動画では生産ラインも公開しています。

ロールアウト式典に中国人の姿も

パキスタン軍は2024年3月6日、国産戦車「ハイダー(HAIDER)」のロールアウト式典を行ったと発表しました。

「ハイダー」は、パキスタンの国営企業タキシラ重工業が設計・製造する戦車です。全長10.1m、全幅3.4m、乗員3名のMBT(主力戦車)で、125mm滑腔砲や12.7mm機関銃などを搭載し、複合装甲や爆発反応装甲を装備、パワーパックは出力1200馬力のターボディーゼルにオートマチック変速機を組みわせたものであるなど、日本の90式戦車を始めとした、いわゆる第3世代MBTと呼ばれる性能を有しています。

ちなみに、開発にあたっては中国のNORINCO(中国北方工業公司)の技術支援もあったようで、ロールアウト式典には同社の主要幹部のほか、在パキスタン中国大使なども参列していました。

一部報道などによると、ベースになったのはNORINCOが開発した輸出用戦車「VT-4」だそう。パキスタンは2017年に同車を採用し、2020年から引き渡しを受けています。パキスタンはVT-4を最大460両導入する計画のため、その購入契約のなかに独自戦車「ハイダー」の開発に関するなにかしらの取り決めが盛り込まれていたのかもしれません。

なお、VT-4にはNORINCOが中国人民解放軍向けに開発・製造する96式戦車などの技術がフィードバックされていると言われており、このたび披露された「ハイダー」とVT-4、そして96式戦車は近似した部分も見ることができます。

パキスタンの新戦車「ハイダー」(画像:パキスタン軍)。