っている方が読むと思うのですが、本として出版するとなると、そうはいかないなと言いますか…。書籍はWEBで読む人とは違った層の方が手に取っている気がするので、すごい賛否両論がわかれるのかなと、不安です(笑)。

でも逆にいい言葉しかなかったら、多分それはそれでがっかりすると思うんです。私のことをなにがあっても肯定してくれるやさしいファンの方にしか届かなかったのかなって。

――では、かなり時間をかけて制作したのでは?

普段WEBで出しているエッセイを書くのには、そんなに時間はかからないけど、本から新しく追加した部分のエッセイは4カ月ぐらいかけて仕上げました。編集の方にも相談しながら、ラフな話だったり、日常的な話を追加しましたね。

知らないタレントのエッセイ本を読んだときに、それでも面白いって思える話を書きたかったんです。

――たくさん苦労もあったかと思いますが、そんな中でも「エッセイを始めてよかった」と思った瞬間もあるのではないでしょうか。

私は、すごくネガティブで。ネガティブだと思うことも、マイナスだと思っていたんです。でも、ネガティブだって感じるのは、きっと誰かとの比較で自分が劣っていると感じるからで、周りの人が自分より下だと思っていたら絶対にネガティブにはならないんですよ。

そう考えると、「もしかしたら自分は人のいいところを探す能力が長けているのかもしれない」と考え方を変えることができて、自分の長所にも気づけました。

――新たな発見があったんですね。

そうなんです。 あと、SNSなどで「陰キャアピールしてますよね」と言われることがあって。実際普段の私は陰キャなんですけど、SNSとか、表に出ている情報とか、大学名とか、ミスコンに出てたとか、そういうの含めて私は陽キャに見えていたんだなって発見もありました(笑)。

■裏表紙を見て本を買った人は「びっくりしちゃうかも…」

――今回のフォトエッセイの帯は中川さんが大好きな、EXITの兼近さんに書いてもらっていましたね。兼近さんからもらった言葉はいかがでしたか?

実は兼近さんから帯の候補を何個かもらっていて、その中から編集の方と帯の言葉を選びました。候補を全部見て、選ばれたもの以外にもすごくいいものがあって、うれしかったです。何よりも、自分がエッセイ本で伝えたかったことが、しっかり伝わっているような気がしました。

――対談では「花束とオオカミちゃんには騙されない」で共演していた齊藤なぎささんが登場していました。

すごく久しぶりに会ったんですが、いい意味で変わってなかったです。変わったのは髪色くらい(笑)。この私が、会ってよりその人のことを好きになることってあまりないんですけど、タイプが似ているのか、気を使わずに過ごせる関係性です。

――フォトエッセイということで、写真もすごくすてきでした。中川さんのお気に入りのカットなどはありますか?

熱海の海辺で撮った、オレンジのノースリーブを着ているカットです。夕日と一緒に撮りたかったので、これは本当に5分ぐらいで撮りました(笑)。なのにしっかり日が沈んじゃって…(笑)。私のいつもの運の悪さがここでも発揮されて、自分らしさ含めお気に入りです。

――メロンソーダを飲んでいるカットもすごくかわいかったです。

それは、絶対に女の子に受けそうなカットだなと(笑)。本が出来上がって気が付いたんですけど、今回あまり笑っている写真がないんですよ。裏表紙が満面の笑みなので、買った人はびっくりしちゃうかも(笑)。

■ファンの方は「すごく信頼できる存在」

――今回はエッセイ本を購入された方へのお渡し会がありますね。

ファンの方へのお渡しイベントは「花束とオオカミちゃんには騙されない」でやったフラワーフェスティバル以来で、約1年ぶり。あの時は、他の方のファンもいて、正直誰が誰だか判断するのが難しかったんです。でも今回は自分のファンの方しかいないということで、すごく楽しみです。

――中川さんはSNSでもコメント返し質問箱などをマメにしていて、ファンと積極的に交流しているイメージです。中川さんにとってファンとはどのような存在ですか?

すごく信頼できる存在です。 私、そこだけは謎にポジティブ。ファンの方たちは絶対に私を傷つけるというか、怖がることはしないだろうなと。私自身エゴサをすごくするタイプで、嫌なこと書かれていたりとかするのを「見てるよ」という意味で、あえていいねを押すんです。

多分ファンの方は、私のいいね欄も見てくださっていて、「大丈夫だよ」みたいなDMをわざわざ送ってくれて、本当にいい人ばかり。極端な話、住所とか教えても絶対大丈夫だろうなっていうぐらい信頼しています(笑)。

――そんな信頼できるファンの方たちに、どのようにエッセイ本を楽しんでほしいですか?

応援してくださっている方は多分、 何を書いていても「よかった!」と甘やかしてくれると思うんです(笑)。それはもちろん、ほんとうにうれしいし励みになるんですけど、素直な意見もほしいなと。

「この話が好きだった」とか、「これは共感できなかった」とかも、遠慮せずに言ってほしい。客観的に見て楽しんでもらいたいです。

■1番素でいられるのはバラエティーの仕事

――今回のエッセイ以外にも女優業・バラエティ・モデル・ラジオなどマルチにこなしていますが、最初は「バンドをしたい」というところから芸能活動を始めたと思います。現在はどんな仕事に力を入れたいですか?

バラエティーをやっている時は、1番「こう見せたい!」という思考がなくて、素の自分でいられているなと思います。自分の発言が燃えていたりするのも見ていますけど、悪いことではないんじゃないかなと思えるバラエティーは楽しいですし、今後も挑戦していきたいです。

――一時期は、就職を考えていた時期もあったとおっしゃられていました。なぜ芸能界で生きていくという選択をしたのでしょうか。

コロナが落ち着いて事務所に入って、ラジオの仕事をいただいて「芸能界のお仕事も楽しいかも」と思い始めたのは1つのきっかけでした。でも、確実に「これだ!」となったのは、「EXITV」に出演した時です。

頑張っていたら推しに会えるかもっていうのと、それまでもEXITさんと一緒に仕事をしたことはあったんですが、 EXITさんもスタッフさんもみんなプロだなと感じる現場で、それを体験して、芸能界で生きていく、生きていかないの選択は「私が決めることじゃないな」と思ったんです。なので、周りに求められているのなら応えたいなと。

――2023年は「アイドル誕生」や「シッコウ‼~犬と私と執行官~」など女優業も目立っていたように感じます。次に演じてみたい役柄などはあったりしますか?

メガネっ子です。陰キャっぽいやつ(笑)。いつもハッピーポジティブ野郎みたいな役柄なので、暗めな役をやってみたいです。もしまた明るい役をやるなら…振り切ってギャルとかがいいですね(笑)。

――では最後に、マルチに活躍している中川さんが次に挑戦してみたいことを教えてください。

今回エッセイを書いてみて、私はエッセイじゃなくて多分小説を書く方が向いているかもしれない、と思ったので挑戦してみたいです。小説だと、自分が今まで経験してきたことも反映しやすいですし、それをみなさんにフィクションとして受け取ってもらうことができる。エッセイを書いたからこそ、気が付いたことです。今回のお仕事のおかげで次なる目標ができました。

あとは、今このインタビューをしてくれている人が実は学生時代からの友人なので、いつか次は試写会とかで一緒に仕事をすることです!

◆取材・文/WEBザテレビジョン編集部

中川紅葉/撮影=友野雄