2030年代まで運用予定。

2028年には現役最年長空母に

アメリカ軍の準機関紙である星条旗新聞は2024年3月14日、海軍が保有する原子力空母であるニミッツ級航空母艦「ドワイト・D・アイゼンハワー」の退役が2030年代まで延長されると報じました。

同艦は2024年現在建造が進められているフォード航空母艦に置き換わる予定で、1番艦の「ニミッツ」が2026年に、2番艦である「ドワイト・D・アイゼンハワー」が2028年に退役する予定でした。

しかし、フォード級に搭載するリニア式のカタパルトや艦内システムの開発に遅れが生じたの関係で、2番艦として建造中である「ジョン・F・ケネディ」の就役に遅れが生じたため、アメリカ海軍は同艦を少なくとも2029年いっぱいまで運用するとのこと。「ドワイト・D・アイゼンハワー」は、ベトナム戦争が終わった直後の1975年10月に進水、1977年10月に就役した空母で、すでに運用から50年近くが経過しています。

本来、「ドワイト・D・アイゼンハワー」はフォード級3番艦の「エンタープライズ」就役と同時に退役する予定でしたが、4番艦「ドリス・ミラー」や、まだ命名されていない5番艦の遅れも考慮し、さらに2030年を過ぎても延びる可能性があるようです。なお、ニミッツ級の1番艦である「ニミッツ」に関しては予定通り2026年で退役となるようです。

「ドワイト・D・アイゼンハワー」は2024年3月現在、紅海に派遣されており、イエメンの反政府勢力フーシ派から商船などを守る「繁栄の守護者作戦」に参加しています。2023年3月にはレバノンイスラム教シーア派組織「ヒズボラ」イスラエルへの軍事介入をけん制するために行われた東地中海でのイタリア海軍との共同演習で、最新の原子力航空母艦であるフォード級1番艦「ジェラルド・R・フォード」と訓練を行ったこともあります。

ニミッツ級航空母艦「ドワイト・D・アイゼンハワー」(画像:アメリカ海軍)。