横浜育ちの学生が北海道の稚内へ就職!最北の地で目にした“北海道あるある”を綴る漫画「しろまる最北日記」。作品の中では、作者の高木さんが白丸あすか(@Asuka_Shiromaru) という架空のキャラクターとなり、現地での体験を漫画にして共感や笑いを誘っている。エピソードのテーマは「VS野生動物」。漫画に込める想いなどを聞いてみた。

【漫画の本編を読む】運転中に飛び出してきた鹿と接触!その後どうなった

■VS野生動物

北海道では、驚くほど普通に鹿がいる。夜、車を動かそうとライトをつけた瞬間、目の前に鹿がいたりするので肝を冷やすこともしばしば。

鹿といえば、奈良や広島の宮島が有名。だが、同じニホンジカにもかかわらず、体の大きさは北海道の鹿のほうがかなり立派だ。それだけに、運転中に接触するとダメージは想像以上に大きい。

北海道で出合える動物の遭遇率ガチャを作ってみた。キタキツネや鹿はノーマル、ヒグマはスーパーレア…。そうしてめったに出合えないダブルスーパーレアに認定されたのは、ゴキブリだ!

稚内に移住してから最初の夏、夜間の運転中に飛び出してきた鹿と激突した!野生動物との接触事故は物損事故に当たり減点はないが、入っていた保険では、野生動物との事故が補償対象外。車はレッカーで運ばれ、初ボーナスのすべてを修理代に充てることとなった。

■大自然の中だけでなく、街に普通に野生動物がいる

稚内への移住前にも、知床での長期アルバイト経験があった作者の高木さん。「知床は野生動物の楽園なので、人の生活圏に彼らが出没することには慣れていましたが、それはあくまで世界自然遺産・知床だからこそだと思っていました。稚内は3万人が暮らす都市だというのに、野生動物(主に鹿)が頻繁に出没します。こんなに鹿がいるのは正直予想外でした」

鹿とぶつからないために、車を運転している際に気をつけていることは?「まず第一に『夜間・早朝の走行をなるべく避けること』、次いで『スピードを出しすぎないこと』です。(動物の接触事故は補償外だという)保険の内容は、事故後すぐに見直しました(笑)」

■ゴキブリは本当に見ない。未確認生物扱い

ユニークな動物遭遇率ガチャ。意外なのはキタキツネのほうが、野良猫よりレア度が低い(よく出合う)こと。「キツネは市街地から山間部に至るまで、道内の幅広い地域で見かけます。野良猫は人が住んでいる場所の近くでしか遭遇しないので、相対的に珍しく感じる節はあると思います。札幌近郊などでは圧倒的に野良猫の出現率が優勢でしょう(おそらく冬はどこかの家に転がり込んでいると思われます)」

そしてダブルスーパーレアのゴキブリについて。「本当に見ません。移住してからかれこれ5年間、一度も出合っていません」

さらに、「生粋の稚内人に『人生でゴキブリを見たことがあるか』と聞いても、たいていは『見たことがない』と言われます。『○○(稚内の施設名)にはいる"らしい"』などと、伝説の生物扱いをしてきます。ゴキブリトークはかなり盛り上がるので、道民と話す機会があったら取り上げてみるのがおすすめです」

※漫画を含め、内容はあくまで作者の体験によるものです。同じ道内でも地方によって状況が変わる場合がありますのでご了承ください

取材・文=折笠隆

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