21日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比289.42ポイント(1.75%)高の16832.49ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が90.31ポイント(1.56%)高の5894.30ポイントと続伸した。売買代金は679億1980万香港ドルに拡大している(20日の前場は487億2720万香港ドル)。
 米株高が好感される流れ。昨夜の米株市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利下げ見通しが維持されたことを手がかりに、主要株価指数が史上最高値をそろって更新した。香港や本土でも、金融緩和の余地が広がると期待されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、本土不動産の上げが目立つ。龍湖集団HD(960/HK)が6.0%高、中国海外発展(688/HK)が4.9%高、華潤置地(1109/HK)が3.9%高で引けた。
 香港の不動産セクターもしっかり。恒基兆業地産(12/HK)が4.3%高、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.5%高、恒隆地産(101/HK)が2.6%高、新世界発展(17/HK)が2.4%高と値を上げた。
 産金セクターも高い。招金鉱業(1818/HK)が6.1%、山東黄金鉱業(1787/HK)が5.4%、中国黄金国際資源(2099/HK)が3.3%、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.8%ずつ上昇した。金相場の上昇を材料視。金先物価格はFOMC後に急伸し、日本時間の朝方は最高値を更新して推移している。米金利の先安感を背景に、相対的な金の投資妙味が増すとの見方だ。
 マカオ・カジノ株も物色される。金沙中国(1928/HK)が3.3%高、澳門博彩HD(880/HK)が2.6%高、美高梅中国HD(2282/HK)が2.4%高、永利澳門(1128/HK)が2.1%高で前場取引を終えた。域内旅客増によるカジノ客増加が期待されている。マカオ政府が20日発表した最新統計によると、今年2月の入境旅客は延べ3293564人に達し、前年同月の2.2倍に拡大した。
 半面、太陽光発電の関連銘柄はさえない。福莱特玻璃集団(6865/HK)が4.7%、協キン科技HD(3800/HK)が3.5%、カ姆丹克太陽能系統集団(712/HK)が1.9%、信義光能HD(968/HK)が1.4%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.20%安の3073.37ポイントで前場の取引を終了した。医薬株が安い。消費関連株、ハイテク株、建築資材株、インフラ関連株なども売られた。半面、銀行・証券株は高い。産金株、不動産株、メディア・娯楽株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)