6432サイズの金属板シャント抵抗器「PMR100」
要旨

ローム株式会社(本社:京都市)は、車載機器や産業機器、民生機器のモーター制御回路や電源回路などに向けて、標準タイプの6432サイズ(6.4mm×3.2mm)金属板シャント抵抗器PMR100」に、定格電力5Wかつ抵抗値0.5mΩ/1.0mΩ/1.5mΩの3製品を新たにラインアップ追加しました。


金属板シャント抵抗器「PMR100」

新製品は、温度特性に優れた新材料および端子温度ディレーティング(*1)の導入により、定格電力5Wを達成。これは、6432サイズの保護膜ありフラットチップタイプでは業界最高クラスです。従来品であるPMR100の2W品と比べ定格電力を約2.5倍、3W品と比べ約1.7倍向上することで高電力大型タイプからの置き換えが実現できるため、アプリケーションの小型化に貢献します。また定格端子温度(*2)130℃(0.5mΩ・1mΩ品の場合)および使用温度範囲-65℃~+175℃を保証しており、高温環境下でも安定した動作を確保できます。さらに、優れた抵抗温度係数(TCR(*3))±75ppm/℃により、高精度かつ信頼性の高い電流検出が可能です。

新製品は、2023年12月よりサンプル出荷を開始(サンプル価格250円/個:税抜)しており、2024年3月より順次量産を開始する予定です。生産拠点は前工程、後工程ともにROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。なお、新製品を含むPMRシリーズのサンプルは、インターネット商社のコアスタッフオンライン(TM)、チップワンストップ(TM)にて1個から購入可能です(取り扱い品番は後述)。

なお、PMRシリーズにおいては、さらに小型の5025サイズおよび3225サイズで4W品の開発を進めており、ラインアップを拡充していく予定です。今後もロームは、シャント抵抗器の性能向上を通じて、アプリケーションの小型化や省エネ化に貢献します。

ニュースリリースページ:https://www.rohm.co.jp/news-detail?news-title=2024-03-21_news_resistor&defaultGroupId=false

背景

電流検出用途のシャント抵抗器は、主にモーター駆動回路や電源の過電流保護、電池の残量検知に使用され、自動車や産業機器、民生機器など幅広い分野で使われています。そして、各種アプリケーションで求められる省電力化を実現するためには、高精度かつ高信頼なシャント抵抗器による精密な回路制御が必要になります。加えてアプリケーションの機能向上に伴い基板の高密度化が進んでおり、シャント抵抗器には小型化かつ高電力化も求められています。また自動車分野においては、高温環境下でも高い電流検出精度を確保することが重要視されます。

ロームはこれまで創業製品である抵抗器において、業界に先駆けた製品開発を進めてきました。その中でも金属板シャント抵抗器PMRシリーズは、ラインアップの豊富さが評価され、これまでさまざまなアプリケーションに採用されています。今回、さらに高電力化および抵抗値範囲を拡大することにより、小型・高電力で高温対応、高精度を実現した「PMR100」のラインアップを拡充しました。


PMRシリーズラインアップ

定格電力アップについて
PMRシリーズについて

PMRシリーズは、ロームのシャント抵抗器シリーズの中で最も標準的な金属板抵抗器です。

抵抗器市場で標準とされる製品サイズ「1005(1.0mm×0.5mm)」から「6432(6.4mm×3.2mm)」までの7サイズを網羅しています。


ロームのシャント抵抗シリーズ表

また、独自のトリミングレス構造を採用することで、課題となっていた電流の局所集中による製品温度の上昇を抑制しています。これにより電極間の距離を広げることができるため、0.5mΩの低抵抗品でもパターン設計の容易さが向上します。

PMR100のラインアップ


PMR100のラインアップ

アプリケーション例

新製品は幅広いアプリケーションの電流検出用途で汎用的に使用可能です。

インターネット販売情報

販売ネット商社:

コアスタッフオンライン(TM)チップワンストップ(TM)

新製品は、1mΩ(PMR100HZP7FV1L00)の抵抗値より販売を開始しています。なお、他抵抗値品は、随時追加予定です。


インターネット販売情報

抵抗値検索ページ

製品ページでシリーズや抵抗値から検索、サンプル購入ができます。

https://www.rohm.co.jp/products/resistors


用語説明

*1) 端子温度ディレーティング

故障の原因となる自己発熱を抑えるためには、定められた定格温度値以下での動作(ディレーティング)が必要である。部品の周囲温度を判定基準とする「周囲温度ディレーティング」に対し、部品の端子部温度を判定基準にする方式を「端子温度ディレーティング」と呼ぶ。

*2) 定格端子温度

製品の定格電力を100%印加できる、製品の端子温度の最大値を示す。定格端子温度は、製品のシリーズやサイズ、場合によっては抵抗値によっても変わる。

*3) TCR(Temperature Coefficient of Resistanceの略)

「抵抗温度係数」のことで、この値が低いほど周囲温度の変化に対する抵抗値変化が少なく、機器の動作ばらつきを抑えることができる。

注) 「チップワンストップ(TM)」、「コアスタッフオンライン(TM)」は、各社の商標または登録商標です。

配信元企業:ローム株式会社

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